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純白のSと共に  作者: Kanra
9stage遠き富士
93/435

ハイスピードで駆け抜けろ!

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。


また、サーキット走行に関する描写は、岡山国際サーキットの走行規程を元にアレンジした物です。

実際のサーキット走行時には、サーキットごとに定められた規程に従って走行してください。

 唯一の軽スポーツカーであるS660。

 海老原親子も軽スポ乗りだが、今日に限ってどういうわけかMR‐SとMR‐2を持ってきた。どうやら、海老原拓磨が、俺はNSXに乗っていると勘違いしていたらしい。

(んなもん買う金どこにあるんだよ。)

 と、思いながら走る。

 そのバカ親子が前にいる。

(クソーっチーム対抗戦でぶち抜いてくれるわ!MR同士だしな。)

 パドルシフトでギアを落としながらコーナーを抜けていく。

 こういうときにMT車はかなり強いエンジンブレーキを使えるのだろうが。

 CVTだと上手くいかない事も多い。

 TOYOTAとレクサスとHONDA。出来れば芽美連れてきてSUZUKIもバトルに乱入と行きたいが、パレットTSじゃ開始5秒で終了だろう。

 TGRコーナーから2コーナーを経てコカコーラコーナーへの間でアクセル全開。前のMR‐2のリアが近い。コカコーラコーナーでアウトから抜いた。

 俺の後は知恵ちゃんのインテグラDC5。

 インテグラはMR‐2を抜けなかった。

 俺は100Rで、MR‐Sもパスした。だが、MR‐Sは離れずに喰いついている。アドバンコーナーを抜けると、CR‐Zが見えたが追い付くのは難しいか。

 300Rを抜けてダンロップコーナー。そして、パナソニックコーナーを抜けてメインストレートへ突入する。

 メインストレートは最高速で一気に駆け抜けて行く。

(私はタクミと一緒にいたいのに、タクミは離れていってしまう。)

 彼女の声と、下着姿の彼女の姿―。

「うわっ!」

 オーバースピードだ。コースアウトした。

「芽美の事を考えてしまった。今は、サーキットに集中しないと。」

 ヨタヨタとコース復帰すると、後から坂口さんのS2000が来て、あっという間に抜かれた。

 一度、ピットに戻って水飲んで落ち着こう。

 ピットに入ると、S2000もピットにいた。

「1コーナー。どこでブレーキングした?」

 と、坂口さんが聞く。

「50mのところを過ぎてたな。」

「遅い。100あたりで踏んで。」

 給水すると、俺はS2000に続いてピットを出る。

 2コーナーからコカコーラコーナーへの間で、またも海老原レーシングの6号車、白のレクサスLC500に追い越される。

 俺は、レクサスの後に位置取りする。

 だが、レクサスの方にパワーがあるのは明白だ。

 後ろから、海老原レーシング3号車スープラRZ(黒と赤のツートンカラー)が接近。しかし、前のレクサスとなかなか差が開かない。

(下手なことしないで、前のレクサスとS2000のラインをなぞって行こう。)

 ダンロップコーナーからGR Supraコーナーまでのセクションを抜け、パナソニックコーナー。

(メインストレートで、レクサスとS2000とはかなり差が開くだろう。スープラだってどうなることか―。)

 ピットレーンから、海老原拓磨が見ている。

「エアガン捨てなきゃ結婚できないんだよ!分かってるの!?」

(うるっせえ!もう自分では持っていねえって言ってんだろ!)

「証拠見せろ!」

(持っていない物に対してどうやって証拠見せろってんだ―。)

「あぶない!」

「あっ!」

 慌ててブレーキング。しかし、間に合わずまたもコースアウト。

「クソッタレっ!」

 ヨタヨタしながらコースに復帰して、またピットへ戻る。

 1.5キロのメインストレートからのTGRコーナーは、フルブレーキ勝負になる。後1秒遅かったら、グラベルに突っ込んでいただろう。

「愛衣から聞いた通り、お前のS660からは彗星の尾のような物が見える。だが、それが長ければ長いほど、クラッシュしかける。彗星の尾の正体は彼女に関することだって聞いてはいる。だが、ここはサーキットだ。彼女の事は切り離し、走る事のみ考えろ。」

 そうは言われても、そう言われると余計に意識してしまう。

「意識を後ろに向けるな。前を向け。俺のMR‐2についてきてみろ。」

 MR‐2の後について、ピットを出る。

 意識するのは海老原拓磨のMR‐2の後ろ姿。S660をコントロールして行く。

(もっと早く。もっと早く。スピードに乗せて、彼女の事も吹き飛ばして突き進め。ここはサーキットだ。)

 横Gがかかる。まるで戦闘機で急旋回しているようだ。

(MR‐2は俺と同じミッドシップ。だったら旋回性能もほぼ同じだろう。)

 アドバンコーナーで、MR‐2の後をドリフトしながら通過。

 俺の後をぴったりと、MR‐SとS2000がついている。


 MR‐Sの海老原陽一はS660をじっくりと観察している。

 S2000の坂口愛衣も、ドライブカメラでS660の挙動を撮影。

(言われた通り、こいつは彗星の尾のようなオーラを出している。メインストレートでドジった時、それは濃かったが、今は薄い。ストレートでバカっ速くて残像になっているのかとも思ったがそうではない。彗星の尾の正体は彼女に関することだって聞いてはいる。なぜそれが、ストレートで現れるのだ。)

 再度、メインストレートに戻ってくる。

(問題はここだ。あっ―。)

 またも、オーラが濃くなる。

(そういうことか。ストレート区間では、コーナー処理をしない分、彼女の事を思い出してしまう。特にここのようなロングストレートでは、それが顕著に現れやすい。言うならば、ロングストレートが苦手な感覚派タイプのドライバーって訳だ。もし、彼女の事が無ければ、こいつはとんでもない化け物になっているかもしれない。だが、今のままでは彼女に振り回されて安定しない感覚派ドライバー。しかも、高速のロングストレートがヘタくそってイカれた奴だ!)


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