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純白のSと共に  作者: Kanra
9stage遠き富士
92/435

富士のコース

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。


また、サーキット走行に関する描写は、岡山国際サーキットの走行規程を元にアレンジした物です。

実際のサーキット走行時には、サーキットごとに定められた規程に従って走行してください。

 昼飯食って準備を終えると、いよいよ走行会だ。

 富士初走行の俺は、5周程、坂口さんのS2000AP1の助手席でコースを見てからスタートだ。

 HONDA車のワンメークチームの印象が強いホワイトインパルスに対し、海老原レーシングはTOYOTA車やレクサス車が多い。 

 TOYOTAはAE86やTOYOTA86の他、スープラ、MR‐2、MR‐S、アルテッツァ等のスポーツカーも生産していたが、今はプリウスやアクアと言ったいわゆる人生を諦めた奴等が乗る車が勢力を拡大しスポーツカーは、高級ブランドのレクサスが製造販売している状態だ。

(レクサスなんて、俺には手が出ねえよ。)

 と思う。しかし、そういう俺だってNSXを突拍子も無く買おうとしたのだが。

 海老原レーシングの参加車は12台。

 TOYOTAが7台。レクサス3台。

 TOYOTA86が3台、スープラRZが2台、プリウスαGR sport、プリウスPHV GR sport。

 レクサス勢はLC500が2台と、GS F。

 そして、海老原陽一のMR‐Sと海老原拓磨のMR‐2だ。

 メカニック班はレクサスをメインに整備しているらしく、TOYOTAの方は手が空いたらと言う具合のようだ。

「行くよ。」

 ピットレーンから、ホワイトインパルス1号車、真穂さんのCR‐Zを先頭に、2号車のS2000AP1、3号車のDC5インテグラタイプRが出撃。

 一周回ってから坂口さんが口を開く。

「1.5キロのメインストレートから、ヘアピンの1コーナー(TGRコーナー)へ。急角度で10%勾配のオマケ付き。安曇野サーキットstage2のGTR殺しの感覚を思い出してクリアし、緩い第2コーナーを加速しながらコカコーラコーナーへ!」

 走りのリズムに乗って話す。

 前のプリウスαGR sportの後につきながら、コカコーラコーナー。

「コカコーラコーナーは出口が上り。ここから第5コーナーまで中高速のトヨペット100Rコーナー。からの!左アドバンコーナー!ブレーキングしながらアプローチしてクリアしたら複合300Rまで一気に駆け抜けろ!」

 一度本気になってしまえば、人が変わる。

 坂口さんは車に関する事になると、人格も変わる。

 S2000AP1で5周走った後、今度は俺がS660で走る。

 助手席には、坂口さんが乗る。

「3周走ったら、ピットに戻って、そこからは一人で行け!」

 1周走って、メインストレートへ突入。

 後ろから海老原レーシングの6号車、白のレクサスLC500と、9号車、オレンジのTOYOTA86が迫ってくる。

 パスさせてTOYOTA86の後に着く。

「デイッ!」

 ヘアピンの1コーナーに飛び込む。

 リアが流れるが、リアウィングの効果でブレイクしそうになるのが抑えられている。

「走行会はレースではない。互いの進路を妨害しないこと!」

 と、坂口さんが言う。と言うよりもはや叫んでいる。

 そうしなければ、何を言っているのか解らないからだ。

 シケイン形状のダンロップコーナーを攻略し、13コーナーからGR Supraコーナーの区間へ。他のハイスピードセクションとは異なり、微妙なアクセルワークが必要な区間だ。D1グランプリはこのコーナーで行われている。

(人間、頭打つと化けるとは言うが、2007年のD1グランプリのクラッシュ後、両選手化けたってな。化け物ってのは、どこにでもいるんだよな。俺の隣にも。)

「余計なこと考えない!彼女のおっぱいやらわかかったなんて言ったって、事故ったらもう揉めないからね!」

「ちっ!」

「舌打ちしない!走れ!」

 パナソニックコーナーに飛び込む。

 立ち上がりの時、後ろにいたプリウスPHV GR sportを先に行かせる。

 まだ慣らしだからだ。

 だが、プリウスPHV GR sportが遅い。S660のほうが加速で勝っている。

「だからって、180キロオーバーで1コーナーに突っ込むにはまだ早い!130に抑えろ!」

 それでも十分速いんですけど。

 土曜日であるということもあり、車好きの親子がメインスタンドで観覧しているが、走っている車からは点にしか見えない。

 3周走ってピットに戻る。

「じゃあ、こっからは一人だからね。ムキになって目茶苦茶にコーナーに突っ込んでも車は安定しない。立ち上がりでもたつく。結果遅いって事が、タクミにはよくある。いい?とにかくペースを乱さないよう考えて走ること。」

「分かった。」

「なら行け。私も行くわ。」

 S2000AP1に続いて、俺もS660を発進させる。

 今日の俺の舞台は、彼女の隣じゃない。

 サーキットが、俺の舞台だ。


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