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純白のSと共に  作者: Kanra
9stage遠き富士
91/435

富士スピードウェイ

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。


また、サーキット走行に関する描写は、岡山国際サーキットの走行規程を元にアレンジした物です。

実際のサーキット走行時には、サーキットごとに定められた規程に従って走行してください。

 坂口さんのS2000AP1が先頭となって、富士スピードウェイのゲートを抜ける。

 午後の走行枠全てを貸し切っての走行会。

 最初はつるんで走り、ラスト1時間はチーム対抗戦だ。

 対戦相手の海老原レーシングの者達の姿もある。

 パドックに入る。ここは意外なことに、パドックからコースの全容がだいたいだが見える。

 メインストレートは約1.5キロ。全長4.5キロ。コーナー数16。コース幅15~25m。標高585m~545m。

 そう言われたが、意外とコンパクトにまとまっているようにも見える。

 今は午前中の走行時間。

 午前中は、バイクの走行会のようで、多数のバイクが走行している。

 バイクに関しては分らない。

 知恵ちゃんがVT250Fに乗っていたというのだが。

「2007年のD1グランプリで発生した大クラッシュはあそこ。8コーナで起きた。」

 と、坂口さんが言う。

「D1の動画と、今走っているバイクは逆向きに走っているけど―。」

「D1は逆走でやっていたからね。本来は時計回り。基本、サーキットは時計回りだよ。」

 坂口さん達はトランクに必要最低限の工具類を積み込んでおり、それを、ピットで降している。トランクの無い俺のS660は助手席と運転席の後、ユーリティーボックスに積めるだけの物は積んではいるが、タイヤ等は積めない。

 点検用の工具類と安物のレーシングスーツ、ヘルメット。

 積めてもこれが限度。まるで潜水艦だ。

 それにしても、富士はもてぎと違ってレース以外で楽しめる物が無い。

 ジムカーナ、ドリフトコース、ドライビングスクール、カート場。

「もてぎと鈴鹿のようなサーキットの方が、日本では珍しいよ。まあ、サーキットなんて、走るための場所だから、余計な物が無いほうが私は好き。」

 と、知恵ちゃんは言うのだが、

「それだと、モータースポーツは敷居が高いってイメージを持たれたり、車に興味を持つ子供につまらないって言われたりしないかな?」

 と思う。

「そう言う奴は遊園地で遊んでいればいい。そう言う奴に限って、何も知らねえクセにイキッてクラッシュしたり、文句だけ付けて帰ったりする。はっきり言って邪魔。」

「俺は鉄道マニアだった時に、苦い経験をしたからな。周りの奴らに「蒸気機関車がーっ」って話しても、周りの奴らは蒸気機関車の形式も分らなくて、分かってもらえないって事が多々あったんでね。」

「そもそも、好きでもない物を無理に好きになってもらわなくて私は結構。話が合う奴とだけ付き合いたいわ。」

 そう知恵ちゃんは言った後、

「タクミさんには余計なお世話だとは思いますが、芽美さんとの結婚、私は反対です。芽美さんやその両親はさっさと結婚しろと言うクセに、タクミさんがその気になった途端、既に手を引いた過去の趣味を持ち出して話を一向に進めないのであるのなら、タクミさんだって手を引いたほうが良いです。モータースポーツにおいて、そのようなものは余計な足枷になるだけではなく、重大事故の原因にもなります。S660はリミッター外しても180が限界とは言え、例え180キロでも、事故ったら死にますから。その原因が、悩みごとによるドライブミスでは、目も当てられません。」

 と言った。

 助手席とユーリティーボックスの荷物を降した俺は、レーシングスーツに着替え、今日、一緒に走る海老原レーシングの方々に挨拶する。

 海老原レーシングの方の参加人数は多い。

 メカニック担当も居るらしい。

 坂口さんの後に、俺も挨拶する。

「九重拓洋と言います。走り始めてまだ日が浅い上、富士初走行で不慣れな点も多く、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、よろしくお願いします。」

 これに最初に答えたのは、海老原拓磨の父、海老原陽一だった。

「息子からサーキット走行の経験の有無と、ライセンス取得から日が浅いと言う事は聞いている。しかし、モータースポーツを始める人は誰もが初心者から始める。いきなりで天才的なドライビングテクニックを持つ者はいないよ。だから今日は、肩の力を抜いてリラックスして走ることを目標に頑張ってね。そして、この富士スピードウェイの大きさと厳しさを体験して行こう。」

 そう言った後、

「ま、よく見させてもらうよ。君の今のテクニックで何処まで走っていけるか。」


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