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純白のSと共に  作者: Kanra
7stage臨界点突破
78/435

ナビシートの景色

この物語はフィクションであり、実在の地名、団体とは一切関係ありません。

公道での乗用車による高速・危険走行は生命に危害を及ぼします。

作中での行為は絶対に真似をしないで下さい。

また、自動車を運転する際は道路交通法を遵守し、安全運転を心掛けてください。

「彼女をナビシートに乗せて、1本やってやれ。」

 と言ったのは朝倉さんだった。

「インテグラDC5とCL7アコードユーロRのバトル。これに後からついて行って、彼女に見せてやれ。走り屋のバトルがどんな恐ろしいか。」

「ガスはまだありますけど―。」

「2台ともFFだから、なんとかついていけるだろ?それについて行けなくたって、軽スポとスポーツカーの違いってもんを見せてやれるだろう。」

(メンドクセエ。)

「芽美はどうするよ。」

 彼女に聞く。

「笑ったのは謝る。私、タクミの居る世界を知らないから。だから教えて。」

「ちっ。命の保証はしねえからな。死んでも恨むなよ。俺は後で死んだってオメエに言われようが、オメエの親やダチに言われようが、責任取らねえからな。乗るのはテメエの自己責任だ。俺は嫌だって言ってんだ。」

「でも、教えて。口で言われたり、映像で見ても解らないから。」

 周囲を見回す。

「みんな聞いていたな?俺は今、「自己責任だ。俺は嫌だ」って言って、こいつは「解らないから乗せろ」と言ったな?」

 回りの奴等みんな肯く。これでは、まるで暴走族の族長だ。

「私たちの4号車が事故って同乗者殺しても、ドライバーに責任無しってことでいいよね!」

 知恵ちゃんが叫ぶ。何なんだ。ホワイトインパルス三人姉妹は。

「じゃっ、やってよね。」


 坂口知恵のインテグラDC5と、群馬からやって来たCL7アコードユーロRの後を、助手席に海老名芽美を乗せたS660が走る。

 二瀬ダムを渡り終えると、アクセル全開だ。

 第1セクション向け、二瀬ダムを渡る2台の後を、S660はしっかりついて行く。

 更にその後から、もう1台来ている。

 それに気付いた九重拓洋。

「芽美。本当に死ぬぞ。止めるなら今のうちだ。」

「止めないよ。」

「分かった。」

 S660がアコードユーロRに接近しパッシングして下がる。それで、アコードも分かったらしい。

「四つ巴?良いわよ。」

 坂口知恵はニヤリと笑った。

 3台の後を追う1台のタイプR。


「お手並み拝見と行こうか。お前ら。」


 リトラクタブルのヘットライトが接近してくる。

 二瀬ダムを渡り終え、第1セクションに最後尾が入った。

ここで改めて、バトル開始だ。

 最後部の車がパッシング。それを前に繋ぎ、バトル開始の合図だ。

 一気に加速する4台。

「3台目。俺と同じトラクション方式だ。条件は互角だ。ウチのチームで走れるか、見定めてやろう。九重拓洋君。」

「ヘットライトはリトラクタブル。MR‐2か?RX‐7か?」

 第1セクションの秩父山寮のコーナーに入る。

 インテグラ、アコードと続き、S660もドリフトしながらトンネルへ。

「ちょっちょっと待って―。」

 海老名芽美がビビって身を縮める。

「なっ!?」

 九重拓洋はこのとき初めて、後の車の正体を知った。

「NSXタイプRじゃねえか!HONDAが誇る最強のスポーツカーじゃねえか!」

 ドリフトからいきなりトンネルへ突入。トンネルを出ると、切通しの岩壁が目の前に迫る。

「ぶつかる!ぶつかる!ぶつかる!!」

 海老名芽美が悲鳴を上げる。

(第1セクションでこれか。第2、第3と行けば更に恐怖だ。ビビっておしっこカスタムしたら、洗車代請求してくれる。中には女の小便で喜ぶ奴も居るが、俺の車は便所じゃねえんだよ。)

 海老名芽美は恐怖で足元を見ている。だが、振り回される状態で車酔いしそうになる。

 しかし、九重拓洋は必死に目の前のアコードを追っているため、芽美に声を掛けられない。

 第1セクションは近接戦だ。勝負が動くのは、第2セクションだろう。

 道幅が広がり始める。インテグラがアグレッシブにコーナーを攻める。

 アコードもそれに続く。

 S660もタイヤが鳴りまくる。

「恐い恐い!止めてくれーーっ!」

 悲鳴を上げる芽美に、拓洋が指で「前を見ていろ!」と指す。

「恐くて見れない!」

「車酔いするぞ!死にたくなけりゃ、前見て座席に背中くっ付けて踏ん張ってろ!」

 第2セクションへ入るヘアピンコーナーを4台同時にクリアすると、ここからバトルが動き出す。

 NSXが一気に加速。インテグラ、アコードも続くが若干モタついている。その間にS660がアコードの横に並ぶ。が、NSXがかなり近い。

 アコードが引いた隙に、S660が前に。だが、NSXがS660を抜く。

 最初のストレートでいきなり、NSXが2番手に。その後をピッタリとついて行くS660。信じられないスピードで急勾配を登る。これはまるで戦闘機の空中戦だ。

 インテグラの右にNSX。左にS660。だが、馬力が足りないS660はインテグラを抜くのに時間がかかる。その間にNSXがインテグラの前に。

 左、右、左とコーナーを抜ける。芽美は必死に、座席に背中を付けて前を見て踏ん張るが、振り回されて何が何だか解らない。

 アコードが後ろから接近。

 再度、ストレートでアコードがS660に並びかけるが、S660はインテグラを抜こうとしている。

 だが、次の左直角コーナーでインに付いたインテグラが外に膨らむ。

「ちっ!」

 ラインがクロス。だが、膨らんだ隙に、アコードがインテグラのインを刺す。S660が引く。

 S660を抜き返したアコードだが、インテグラを抜けない。

 緩いコーナーに入る。その間にも、NSXはインテグラを引き離しにかかる。

 直角右コーナー。ここで、アコードがアンダー。その間に、インからS660が刺す。

「壁!壁!壁にぶつかる―」

「黙ってろボケ!気が散るんだ!ギャーギャー言ってると、口ん中血まみれになるぞ!」

 再度、戦闘機で急上昇するかのような登り急勾配のストレート。

 インテグラを捉えるS660。だが、先頭のNSXとインテグラの差は5秒近く開いている。

 緩い右の後、左コーナー。

 そして、2つ目のヘアピン。道が無くなり、カタパルトで宇宙空間へ打ち出されるような錯覚に陥りながら、インテグラのアウトからクリアしていくS660。

 更に登る急勾配。

 インテグラと並んでいる。すぐ後ろにアコード。前にはNSXタイプR。

 左コーナーの後、ストレートから右へ。完全なS字ではないが、このコーナーもかなり激しい攻防が繰り広げられる。

 右側には谷。左は壁。

 前には吸い込まれそうな星空。

 インテグラはNSXに追いつこうとしていたが、S660に並ばれると、それを引き離そうとする。

 だが、次の右コーナーで、立ち上がりに有利なS660がアウト側からインへ流れるように走り、インテグラは引いた。その間に、S660が前に出て、立ち上がり勝負。

「やりやがったな!」

 坂口知恵はS660をロックオン。

 だが、後ろからはアコードも来ている。

 登り勾配で長い左コーナー。

 インテグラとアコードがドリフトで流しながら登っていく。しかし、アコードのドリフトが続かず戻った。その間に、インテグラとの差が開く。

 S660がNSXに食らい付く。だが、ストレートでNSXが差を広げる。更に、インテグラも食い付いてくる。

 デットヒートは、まだ半分だ。


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