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純白のSと共に  作者: Kanra
7stage臨界点突破
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目覚めた場所

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

「レインボーブリッジでの危険行為、睡眠虚無報告、モニターの報告義務違反、クレーム処理の放棄、職務放棄、明けの報告の放棄等の多重案件。君は8日の謹慎処分だ。その後改めて、始末書の提出と譴責だ。」

 と、浅生主任が電話口の向こうで言う。

「申し訳ございません。睡眠虚無報告に関しては―。」

「それが一番大きい!もしお前、他人を巻き込んでいたらどうするつもりだったんだ!昨日の点呼の時、俺は居なかったが、かなり顔色が悪かったのに、無理に出ると言い張ったそうじゃないか。何があったのかは今、聞かないが、とにかく、謹慎中にズタズタの身体とメンタルをなんとかして来い!」

 怒鳴られた。浅生主任がここまで怒るのは珍しい。

 それほど、俺はおかしかったのか。それもそうだ。

 今、俺は自分の居場所が分らない。とにかく、どこかのSAに居るのだ。

 会社からの電話で目が覚めたが、時刻は午前7時をとっくに回っていた。

 タクシー運転手の制服のままで居るところを見ると、どうやらレインボーブリッジの後、会社に自分の営業車を放り出して、家に帰らず、S660でここまで来てしまったらしい。らしいというのも、記憶がほとんどないのだ。

 関節がポキポキと言う。

 助手席から運転席に行くため、車外へ―。

 ついでに、トイレと朝飯と―。

 混乱する頭の中。缶コーヒーを一気に飲み干して目を覚ます。

(そうか。俺、あの後キレて、分け分かんなくなって、仕事放り投げて首都高をバカっ走りしていたんだ。さっきの電話で起きたけど。えっと、ここは?箱崎か?それにしては広いSAだな。なら、湾岸線に出たのかな?だとしたら、大黒か市川?)

 だが、どう見ても違う。大黒なら、要塞のようにグルグルとランプウェイが張り巡らされているが、それはなく、市川からも見えるはずのない津波のような山脈が見える。

振り向いて看板を見る。

(あっ梓川!?ここは長野県じゃねえか!!)

 慌てて再度、周囲を見る。

 側壁の向こうに、微かに見覚えのある山々。だが、秩父連山ではない。3000メートル級の山々が連なる日本アルプスだ。

「弱ったな。えっと親には―。」

 携帯を見る。親に連絡した痕跡があった。

(明日、明後日と帰らない。)

 とLINEしていた。つまり、親は今日と明日、俺は帰らないと思っている。

「どうせこんなところまで来んだし、安曇野サーキットstage2でも見学―。いや、上手くやれば走行ライセンス取っちまえ。まずは服を着替えよう。助手席に制服畳んで置いておけばいい。どうせ誰も乗りゃしないだろ。」

 梓川SAにはスマートインターがある。ここから高速を降りて一旦、松本に行って私服とリュックを買って制服を着替え、着替えた制服をリュックに入れた上で、再度、安曇野方面へ。

 安曇野サーキットstage2は、stage1と違い、少し山の方にある。

 似たようなサーキットとしては、筑波サーキットが挙げられる。

 だが、攻略難易度は安曇野の方が上だ。メインストレートを突き進むと、いきなり左のループ。首都高速大宮線やレインボーブリッジのようなループ橋の先にあるストレートの末端が、このサーキットが別名「GTR殺し」と言われる由縁のダウンヒルストレートからの右ヘアピン。ツインリンクもてぎのダウンヒルストレートの末端の90度コーナーをヘアピンコーナーにしたようなコーナーで、ブレーキングをミスったらドッカン。先日、宮古某というイケメン声優アーティストがGTRで突っ込んでバラバラになったのもここだ。

 このコーナーはその後、深めのグラベルと緩衝材の増設等が行われたが相変わらず危険地帯だ。

 これを抜けると少し登りのストレートを走って、左コーナーから、緩い右を経てメインストレートだ。

 なるほど。ツインリンクもてぎを筑波程度に圧縮したサーキットと言う表現が似合いそうなサーキットだ。

 幸いにも、当日申し込みで走行ライセンス講習会に参加できたため、午前11時半から1時間半の講習の後、15時からの走行枠を確保して、試し走行だ。

 金曜日の午後。今のところ、この枠で走行するのは俺だけだった。


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