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純白のSと共に  作者: Kanra
プロローグ
6/435

サイノス vs 純白のS

 バーベキューホールから赤城神社に向かうため、エンジンを掛けて駐車場を出ようとした時、老人マークをつけた2代目サイノスが強引に割り込む。

 俺はとっさにハンドルを切って逃げる。

「ガキがそんな車乗るな!」

 カチン。

 頭に来た。

 煽り行為である。

 そんなことするから、テメエはそんなポンコツにしか乗れないんだ。

 前のサイノス、遅い。

 3速ATか?

 ぶち抜いてくれる!

 アクセルを吹かす。

 後から、シビックも来る。

(やる気かこいつら?)

 三つ巴だ。

 青のFD2シビックタイプR。頭文字Dの庄司慎吾は赤いEG6だったが自爆した。こいつはなんだ?ガムテープデスマッチでもやろうってのか!?

 シビックが抜きにかかった。「行け!」と合図。

 トロマサイノスもぶち抜く気だ。シビックが「来い!」と言う雰囲気を見せる。

「行け、純白のS!」

 アクセル全開!飛べ、純白のS!

 一気にトロイ、トンマサイノスをぶち抜き、それに飽き足らずFD2までぶち抜く。バックミラーを見ると、FD2のドライバーが驚いていた。走り屋みたいな雰囲気を出している割に、なんてチキンなんだ。

 赤城神社の駐車場に車を入れると、FD2も来た。

「随分とスゲエテクニックだったな。こっちの加速をも抜くとは。」

 と、FD2のドライバー。

 だが、ぶち抜けたのには理由がある。

 サイノスを抜いた後、サイノスの前でいきなり急ブレーキを踏んで煽ったのだ。そうなるとこっちはサイノスとFD2の間に戻ろうにもFD2が速度を落としてスペースを塞がれてしまい、FD2の前に出るしかなくなってしまうのだ。

「別に。」

 と、俺は答えた。

 だって、抜くしか方法が無かったのだから。

 レースをしていた訳ではない。確かに、サイノスにキレはしたがサイノスを煽ってはいない。追い越せるところで追い越すつもりでいたが、シビックが煽ってきた上、サイノスまで煽ったのだ。

 煽り運転する奴程、自分は運転が上手いと思い込む。だから、普通に追い越されただけでビビるのだ。

 まあ、煽りたい奴同士のレースに巻き込まれたと思うか。

 どっちも下りで崖下に落っこちて死んじまえ。

 それにしても、呆け無いバトルだった。

 大沼の畔にある赤城神社は澄み渡った青空の下、湖面からの太陽光の照り返しが眩しいが心地良い。

 そして、デートスポットでもある。

 湖畔で手繋ぎデート中のカップルが数組。

 それを見ると、坂口愛衣の事を思い出した。

 奴に何があったのか解らないが、とてつもない喪失感である。

 VTECエンジンの音に振り返ると、さっきのFD2が駐車場を出ていった。

 俺も出ていこう。カップルだらけで、喪失感が半端ない。

 気分が沈んだ。BGMはfripsideの「secret of my heart」だ。

 下りは漫画「頭文字D」でも登場したコースを降りる。

「奴のことは忘れろ。俺の本命は、長野にいるのだから。こいつで、長野を走る。彼女を乗せてな。そのために、俺はこいつに、純白のSに乗り換えたんだ。」

 前方から同じ純白の車が来る。

 コーナーの途中ですれ違った。

 純白のS2000だ。

 そいつとすれ違った時、全身を電気が駆け巡ったかのように感じた。

(なんだあいつ?)


赤城山の大沼付近は追い越し禁止道路です。

作中のような行為は、正面衝突事故の恐れがありますので、絶対に真似をしないで下さい。

また、煽り行為を受けた場合は、ドライブレコーダー等での記録、及び警察への通報を行ってください。

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