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純白のSと共に  作者: Kanra
6stage理想と現実
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レースの世界へ

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

 会社で兼田を降してさっさと帰路に着こうとした時だった。

 坂口さんからLINEが来ていたのに気付いた。

「タクミに是非見て欲しい物がある。」

 と言うメッセージだ。

 それは、ツインリンクもてぎで行われるJAF国内Aライセンス講習会の案内だった。

「たった1日でライセンスを取得できるんだから、これは行かなきゃじゃない?私は持っているけど、オープン故に国際サーキットはちょっといろいろね。」

(あのクソ野郎、俺にライセンス取らせた後に何する気だ?まさか本気でレースに参加させる気か?自分自らホワイトインパルスは私と種明かしするし。普通なら、最後の最後まで隠し通すだろ?まっ、隠し通せなくなっちまったのは事実だけどさ。)

「坂口さん?」

 と、兼田が覗きながら言った。

「他人の携帯覗くな。轢き殺すぞ。」

「あっごめんなさい。」

「軽く内容言うと、一緒にレーサーにならないかってさ。」

「えっ?」

「よく分かんないけど、このライセンス講習を受けて―」

「と言うより、九重さんライセンス持ってたんじゃ?」

「えっ?」

 なんでそうなってんの?

「だって、サーキット走ってるんじゃ?」

「ああ。サーキットを走れるライセンスは持っている。でも、レースに出るためのライセンスは持っていない。だから、ライセンスを取らせてレースに出ろって言ってんだよ。」

「へえ。やっぱり二人お付き合いしているんですね。」

 だからなんでそうなる。

 確かに、坂口さんの事好きだよ。

 本命が浮気未遂して、釈明したけどこっちは許していない。

 碓氷峠越えた場所で待っていたってのも絶対嘘だ。

 だったら、確かに坂口さんと付き合っても良いが、俺、今は恋愛より走る事に夢中になっている。だから坂口さんも、走り屋仲間として見るようになってしまった。

 だから付き合おうって言う気になれないのだ。

 会社からの帰り道。

 国道122号を突っ走る。

「確かに、レーサーになるのも良いかもな。」

 と、呟いたところに、また本命の方の彼女から電話だ。

 ちょうど、コンビニがあるところだったので、コンビニに車を停めて電話に出る。

「今度、いつ来てくれる?」

「俺はレーサーだ。」

「えっ?」

 は?何言ってんだよ?何、経歴訴訟してんだよバカじゃねえの?詐欺だぞ詐欺!

「俺、今は車を走らせることに夢中なんさ。この前、メグの浮気現場見て目が覚めたんさ。俺は、こっちが向いているって。」

「そんな―。」

「どうしてもってんなら、車を上回る事やってみろってんだ。最も、俺はセックスしたら死ぬ身体だから無理だけど。いつも会いに来いだの、結婚できるのだの言っておいて、いざ会いに行った時、テメエ何してた?他の男連れて来ている事が多々あったな。ずっと二人だったの半分も無いんじゃねえ?そりゃあ、そちらの親が出てくるというのは仕方ないけど、それ以外はなんだ?えっ?そんな状態で、やれ会いたいだ結婚できるのなんて言われたって、腹立つんだよ。」

 ドガガガガーーーーッと大型トラックが通過する。

 大型トラックもまた、魅力的だ。

「だったら、いつなら会える?」

「お前、話聞いてんのか?」

「11月3日は?」

「お台場のD1グランプリ見に行くから無理。」

 チケット無いから嘘だ。そもそも、買ってないし。

「私、本当にタクミの事、愛しているわ。」

「そいつは、どうも。」

 そういって切ってしまう。

(走り屋に女はイラネーよ。)


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