ランエボ vs EK9
この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。
自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください
「おっ?」
白いEK9シビックタイプRが、小川町と、ときがわ町の間にある小さな峠、松郷峠のときがわ側の入口に来る。
須川潤一はその前に付く。朝倉疾風はEK9の後について、様子を伺う。
「先行後追いで先行と取るとは。まっ、1本勝負だな。」
峠が近付く。
EK9がパッシング。
ランエボがハザード点灯。
バトルスタート。
「バーン!」と、ミスファイアリングシステム特有のアフターファイアの音が轟く。
(この前はFRのS2000。今日はFFのシビック。こいつは、あのS660に負けたらしい。どんなもんか、見てみよう。)
須川が1つ目の左コーナーに入る。
EK9もそれに付いてくる。だが、BRZの朝倉は妙に思った。
(なんか、普段よりキレが無い。いつもの殺人的なオーラを感じない。後ろで走っているからか?)
青のBRZがコーナーを抜けた時、須川の黒いランエボは次のコーナーに入っていた。だが、EK9はまだ入っていない。
(1秒差?いくら四駆のランエボ相手とは言え、苦戦してはいないか?)
(遅い。別の相手にバトルを挑んじまったのか?)
ランエボはどんどんその差を広げていく。
きつい直角の右コーナーに近付く。
ランエボがコーナーに突っ込む。
だが、EK9はドリフトというドリフトが全く出来ていない。
ストレートでは早いが、コーナーでなぜかモタついている。
BRZがかなり接近する。
左ヘアピンが接近。
ランエボはすでに、大型トラック2台分くらいの差を付けている。
(細い峠だから、力を出していないだけかもしれないが、それにしたって殺気というものを感じない。普段のホワイトインパルスは、後にいたって殺気を感じるのだが。)
松郷峠の最高地点、ときがわ町と小川町の町境を通過。
その先にある採石場。
「ダメだ!遅い!」
遂に朝倉がしびれを切らして、EK9を追い抜く。
その際、ナンバーを確認したが、やはりホワイトインパルスのシビックだった。
(どうしたんだ?シビックが死んだのか?)
(なるほど。九重君には悪いが、こんな雑魚誰でも勝てるな。)
須川は期待はずれの結果に不満だった。
松郷峠を越えて、小川町のガソリンスタンドで給油中、須川は、
「あんなのバトルじゃねえ。狭い峠で無理は出来ないってのは解かるが、それにしたって遅すぎやしないか?」
と、不満を露にする。
「定峰峠でもう一度、九重君とやるか?」
「いや結構。今度の機会にする。なあ朝倉、お前は感じたか?殺人的なオーラをEK9から。」
「何も感じなかった。むしろ、九重君のS660のほうが感じられたよ。」
「ああ。S2000とやり合った時に近い、殺人的なオーラはS660からも感じた。だが、あのシビックはただの鉄の固まりだ。」




