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純白のSと共に  作者: Kanra
5stage碓氷峠攻防戦
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出発

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

 勤務を終え、仮眠室で仮眠を取った後、集合会議に出席。

 今日は珍しく、俺と安斉一歩、吉川准の3人が揃って出席だ。

 集合会議を終えると、久しぶりに3人が揃ったとあり、一緒に朝飯を食うことになった。

 今日から俺は明けと公休2日で実質3連休だ。

「この後、タクミは予定ある?」

 会社近くのファミレスで朝飯を食べながら、安斉一歩が言う。

「久々に揃ったんだし、遊ぼうぜ!」

「いや、俺はこの後、坂口さんと約束があるんだ。」

 これに、安斉一歩と吉川准が驚いた。

「噂は本当だったんだな!二人は付き合って―」

「殺すぞ准。」

「でも、約束って何だよ!?」

「言わない。」

 俺は言い放って、坂口さんにLINEを入れておく。

(到着は午後になるだろう。)

(来いよ。本当にライセンス取り消すからね。)

 半分以上、脅迫だ。

 全く。女ってのはどいつもこいつも。前の彼女も、レースで負けたんだから付き合えと無理矢理迫って復縁。それ以前に出会った時も、カメラぶつけたんだから付き合えと告白。俺のどこに惚れたのか知らねえが。

「俺は知っているね。こいつは、越えられない峠を越えようとしているんだよ。多分、坂口さんとセックスするんじゃ―。」

「馬鹿野郎。メシが不味くなるわ。」

 さっさと朝飯を食べ、代金をテーブルに置いて先に席を立つ。

「なあ。お前、もう少し、周り見ろよ。マジで今日、坂口さんとセックスするのか知らないけど、自分一人で越えようとしても、力足りなけりゃ越えられない峠のままだ。いざとなったら俺達だって協力するから。」

「そいつはどうも。」

(どうせ、エロ話求めているクセに。)

 S660のエンジンをかける。

 一旦自宅に戻って、制服を着替えてシャワーを浴びたら直ぐに碓氷峠へ出発だ。

 

 AE86とEK9が先行して碓氷峠に入る。

「さっさと宿取ってやったわ。高崎のだけど。」

「お姉ちゃんは別のホテルだけど―。」

「バレないようにしないと。」

 普段はS2000に乗っているAE86のドライバーだが、それがかえって目立つ。

「手はずは、まず今日、私がS660を引っ張る。それで、明日、お姉ちゃんと私でプッシュプル。」

「碓氷峠の汽笛作戦。」

「ええ。」

 松井田妙義インターで高速を降りたAE86とEK9は燃料をチェックした後、ウォーミングアップとして、旧道を走る。

 碓氷峠は携帯の電波が通じない。

 そのため、連絡は横川か軽井沢まで出てから行う。

 登りの1本目が終わると、碓氷峠に雨が降ってきた。

「S660より、自宅出発との連絡あり!」

「了解。では約2時間後ね。それまでゆっくりウォーミングアップして行こう。」

 

 関越自動車道を群馬方面へ。

 群馬県は好きだ。

 あの漫画の舞台となった伊香保温泉。そして、群馬が舞台のご当地漫画の影響もあって、群馬県によく行っていたが、最近はサーキット走行ばかりであまり行かなくなってしまっていた。

 だから今日は久しぶりの群馬県だが、気が進まない。

 群馬県で好きなコースは、伊香保温泉から渋川に出て国道353号線で赤城山の南麓を走って、わたらせ渓谷鉄道の水沼駅にある温泉に入って帰る。または、渋川から草津温泉に行くコースだが、今日行くハメになったのは、行きたくない碓氷峠だ。

 晴れ渡った空だが、山の天候は変わりやすい。

 赤城山は見えるし榛名山も見えるが、これから向かう妙義山の方に雲がかかっており、妙義山や浅間山が見えない。

 藤岡ジャンクションから上信越自動車道に入る。

 上信越自動車道は、群馬県から長野県を通って新潟県まで通ずる高速道路。

 だが、その方向には相変わらず雲がかかり、徐々に厚くなって行く。

(待ち合わせは、池谷と真子が出会った看板の下。)

 と、坂口さんから連絡が入る。

「おぎのやのどでかい看板のところか。」

 と、つぶやきながら、上信越自動車道を走っていると、とうとう雨が降ってきた。

 松井田妙義インターで高速を降り、天候を確認すると、長野県側から雨雲が流れてきており、碓氷峠ではこれから夜まで断続的に雨が降るらしい。

 待ち合わせ場所である、おぎのやの看板が見えてきた。

 そこに、見覚えのある車が止まっているのが見えた。 

 それは間違いない。

 ホワイトインパルスのEK9シビックタイプRだった。


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