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純白のSと共に  作者: Kanra
36stage群馬湯けむり公道レース
403/435

坂野キレた

この物語はフィクションであり、実在の地名、団体とは一切関係ありません。

公道での乗用車による高速・危険走行は生命に危害を及ぼします。

作中での行為は絶対に真似をしないで下さい。

自動車を運転する際は道路交通法を遵守し、安全運転を心掛けてください。


また、サーキット走行に関する描写は、岡山国際サーキット及び、筑波サーキットの走行規程を元にアレンジした物です。

実際のサーキット走行時には、サーキットごとに定められた規程に従って走行してください。


「ふざけんなあの野郎!」

 一度、茂原ツインサーキットで突き返した九重拓洋に抜き返されるた坂野大樹は、怒りに火が付いた。

(成り上がり者にしたって、何の訓練もしていないお前が、俺達の立場を脅かす事に、腹が立つ!)

 と、坂野がGTRを操る。

 嬬恋パノラマラインとの立体交差の左ヘアピンコーナーに突入。

 九重拓洋はさっきまで前にいた塚町南和子のドリフトをコピーした走りを見せる。

(一番コピーしたい相手は、愛衣。一番近くにいるのに、コピー出来ない。ワンハンドステアは、コピーしようにも、恐怖が先にくる。)

 と、拓洋はワンハンドステアを抵抗に思う。

 次の右もドリフトで抜ける。

 集団からは、拓洋と坂野が僅かに抜け出ている格好になっている。

 右コーナーの先はストレートだ。

 ここで、坂野が前に出る。

 そして、拓洋は坂野の背後に回る。

「坂野!前に出たら死んでも構わん!逃げろ!」

 星賀監督が無線で指示する。

「何もしねえでも、振りきれんだろこいつ!」

「違う!さっきのコーナーのドリフトは、お前の集団にいる塚町や織田の摸倣のような走りだった。九重拓洋がなぜ速いのか分かった。他人のテクをコピーして自分の物にしてしまう能力が飛び抜けて高い。他人のテクをコピーして自分の走りに取り入れて速くなる、言うならば、コピーロボットのような奴だ!早く逃げないと、お前のテクもコピーされるぞ!」

 ストレートエンドのS字。

 ブレーキングする坂野だが、拓洋はノーブレーキで、ドリフトで抜けるのだから、差が縮まってしまう。

「コピーするって言ったって、九重拓洋のS660で、GTRの走りは不可能だ!論理的におかしい!」

「ホワイトレーシングプロジェクトには、NSXも居る。もし、お前のテクニックをコピーした上で、九重拓洋がNSXに乗った場合、どうなる?」

「―。」

 坂野は逃げ始めた。

(S耐で九重拓洋はNSXに乗っていた。しかも、元GTマシン。確かにヤバイかもしれないな。)

 冷静さを取り戻した坂野は、一気に拓洋のS660を引き離しにかかる。

(無理だな。まっ、自分のペースは乱さんぞ俺は。)

 開き直った拓洋。

 少しの間バトルは止めて、自分のペースを乱さず走る。

(早く来てください。織田さんと塚町さん。)

 バックミラーに写る、2台のスープラに視線を飛ばした。

 自分のペースは乱さず走るが、やはりスープラが追い付いてきた。

 追い付いて来ると、拓洋は出来うる限り抵抗するが、呆気なく、織田に抜かれてしまう。

 そして、万座温泉までどうにか抵抗したが、とうとう塚町にも抜かれた。

(ここまでか!ちっ!)

 と、拓洋は舌打ちしたが、最後まで拓洋は諦めなかった。

 

 拓洋よりも前に、万座温泉を通過した愛衣含む集団は、変わらず団子状態だった。

 隊列は先頭から、レイブリック、MUGEN、ARTA、大山神威、そして、最後部に愛衣のS2000GT1だった。

 愛衣は集団の中で唯一のクラスBだったが、ここまでずっと、大山神威を捉えたままだ。

 しかし、前に出ることが出来ず、歯痒い状態だった。

 つづら折りの連続ヘアピンに差し掛かる。

 グリップで抜けていく、クラスAの車両に対し、愛衣はお得意のワンハンドステアで、ドリフトとグリップの中間の走りで抜けていく。

 そうしなければ、追従が難しくなってきた。

(すげぇ横G。でも、ここまでGTマシンにも食らい付けている。今までのS2000とはケタが違う。)

 と、歯を食い縛りながら、愛衣は思う。

 頂上の三叉路。

 ここから、草津温泉までダウンヒル。

「行くぞ。」

 と言ったのは、大山神威。

 大山神威のNSXがダウンヒルの一発目の右コーナー立ち上がりで、ARTAをオーバーテイク。

(しまった!)

 愛衣、出遅れた。

 次のヘアピンで、仕掛ける。

 しかし、オーバーステア傾向を強めにしたのが裏目に出た。

 360度スピンして失速した。

 その間に、集団と離れてしまった。

「やっちまった。」

 直ぐに速度を回復させる。

 だが、追い着いたときには、ゴール地点だった。


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