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純白のSと共に  作者: Kanra
4stage越えられない峠
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再び挑戦状

 昨日の疲れを取るため、ときがわ町の日帰り温泉にやって来た俺こと、九重拓洋の所に、再び例のホワイトインパルスから挑戦状が来た。

 今回はなんと、日帰り温泉に揚げそばを納品しに来た坂口さんのお父さんが俺に手渡したのだ。

「ウチにこんなものがあった。白と青のS660って言ったら君しかいないだろう。」

「あの―。」

「なんだ?」

「ホワイトインパルスのドライバーに遭ったのですか?」

 一瞬、狼狽したが、

「いんや。知らんね。とにかく、レジんとこに置いてあってな。気味が悪いぜまったく。何者なんだこいつは。軽く捻ってやれよ。」

 と、言って去っていく。だが、なんか胡散臭い。

(よく解らないが。えっと―。)

 中身を読む。

(S660。この前はちょっとだけだけど楽しめたよ。今度は秩父じゃない場所。そうね、碓氷峠で会いましょう。都合が付いたら、ここに連絡ちょうだい。)

「碓氷峠―。」

 碓氷峠。そこは、俺が今一番行きたくない峠。

 群馬県と長野県に立ちはだかる峠だ。

 温泉に入って考える。

 碓氷峠なんて、行きたくない峠No.1だ。

 60キロ以上出すと必ず事故ると言われ、土屋圭市のようなドライバーも事故った難所だ。

 だが、それ以上に碓氷峠に行きたくない理由は、碓氷峠を越えると、浮気(の疑いがある)彼女に会いたくなるか、完全に忘れてしまうのではと言う恐怖心からだ。

 更に、今の俺は碓氷峠を筆頭に、関東から山梨県や長野県へ通ずる峠や高速道路も同じ理由で走りたくない。

 仕事でも、同じ理由で、中央自動車道や首都高速4号線を走りたくないのだ。

 鉄道マニアの観点からも碓氷峠には興味はあるが、今は足が向かない。

「よう。」

 と、朝倉さん。

「ああ。どうも。」

「ホワイトインパルスとはその後何か?」

「それが、今―。」

 俺は包み隠さず、碓氷峠で会おうと誘われている事を話した。

「碓氷峠か。長く険しいところだ。気をつけろよ。」

 とは言われたが、行く気になれないと言う事は隠してしまった。


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