R34/NA6 vs S2000AP1/DC5
前にR34とNA6。後ろにS2000AP1とDC5が位置取りする。
レースは8週。
1周ならし走行しスタートラインで止まることなく、通過しレーススタート。
スタートダッシュではR34が速いが、S2000AP1も速く、NA6を抜く。
第1コーナーは左へループしながら下り勾配。
NA6はシフトミス。その間にDC5がインから刺す。
R34が、GTR殺しと言われる下りのストレートからの右ヘアピンコーナーへ突っ込む。右ヘアピンコーナーを抜けると上り勾配から左ヘアピンが待っている。
「流石はサーキットの王様とも言われるGTR。だが、このGTR殺しと言われるサーキットで、点検もしないブレーキとタイヤで生き残れるかな。生き残れたらキスくらいやっても良いけど。」
右ヘアピンコーナーに突っ込む。
R34が先に突っ込む。
S2000AP1も突入。
R34のタイヤが鳴る。S2000AP1もインを突く。
「なんなんだ。このS2000。走り出した途端、不気味な雰囲気を出して迫ってくる。」
R34のチャラ男はビビる。
並んだ。だが、4WDで全開加速をするR34は登りでも速い。
「80%の力では、ついて行くのがやっとね。なら、こちらはタイヤを残し、後半にアタック。4週目までは80%。5週目から90%。6週目で100%。徐々にギアを上げていく。」
一瞬、バックミラーを見る。
ぴったりDC5が着いてきているのが見えた。
NA6は少し離れている。
「インテグラにもS2000にも追いつけない?この俺が!?」
「NA6め。やはり一発目でタイヤが垂れたか。あるいは乗りこなせずシフトミスを連発しているのか?もう敵じゃないね。」
上りの後は、左ヘアピンから、再度下りストレートの後、緩い右コーナーを抜け、最終コーナーだ。
1週目が終了。
2週目に突入。R34のペースは変わらないが、NA6が焦ってアクセルを踏み込んで1コーナーに突っ込んでくるのを、DC5が見ていた。
「俺だって速いんだ!ウワアアーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
だが、NA6はコーナーで膨らんでいく。
「オーバースピード。更にタイヤももう終わっている。さようなら。」
NA6はコースを外れ、側壁に体当り。
ぶつかった衝撃でNA6は独楽のように回転しながらバラバラに砕け散って行くのが、DC5のバックミラーに写っていた。
レッドフラッグが振られる。
エスケープゾーンの無い1コーナー。ぶつかったら全損する。
「ドジめ。だから言ったろタイヤ見ろって。」
S2000AP1が吐き捨てる。
レッドフラッグを見てピットに戻るためS2000AP1とDC5は減速する。
だが、R34の姿が無い。
「イヤッホーーッ!S2000が減速した!ぶっちぎりだぜえーっ!イエーーイ!」
「あっバカ!」
「アクセル踏みっぱなしだ!凄い加速をしたぞ!そして、俺の華麗なる4輪ドリフトだ!あれっ?ブレーキが!ああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
ドガーン!
「レッドフラッグを見なかったのか!!」
「なんだよあいつ!勝負にもならない!ガス代と高速代返せ!!」
R34はレッドフラッグを無視して勝手に一人で暴走。
しかし、ブレーキが焼き切れ、GTR殺しのコーナーにとてつもない猛スピードで突っ込み、僅かなエスケープゾーンも突き抜け、タイヤのクッションを吹き飛ばし、ガードレールの側壁を突き破って崖下の沢に落下して大破、炎上したのだ。
「助ける気は?」
「無い。S660を見殺しにした代償よ。」
「死んだかな?R34のチャラ男。」
「あれで生きていたら奇跡よ。」
「修理の他、追加作業として依頼を受けました塗装とリアウィング取付も実施し、今回の請求額は―。」
痛ぇなあ。だが、生きていたのだから良かった。
そして、修理に加えて一部、塗装と改良を施した。
ディーラーを出ようとした時、テレビのニュースに目を止める。
「本日、安曇野サーキットstage2を走行していた車両2台が衝突事故を起こしました。」
俺は事故った車両の画像を見て驚いた。
それは、俺のS660とバトルしたNA6とR34だったのだ。
「2台のドライバーのうち、一人が死亡。もう一人も意識不明の重体です。ここで速報です。亡くなったのはイケメン声優アーティストとして名高い宮古卓さんという情報が入ってきました!繰り返します!亡くなったのはイケメン声優アーティストとして名高い宮古卓さんという情報が入ってきました!」
(どっちだ?R34か?)
R34の画像が出てくる。
側壁に正面衝突した上、側壁を突き破って沢に落下してバラバラになって炎上している。これでは助からない。
NA6も、コーナーで側壁にヒットして回転しながらバラバラになったらしい。
(あのとき、こうならなくて良かった。)
と、思う。
整備工場から出てきたS660は、前タイヤからドアの下を経て後タイヤまでの下部が青く塗装されている。
この青は、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」のカラーと同じだ。
更に、NOBLESSEの可変式リアウィングも装着したが、これも青に塗装され、土台部分には白いツバメのマークが描かれている。
エンジンをかける。
「おかえり。S660。この車で、広い世界へ行く。道が続く限り。」




