EK9 vs EG6
この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。
自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。
「重症では無いが、下回りの部品、特に右後のホイールが歪んでいる。それからタイヤも。前は調整で何とかなるが後は部品を調達して組み治すしか無い。これで何とかなるかはやってみないと分らないが―。」
「そうですか。」
ディーラーで言われた事は思った以上に重症だった。
直ぐに代車の手配が始められた。
修理代はいくらになるか分らないが、車両保険が下りないため、自費でなんとかするしかない。
代車として手配されたのは、S660に乗る前に乗っていたNワゴンだった。
修理期間は1週間。
痛い。
これは痛い。
とにかく、Nワゴンでしばらく通勤とドライブだ。
「クソ。彼女に会いに行って、浮気現場目撃して、車壊して、30万の出費か。なんてザマだ。」
と、思いっきり溜め息をつく。
アクセルを踏むがまったく加速しない。
エンジン音だけがやけに響く。
自宅に帰宅。
親には連絡してあるから、S660の修理がしばらくかかるという事は知っている。
帰宅しても、S660がそこにいない。
それが、とても寂しく思ってしまった。
昇仙峡ラインに真っ白な車が1台入る。
EK9シビックタイプR。
「私の獲物はEG6。情報によると色は青で、ナンバーが松本583 え85‐782。まずは私が敵を―。」
前方を見た時、路肩に青い車が止まっていた。
それこそ、EK9の獲物。EG6だった。
仲間を待っているような感じだが、EK9はEG6の近くに止まる。
「ねえ。」
と、EG6に声をかける。
「何だい?」
乗っているのは単髪の男。年齢は40代くらいだろうか?
「貴方、この車とバトルしたでしょ?」
と、EK9は写真を見せる。
真っ白なS660の写真である。
「ああ。バカな感じだった。殺気立っていたから、俺達3人で成敗した。」
「ちょっと恨んでいるのよねえ。そのことを。ちょっと勝負しなさい?」
EG6はEK9を見る。
「俺達、普段は松本に居るんだよね。まあ、そっちも埼玉ナンバーだし、やってやるよ。」
バトル開始。
頭を取るのはEG6。
「昇仙峡ラインねえ。ラインと言うが、道は酷いものね。こういうときは、ナビを使いつつ、先行のポジションは取らないで後半で抜く。これは先行後追いバトルではないから、一発勝負。」
先行後追いバトルなら、チャンスが有って後が前を抜けば勝ち。抜けなければ前後を入れ換えて続行。後が前に千切られたら負けだ。
昇仙峡ラインは、一部区間で車の交通規制がされる観光用の道。
とてもこんなところでバトルをするなんて、無茶苦茶である。
今、バトルしているのは交通規制されない、県道7号線だ。
だが、それでも一部の区間は集落のある場所。
ここでは、速度を抑える。
だが、EK9は、最初の集落より前に勝負を決めに行く。
(行ける。このEG6はビビってる。)
コーナーの立ち上がりで一気に抜き去る。
そして、一気に引き離してジ・エンド。
「討ち取ったわね。」
と、EK9はEG6を止めて言う。
「負けたからには、要求を聞いてもらいたい。」
「何だ?」
「来週の土曜日、S2000AP1と貴方の仲間、R34GTRでバトルして貰う。そして、S2000AP1が勝ったら、ユーノスロードスターとDC5インテグラタイプRでバトルして貰う。それが要求よ。」




