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純白のSと共に  作者: Kanra
2 stage 白い衝撃君臨
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愛称

この物語はフィクションであり、実在の地名や団体とは一切関係ありません。

自動車を運転する際は、実際の道路交通法を守り、安全運転を心がけてください。

「へえ。東京のタクシードライバーか。」

 朝倉を始め、さっきのバトルを見ていた走り屋達が集まってきて話し込む。

「6連勤が終わって、母が退院して、やっとゆっくり出来ると思って今日来たら、こんなことに―」

「間が悪いな。まあ、いい経験にもなっただろ?」

「そうですね。」

「ホワイトインパルスのS2000AP1。俺達誰も、あの殺気立った雰囲気にはやられる。見たら逃げるよ。だが、最後の最後だけだったが、良く戦った。戦おうとしたのは、君が初めてだよ。」

 自尊心と言うより、車をキモ豚と同じようにされたくなかったからだったのだが。

「もし、愛称をこいつに付けるとしたら、みなさんはなんて名付けますか?」

 試しに訊いてみた。

「ホワイトインパルスに対抗して、湾岸ミッドナイトのブラックバードって言いたいが、こいつも白だしな。」

 朝倉が考える。そういう貴方だって、湾岸ミッドナイトの主人公と同じ苗字なのに。

 まあ、俺も、頭文字Dの主人公と同じ名前だが。

「ちなみに君はなんて呼んでいる?」

 ZC33Sスイフトスポーツの飯田が訊いてきた。

「純白のSと呼んでます。」

「なら、それでいいんじゃないか?」

 純白のSね。

 この人達の中に、俺のS660βがそう言われたらって考える。

 だが、今の世の中、走り屋は煙たがられている。

 走りのマナー云々と言うより、法規制等の要素が強いと思うが、あまり変な噂が流れるのは嫌だ。

「俺達、白石峠や定峰峠を中心に、走っているんだ。まあ、みんな愛称で呼んでいるんだがね。また、会ったら一緒に走ろう。「純白のS」」

 ああ、こりゃあ大変なことになった。

 まだ豆腐の配達しているうちに、驚異のドラテクを身につけて走り屋になったどっかの豆腐屋の息子の方がましだよ。

 ていうか、俺ん家、豆腐屋じゃ無いのになんでそんなことになってんだよ。

(クソ。トンズラすりゃ良かったよ。)

 と思いながら、山を降りる。

 白石峠を麓まで降りて行く。

 軽く攻めながら。

 ギャラリーが自分の車の所へ歩いていたり、自分の車の所へ送ってもらう友人の車を待っていたりしているのを見ながら、コーナーに入る。

 若干だが、雨が降ってくる。

(ああ。これで、俺の名が、変に出回るんだろうな。純白のSって。)

 しかし、あのS2000AP1の去り際に見せたドリフトは美しかったし、後半、俺がキレて攻め込んだ時の走りは綺麗だった。

 痴女がキモ豚を犯すような走りではなく、繊細かつ華麗な走り。正しく「ホワイトインパルス」と言う名前が相応しい。

「良く戦った。戦おうとしたのは、君が初めてだよ。」って言われた。

 そう考えると、「純白のS」と言う名前で言われていても良いかもしれない。

 だが、俺は峠をバカみたいに攻められないし、峠走るのも、仕事の憂さ晴らしや現実逃避みたいなものだ。


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