第22話 Starting now‼︎〜始動〜
残り1話です
「それはつまり技術者に、特別な技術を教えてもらうってことでいいんだな?」
「そうじゃ。君達にはもっと強くなってもらいたいのじゃ。そのために後ろにいる女の子達は君達を世話、護衛をしてくれるフランスから来た技術者を招集したのじゃ。共に生活し付き従ってくれるじゃろう」
「そのための少女騎士団か」
どうやら本気でOXTを勝ち取りに行く気らしい。この5人は共通してOXTに入り自分の夢を叶えるという目標がある。その夢はお金持ちになりたいとか恋人が欲しいという願いよりももっと規模が大きいのだ。彼らの動機付けはそれで十分だった。
「よって君達にはそれぞれ我々ユニオンからコードネームを贈ろう。世界中のユニオンで通じる名前じゃ。これからはこの名前を名乗るとよい」
「コードネームか。ワクワクするな‼︎」
「ちょっと!ちょっと待ってくれよ。さっきからずっと気になってたんだけど……」
「王の遺伝子のことか?それはね、ゼロくんの腕の紋章を見せてみなさい」
「これか」
「ジュラくん、君の首の紋章を見せてみなさい」
「ああ、これのことか?」
「ちょっ……」
「気づいたじゃろ。王の遺伝子を持つものは皆持っている紋章が同じなんじゃ。クリフがそれをよく示してくれたのじゃ」
何年か前、俺が船で始めて発言した紋章は王の紋章だったのだ。あまりにも衝撃的で非現実的だった。どうしてこうなったのかは後でゆっくり考えるとするか。
「ジュラくん。君のコードネームはアナザー・ワンじゃ。他と誰よりも似ない君にぴったりの名前じゃ」
「ありがとうございます‼︎」
「ジークくん、君はラスト・ワンじゃ。君の止まっていても動き続ける能力にぴったりの名前じゃ」
「感謝する」
「クリフさん、貴方はオールド・ワンじゃ。貴方はこの組織を自分の学び直しのために使うと言っていたな。ならばこの中で最も強くあるべきは貴方じゃ。貴方がこのメンバーを率いるべきじゃ」
「うむ」
「リラ君、君はレベル・ワンじゃ。巧みに仲間を支えられる能力を存分に活かしてほしい」
「任せなさい!」
「そしてゼロ君。君はオンリー・ワンじゃ。1人でいたいと願っていても、君の周りのお節介焼きが君を守っている。1人でも戦える強さを、自分の潜在能力を何が何でも信じ通しなさい」
「ああ」
こうして彼らは大いなる目標へ向かって走り始めた。彼らはまだゼロを信用しきれていない。CCは結束力の強さが今後の彼らの運命を左右するかもしれないと踏んだ。
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「ではこれより、テープカットの入らさせていただきます!3、2、1、どうぞ!」
拍手が湧き上がった。このイベントは、何年も前から工事を始めており、満を持して本日開業するエクス列車が運行を開始する記念式典である。この文明が逆行したように見えるエクスでは、原住民のエクス人にとっては産業革命レベルだった。雇用は大きく上昇し、エクスの経済を回しただろう。そしてこれからも物資、人事の運搬が高速に行えるようになったので、勢いはどんどん加速するはずだ。
「外が騒がしいな」
「ええ。開業セレモニーですから」
まさに今出発しようとしている列車にゼロとパスにラロが乗っていた。その横にジュラと少女騎士団の1人が座っている。
その容姿端麗な姿は地味な道に生えるバラのように美しい。ロングヘアーで、ミルクティーのようにどこかほんのり甘い雰囲気を醸し出していた。清楚な女である。
「そういえばあんた、名前聞いてなかったな。なんて言うんだ?」
「……私ですか?…………」
「彼女はベルガモットっていうんだ。結構無口だけど、俺のこと結構慰めてくれるんだぜ」
「優しいんだな。表情からは何も伺えないけど」
「出発しますよ。外の景色でも見ましょう」
「キュー☆」
ハンナは列車に入る時、どうにかして籠に入れてほしいと言われたが、ゼロはオンリーワンのコードネームを早速使って許可を得ることができた。ユニオンの影響力は一体どこまで広がっているのか?
遂に出発する。ここから海へエクスの外に出るため海へ向かう。道中何があるかわからないので、念のため5人を3回に分けて列車に乗せると少女騎士団のリーダーのパスは言っていた。
「出発進行ー」
汽笛を鳴らして進み始める。目的地はゼロにとっては思い出の地だろうか、港町リエンだ。




