表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

戯言

作者: 江南

「…ゲイなんだ」

「あ、そ。んで、ならどっちが好み?」


 まるで驚かず、いつもどおりの調子で、見せていた芸能雑誌の二人組を指して言う。


 家呑みで。こちらは男で相手は女で。だけど寝落ちしても構わないような間柄、だと思う。

 とはいえ。


「…そんなあっさり?」

「だって、そうなんでしょ。なら、アタシがどうこう言うことじゃない」


 ああ、タチかネコかは確認したいけど、と。いやはや、もう。

 こんなコだから、言えるかと思って、言ってしまったのだけれども。

 なんだこのスルーされた感。


「アタシが女にモテるのは聞いてるでしょ。で、別にそれを気持ち悪いとは思わないし、むしろ相手によってはアリ、とか思うんだから、ストレート寄りのバイなんだろうしね。それでセクシャルマイノリティを否定はできないよ。ま、そもそも性別気にしないけど」


 するよりされる方がラクだから、あんまり女相手にしようとは思わないんだけど。と、ざっくりトンデモ発言まで。

 …一応は、フォローのつもりだったのだろうが。激しく微妙だ。


「…こっち」


 とりあえず、示されたページの片割れを指した。


「つまり、男くさいのより、美形女顔な攻め様を所望、と?」

「……なんつー赤裸々な」

「でも、そうなんでしょ」

「そうなんですけどね!」


 ホントになんなんだこのコ! 年下だよな一学年下だったよな!?

 …まぁ。二次エロホモ書きだし。女の子の方がイロイロなんだということだが。それにしたって。


「なんで受けだと?」

「だってそうでしょ」

「いやそうだけども」


 だから何故に分かった? と訊いているのだ。

 そうしたら。


「ダダ漏れ」


 断言。挫けた。そんなに隠せてなかったのか…。


「匂いを嗅ぎつけられる同類以外には、さほどバレてないだろけどね。それこそ、分かるヒトには分かる、ってくらいで」


 まぁとりあえず、今後は女子トークしましょ-か、と笑う。笑ってくれる。

 笑って、くれる。


 だから。


「ゲイビ視る? 美少年攻め」

「是非!」


 ああ、こんな女の子のトモダチいて良かった。




 そして酒のツマミはゲイビとなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しく読めました。 ゲイのリアルな事情が知れて面白かったです。
2015/12/15 06:01 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ