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第十話:日露戦争②
3月下旬、モンテネグロ公国が日本に宣戦布告し、日露戦争に参戦した。
日本は日英同盟を理由に英国に対露参戦を強く迫ったが、躊躇していた。
結局ドッガーバンク事件が起こるまで、英国は対露参戦をしなかった。
5月5日、主力の第二軍が上陸を始めた。
一方で司令部として満洲軍が結成された。
総司令官は大山巌だ。
…
「新たに軍を編成することになった」
「司令官は誰になるか?」
「はい。二個軍を編成し、第四軍司令官は野津道貫大将(鹿児島県出身)で、第三軍は乃木希典中将(山口県出身)になる予定です」
「中将?軍司令官は大将でなくてはいかんのでは?」
「今度大将に昇任しますので、大丈夫でしょう」
…
一方、遼東半島に上陸した第二軍は、5月17日から行動を開始した。
第二軍の作戦計画は、
「第一軍と共同でロシア軍と決戦を行い、ロシア軍が後退した後、遼陽・ハルピン間の連絡線を遮断し、その後北上して再度ロシア軍と決戦を行う」
というものであった。
遼陽・ハルピン間の連絡線を遮断するには、奉天を押さえる事が重要であった。




