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神速の聴能力者  作者: め、眼鏡をかけてるのは目が悪いからじゃないんだからねっ
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視力検査5





闘技場、それは、大きさおよそ15km×15kmの自然に囲まれた場所である。それは、水色にとって最悪の条件だった。






ランク上位、ある程度できるものであれば、このステージでも困らないだろう。ましてや、赤レベルになれば、端から端まで見通せるかもしれない




そう、水色がおかれた状況というのは、自分は索敵が出来ず相手からは丸見えというとある意味ムリゲーである。


丸腰同然ということだ。



「め、めんどくせぇ」



水色が、こう口に出すのも仕方なかった。








さて、問題はそれだけではない。それは、戦闘時に用いることができる武器もかかわってくる。



現在の主流は、《銃》だ。それはそうだろう。遠くからでも、攻撃できるのだから。



赤クラスなら余裕で3kmの射撃なんてのもやってくる。だが、俺には出来ない。理由は簡単。




だって、見えねぇもん。





見えねぇのに銃持ってても仕方ないし。



ちなみに、《視力》の応用に干渉力、すなはち、物体を操作することができるものがある。これを用いれば、普通の銃でも、超長距離の射撃が可能となる。



「ますます不利だな。」



最近独り言が多くなってきたな、くそ
















「では、各々準備をして、闘技場に集合するように。時間厳守だ。では、」



そう言って、黒先生は、去っていった。

それと同時に、皆が準備を始める。




視力の《能力》の分野には、大きく分けて2つのものがある。それが、《基礎能力》と《個別能力》だ。




基礎能力には、防御や、簡単な攻撃(衝撃波を飛ばすなど)、収納がある。


なぜ、それらが能力に分類されるのかというと、それも個人によって、“量”と“質”が変わってくるからだ。



能力は、目によって産み出される。これは、既知の事実であるが、基礎能力は、暗記するのだ。その術式を。そして、目に焼き付ける。これは、比喩ではなく、本当に目に術式を浮かべることによって、習得したということになる。





水色らは、去年この習得に励まされた。


収納では、武器や薬、食べ物など無生物であれば何でも保存できると言うものだが、



水色の収納量(キャパシティ)は、100個


平均が1000個であるので、これまたEランクたる所以である。






水色は、頭に《収納》の術式を思い浮かべ、目にそれを宿した。



すると、中に入っているものが目に見えるように、確認することができる。



水色は、そこに目当てのものがあることを確認して真っ先に闘技場へむかった。



その際、


「やっぱにげるのかぁ??クスクス」



という声が聞こえた気がするが、聞こえないふりをしてやった。










闘技場は、異様な雰囲気に包まれていた。



皆一様にして、銃を手に持ち、その目は赤く光っている。視力を存分に使うための準備をしているのだ。




一人で戦うつもりのもの、何人かで手を組んでいるもの、隠れることに専念するため隠れ場所を探している者(上境 水色) 等



いろんな人間がそれぞれの思いを持ち、ただある合図を待っていた。




そのなか…………




「やべぇ、やべぇ見つからねぇ!!」



「折角早く来て探しまくったのに、何でこうも隠れやすそうなところがねぇんだよ!!」



水色だけが、忙しく走り回っていた



黒先生の話を受け、結局思い付いたのがこの作戦である。戦略的戦闘回避。つまり、隠れることである。




決して、勝つことが重要ではない、先生も、勝利に関してはなにも言っていなかったので、あくまでも検査というのは本当なのだろう。




そのなかで、パーティーを組んでいる馬鹿者共もいるようだが…………。




無論、水色は、この検査が、勝敗に関係ないことは気づいていたが、それでもなお、隠れる必要があった。




だって、痛いのやだもん。





死ぬ前には先生のストップが入り、その後治療はその手の能力者などに、してもらえるらしいのだが、それでも、めっちゃ痛いじゃんやだろそんなの。





残り10分。腕時計で確認する。



この腕時計は、生徒手帳みたいなもので、入学と同時に全員に配られる。



こういう、全員の姿の確認できない、実践形式の訓練であったり、緊急連絡が必要な際は、通信機器として役割を果たす。





あと10分、それが経てば、地獄のような8時間が待っている。



8時間というのは、さっき黒先生が説明してくれた。






水色は、ひたすら走っていると、きれいに緑の生い茂った、比較的幹の太い木を見つけた。



「んーまぁこれで妥協するか」




そう言って、その木に、素早い身のこなしで登り、息を潜めた。






回りから見てもそこに人がいるとは思えないくらい静かに。





















「「検査開始」」



それぞれの腕時計から発せられた。

その瞬間、




ドゴーーン




という音が響いた。


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