3話 冒険者協会
序盤は説明的な文章が続いてしまいます。
もっと自然な形で世界観を表現したいですね。
「そういやユウト身分証明書か金はあるのか
身分証明書がなけりゃ1シルバー必要だぞ、なけりゃさっきの
ゴブリンの魔石1シルバーで買い取ってやるがどうだ。」
次が俺たちの城門の審査って所でガルディさんが思い出したように俺に聞いてきた。
まあ関税とかで収入得ているんだろうから金必要なのは当然か
確かお金は硬貨が色々あったな、銀貨もあったけど1シルバーってこれ1枚か。
「これでいいんですよね?」
そういいながら銀貨1枚取り出してガルディさんに見せる。
「おうそれだ、行商と違って冒険者は身分証明書ありゃタダになる
冒険者協会で登録すれば身分証明書発行してもらえるからちゃんと登録しときな。」
「身分証明書ないと街に出入りする度に1シルバーかかるから勿体ないわよ。」
ガルディさんとリディのアドバイスを受けていると俺たちの番になった。
「おう、久しぶりだな無事戻って来たぞ。」
「お前さんが隣町まで行って帰ってくるぐらいじゃ誰も心配せんよ。」
そう軽口を交わしながらガルディさんたちは積み荷を並べて
衛兵は関税の料金を確認していっている。
「そこの嬢ちゃんは出るとき一緒じゃなかったよな?」
「おう、ついさっきそこで知り合った。
身分証明書ないから1シルバー払うってさ。
後、嬢ちゃんじゃなくて坊ちゃんだ」
「ああ、そいつはすまねえな、取りあえず入門書にサインしてくれ。」
そういうと衛兵の人が紙の束と見慣れた書くものを渡してきた
これで誰が出入りしたか管理しているんだろうな。
えーっと記載する内容は名前と年齢と種族か
名前はユウト、年齢は・・・14でいいか、種族は人間と。
入門書の上の方を見ると獣人やエルフにドワーフの記載があった
種族欄ってことは人間以外いるとは思ったが実際に会うのが楽しみだ。
手帳見たときにも試したけど文字は読み書き両方できる
これで言語に困ることはなさそうだ。
「坊主14なのか、もうちょっと下だと思ったよ。
じゃ、次はこれに手かざしな。」
入門書と1シルバーを渡してた際にそういわれた
まだ自分の姿を鏡でみてないからはっきり分からないけど
確かに慈愛の神様と同じ見た目なら14歳ってのは厳しいだろうな。
正直12歳ぐらいがちょうどいい年齢だろうけど余り低いと
行動に制限付いても嫌だしギリギリなところを狙って書いてみたが・・・
まあ大丈夫そうだ。
そして突き出されたのがでかい水晶みたいなやつだった
なんだこれと思いつつ言われた通り手をかざしてみる。
「なんですかこれ?」
「罪の証っていうマジックアイテムでな、今まで犯した罪がここに出る。
罪人が捕まった時に魔法で刻印を刻まれるんだが
これにかざすとそれが分かるらしい。」
ふーんと頷きつつ手をかざす、身の潔白は問題ないし
これなら化身ってのはばれないだろ。
手をかざすと一瞬淡く光ったかと思うとすぐに輝きを失ってしまった。
なんかあるとここに文字がでるのかな?
「ん、問題ないな。通ってよし。」
「ありがとうございます。」
「ガルディから聞いていると思うが、
身分証明書があると人の出入りに関してはタダになる
流通協会か冒険者協会で発行できるから街出る前に登録しときなよ。」
「冒険者協会で発行してもらうつもりなんですが
流通協会って所でも発行できるんですか?」
「ああ、ガルディと一緒だったから商人かと思ったが冒険者志望なのか
流通協会ってのは商人版の冒険者協会みたいなもんだ。
取りあえず商人なら登録しとかないと話にならないが冒険者なら必要ないな。」
「なるほど。」
「まあ、後は教会に所属しても貰えるが冒険者やるならそれこそお勧めしないな。」
んーここでも教会は敬遠されているな、大丈夫なんだろうか俺。
「そっちももう終わったか。」
ガルディさんのほうも終わったようだ。
「はい、問題ありませんでした。」
「じゃあ街入るか。」
そういって城門をくぐり街中にはいる。
「おおー、すごい。」
街に入ると目に入ったのは石造りの家と
遠目からも見えたでかいよくわからない建物
そして人間以外の種族。
「はっはっは、完全にお上りさんだな。」
「いや〜、こんなでかい街初めてなんで
実は人間以外の種族にもあったことないんですよ。」
「ああ、そうなのか。
一応説明しとくと、この街には主に獣人、ドワーフ、エルフがいる。
獣人は体の一部が獣の様になっている奴らだな
こいつらは特に問題ない、気性が荒い奴もいるが基本友好的だ。
ドワーフは身長が低めの外見した奴らで偏屈な奴が多いが根はいい奴らだ
鍛冶屋をやっている事が多い、冒険者なら世話になることも多いだろ。
エルフは見ためは耳が長い意外ほぼ人と同じ見た目だが
プライドが高くて付き合いづらいまあ距離を取っておくのが無難だな。」
なるほど大体俺のもっている漫画やゲームの知識と大差ないな。
覚えやすくていい。
「じゃあ俺たちは自分のところの商会にもどるからな
冒険者協会はこの道をまっすぐいけば右手に見えてくる。
まあ、でかい建物だからすぐわかる。
宿は冒険者協会で紹介してもらえるところに泊まれば間違いはない
今日はもう遅いから登録だけしときな。
あと俺たちも暫くこの街にいるからなんかありゃ顔だしな。
えーっと、これが住所だ。」
「じゃあね、ユウトちゃん。」
「色々ありがとうございました。
落ち着きましたら一度挨拶に行かせていただきます。」
ガルディさんから住所を書いた紙をもらい、二人に別れをつげ教えられた道を進む。
冒険者協会へ向かいながら、道中カルディさんに教えてもらった
冒険者協会についてのことを思い出す。
「冒険者協会ってのはようは便利屋の斡旋所みたいなところだな。
色々なところから仕事、ああ協会じゃクエストって呼ぶんだが
クエストを集めて登録している冒険者へ斡旋し紹介料をとって運営している。
クエストの内容は色々あって街の便利屋みたいなのが多いが
自分のランクが上がると魔物の討伐クエストも出てくる。
ランクってのは下からF、E、D、C、B、A、Sって具合にあって
最初はFランクから始まって条件満たしていくとランクが上がっていく。
ランクが上がると今言ったように色々なクエストが受けれるようになる
たしかゴブリンぐらいならEからも討伐クエストががあったはずだ。
Cランクになると一人前でBで一流ってところだ
Aはこの街規模の協会に数人いるかいない程の超一流だな
Sは全世界探して5人しかいねえ英雄級だ。
まあもっと詳しいことは受付の姉ちゃんに聞きな。」
ゲームだったらクエストこなしまくって
ランク上げるのが正解なんだがここではそれが正解なんだろうか?
ある程度のランクがあって生活できればあまり積極的に
ランク上げない方がいいかもしれない。
BランクならともかくA以上だとかなり少ないようだし
かなり目立つと思う、正直化身がばれるのが怖い。
まあ、そもそも俺にそこまで実力があるのかがわからん。
手帳にあった情報やガルディさんに聞いた情報統合すると・・・
むしろ化身が足枷な気さえする。
慈愛の神の化身である俺は光魔法と闇魔法が使え
光は攻撃魔法が苦手、闇は回復と防御魔法以外は使えないとなっていた。
これは普通の人はどうなんだ
普通の人が信徒になった場合そういった制限なしで
光魔法と闇魔法を全て使えるなら足枷でしかならない。
それに加えて普通の人は信徒になる神を簡単に変えれるので
状況適応できるけど俺は慈愛の神一択だ、これは完全に足枷だと思う。
いや、そもそも信徒にならなければ詠唱が必要だったり
威力が下がるかもしれないが全部の魔法が使えるらしい。
ここまでは化身の足枷になるかもしれない部分だとして
じゃあ何か秀でている所はと言うと、今だ謎の固有スキルと
身体能力の化身の中で平均レベルの頑丈さとトップクラスの魔力だ。
頑丈さはともかく魔力には期待したい
一応化身の中ではかなり低いってなってた身体能力も
人としては平均並みはあるようだし。
この辺でアドバンテージがないと厳しいかもしれない。
そういったことを考えているうちに冒険者協会らしき建物の前についた
でっかい建物にでっかく冒険者協会って書かれた看板が掛けてある。
間違いないだろ。
「お邪魔しまーす。」
中に入るとなんというかいかにもな感じだった。
厳ついおっさんどもが席に座って酒を飲み。
厳ついおっさんが受付のお姉さんに絡んで華麗にあしらわれ。
厳ついおっさんがメモが張り付けられた掲示板睨みながら唸っている。
厳ついおっさんばっかだな、まあいい空いている受付にいるお姉さんに声をかける。
「すいません、協会に登録したいのですが。」
「はい、登録ですね。
では、初めに冒険者協会につきましての注意事項をご説明させていただきます。」
前の世界じゃ高校生ぐらいになるだろう年齢の受付のお姉さんだ
ショートカットでなんというか運動部に所属してそうな活発な印象を受ける。
そのお姉さんから聞いた内容は大体ガルディさんに聞いた内容とほぼ一緒だった。
追加情報としてはクエストを受けるにはメモが張り付けられた掲示板から
好きなクエストが書いているメモとって受付に持ってきて受けるということ。
クエストには受けるのに保証金を渡して受けるものがあり失敗すると全額没収
クエストクリアなら全額返金、主に護衛のクエストに多いらしい。
ランクアップについての条件は協会が独自に査定を行っていて
実力があっても素行に問題があれば上がらないし
クエストクリア回数が少なくても、見込みがあれば早くランクアップするらしい。
「説明は以上となります、なにかご不明な点はありますか?」
「いえ、今のところありません。」
「ではこちらの用紙に登録に必要な情報の記入をお願いいたします。」
そういって用紙と書くものを渡された
さっきの城門でも思ったがこれどう見てもボールペンだよな。
以外と文化レベル高いのか。
氏名:ユウト
年齢:14歳
性別:男性
種族:人間
職業:ヒーラー
信仰:慈愛の神(信徒)
テーブルに貼ってあった記入例見ながら取りあえず埋め受付のお姉さんに渡す。
信仰とか書く意味あるのかと思って受付のお姉さんに聞いたが
どうも俺が思っている信仰と違って、神様によって使える魔法が違うから
どの神様の魔法をよく使いますって意味で書くようだ。
記載例だと複数記載可ってなっているし信徒かどうかも書く感じだから
得意魔法の目安みたいなものなんだろ。
取り敢えず俺は慈愛の神(信徒)で問題ないな。
「ありがとうございます、お名前はユウト様、年齢は14歳ですね
性別は・・・男性、種族は人間、ご職業はヒーラー
信仰されているのは慈愛の神でお間違いありませんね。」
「はい、間違いないです。」
明らかに性別で一瞬とまったがさすがプロ
余計なことは聞かずに事務を進めていく
書いた用紙をでかい水晶にかざした後、その水晶をこっちに持ってくる。
「では次はこちらの水晶に手をかざしてください。」
いわれるままに水晶に手をかざす、罪の証の水晶と似ているが少し違うな。
「これって何なんですが。」
「これは選別の水晶といって対象者のステータス等を読み取る装置ですね。
これで読み取ったデータを冒険者証明書
通称ステータスプレートに転写して登録は完了です。」
ステータスを読み取ると聞いて一気に焦る
まずいこれ化身ってばれるんじゃね。
いやでもここで逃げたら明らか怪しいしと悩んでいると。
「はい、ありがとうございました。
読み取ったステータスは冒険者協会の中でも
最重要機密事項として保管されますのでご安心ください。
たとえ各国や教会相手でも開示はしておりません。
ステータスプレートができるまであちらにお掛けお待ちください。」
・・・悩んでいるうちに読み取りが終わってしまった。
一応開示はしないって言ってたけど冒険者協会にはばれるんだよな。
「どうすっかなぁ。」
言われた椅子に座りながらウンウン悩んでいるといい匂いがしてきた。
匂い元をさがすと隣の食堂が目についた。
ここはクエストを受ける場所と食堂兼居酒屋みたいな場所があり。
一応別れているんだが仕切りのようなものがあるわけじゃなく
でかい部屋でそれぞれ場所分けてますよぐらいでしかなく
食堂の喧騒も聞こえるし、いい匂いも漂ってくる。
「そういえばこっち来てから何も食ってないな。」
リュックに入ってたパンは硬すぎて諦めたから
こっちにきてから水しか口にしてない。
なんであんなパンや意味不明な肉しかないんだよ。
もしかして化身って飯食わなくても大丈夫なのかもしれないが
現実問題腹が減ってしょうがない。
「すみません、待っている間に先に食事していいですか。」
「はい、この中で食べられるのでしたら大丈夫ですよ。
では、お食事が終わったタイミングでお呼びします。」
「お願いします。」
よし先に飯食おう、腹が減っているから色々ネガティブなことが浮かぶんだ。
そもそも化身ってばれたって大丈夫だろ、別に犯罪者とかじゃないんだから。
そう自分に言い聞かせてカウンターに座ってメニューを見る。
『本日のおすすめ、から揚げセットごはんみそ汁付』
「これうまそうだな・・・ってなんでごはんとみそ汁があるんだよ。
しかし、これは実際に確かめる必要があるな。
すみません、このから揚げセットお願いします。」
「はいよ、50カッパーね」
恰幅のいいおばちゃんがそう言いながら手を出してくる前金制なんだろう
財布をあさると10って数字が入っている大きめの銅貨があったのでそれを5枚渡す。
「はい毎度、すぐもってくるからね。」
どうやら渡した硬貨はあっていたようだ
から揚げはともかく、ごはんとみそ汁ってどうなんだ。
似たような物があってそれが翻訳的な問題でそう読み取っているのか
それともまんまなのがでてくるのか。
―――結論からいうとまるっきり同じものが出てきた。
「お待ち、熱いから気をつけな。」
「どうもです、見た目はまんま米とみそ汁だな、いただきます。」
とりあえずみそ汁とご飯を掻き込む、うまい。
味も完全に俺の知っている米とみそ汁だ、しかもなんと箸まであった。
から揚げをつまみつつメニューをよく見ると
実は日本の食堂じゃねえのってここ、ってぐらい日本のメニューがある。
一番驚いたのは刺身まであったことだ
生魚をたべる文化もそうだがどうやって新鮮な魚調達しているんだろ。
飯食い終わって一息つきながら明日なに食うかメニュー見ながら考えていると。
「ユウト様、登録が完了いたしましたのでお越しください。」
そうだったここには登録しに来てたんだった。
あわてて受付にいくとさっきの受付の人が鉄のプレートみたいなのを渡してくれた。
「お待たせいたしました、これがユウト様のステータスプレートになります。」
そういってキャッシュカードぐらいの大きさのプレートを渡された。
結構しっかりした作りだな。
ランク:F
氏名:ユウト
年齢:14歳
性別:男性
種族:人間
職業:ヒーラー
信仰:慈愛の神(信徒)
賞罰:なし
ステータス
Level:1
HP :380
MP :760
腕力:9
頑丈:47
俊敏:11
器用:9
魔力:92
加護:1(慈愛の神)
おお、これが俺のステータスか。
平均がわからんから高いのか低いのかがさっぱりわからんが
かなりチグハグなステータスだというのは分かる。
「ステータスについて簡単にご説明させていただきます。
まずHPとMPですがHPは生命力を示しております。
これが0になると死亡となりますのでお気を付けください。
当たり前ですが多ければ多いほど死ににくくなりますので
一番重要なステータスになります。
MPは魔法を行使する際に必要となります。
こちらは0になると気絶します。
ただ残りMPが少ない際に大量のMPを使用すると
そのまま死んでしまうこともありますのでこちらもご注意ください。
腕力は力強さになります。
腕力と記載されていますが別に腕だけの力を見ているわけではありません。
頑丈は体の丈夫さを表しております。
これが高いほどHPが減りにくく身体系の状態異常にかかりにくくなります。
俊敏は反射神経や身のこなしになります。
これが高いほど回避行動の成功率や手数の多さが上がります。
器用は文字通り器用さで高いほどトラップの解除率や
攻撃の命中率ひいては相手のスキを突いた攻撃や行いやすくなります。
魔力は体内の魔力値の高さでこれが高いと
魔法の威力や効果が上がったり、精神系の状態異常にかかりにくくなります。
加護は現在信仰しているそれぞれの神からの加護となります。
ユウト様は慈愛の神の信徒の為1つだけですが
複数の神を信仰に記載している場合は複数の加護が記載されます。
加護と記載しておりますが教会でお祈りをすれば上がるわけではなく
同じ神の魔法を使用し続けるほど上がっていき
それに合わせて魔法の効果が上がっていきます。
要は魔法のレベルのようなものとして考えていただくと
一番わかりやすいかと思います。
違う神を信仰しますとまた加護を1から上げなおす必要がありますが
一度加護を上げた神の加護の値はそのまま残りますのでご安心ください。」
大体わかったけど信仰と加護についてはまだ疑問点がある。
「質問なんですけど俺みたいに信徒の場合はともかく
信徒でない人は色々魔法使えた方がいいんだから
とりあえず信仰は全部の神様書いとくってダメなんですか?」
さっき冒険者協会に入る前に思ってたことでもあるけど信徒じゃないなら
特定の神様を信仰せずに全魔法使えるのが一番ではないだろうか。
「だめというわけではないのですが信仰する神をあまり複数にすると
先ほどご説明したように加護が上がりにくいので
普通の方は信仰する神は2つぐらいに絞っているのが一般的ですね。
その選んでいる神を信仰の欄に記載していただき
それぞれの加護がどれくらいかが加護の欄でわかるようになっております。
あまり加護を上げていない神を信仰に記載されてもほかの人から見た時に
何が得意か分からなくなるのでお勧めはしませんね。」
なるほどようやく信仰や加護がわかってきた。
さっきの説明の通り信仰ってのは単に
得意な魔法はどれですよって意味が大きくて加護はそのレベルってことか。
そうなると結構、加護=レベルが重要になってくるようだけど
今の俺の加護1なんだよな。
化身でもこれはコツコツ上げないといけないのか。
「だいたいステータスの目安ですが
レベル1の方ですとHP、MPはそれぞれ100
その他ステータスは10が平均となります。
もう少し正確に申し上げますと
レベル1の方の平均HP、MPを100
その他ステータスの平均を10とした場合の
各個人の能力値を割り出して表記しているのがステータスになります。」
てことは俺のステータスって結構破格なんだな。
とりあえず並の生活は送れそうで安心した。
「ステータスプレートの項目は自由に表示の切り替えができます
普通の方はステータス情報は基本非表示にされています。
初回発行は無料ですが紛失された場合は10シルバーで
再発行となりますのでご注意ください。
基本、持ち主以外使えないようにしておりますが悪用を避けるため
紛失時は直ちに届け出をお願いいたします。
万が一悪用された際の責任は協会では負いかねます。
ステータスについてのご説明は以上となります。
何かご質問な点がありましたらお気軽にお尋ねください。」
「分かりました、ありがとうございます。」
「本日はもうクエストは受けられないかと思いますがパーティー登録申請について
ご説明させていただきますので必要であればご登録をお勧めいたします。」
パーティーって言葉に思わず反応する。
ヒーラー型の俺にとって一番の懸念事項だ。
「パーティー登録申請は2種類あります。
固定パーティ登録申請とクエストパーティー登録申請の二つです。
固定パーティ登録申請というのは条件を出し
その条件に当てはまるパーティもしくは個人を募集する際に利用されます。
例えばユウト様ですと『レベル1のヒーラーですが
どこかのパーティーの方加入させてください』と登録するか
すでに『ヒーラー募集、レベル問わず』と
募集を出しているところに加入するようなことが可能になります。
結成したパーティーで様々なクエストに挑戦していき
レベルとそのパーティーでの連携を上げ冒険者ランクを上げていきます。
いわば一蓮托生な関係がこの固定パーティーですね。
クエストパーティーというのはある程度人数が必要なクエストを行う際に
そのクエスト限定のパーティーを組む場合に利用されます。
一般的なのは護衛クエストなどで10名募集とある場合
ユウト様ですとレベル1ヒーラー1名と登録していただきますと
協会にて同じように登録されている方からバランス等を考え選別させて頂き
選ばれた方々でクエストを受けていただきます。
もちろんランクがクエスト受注に足りない場合は登録できませんし
登録しても極端にレベルが低い場合は選別ではじかれてしまいます。
ユウト様の場合固定パーティー登録に登録していただくのが良いかと思います。
レベル1でもヒーラーは引く手数多の為、すぐにでも見つかるかと思いますが。」
俺が気にしてたパーティーの件についていきなり解決策が見つかった。
普通に考えると俺はヒーラーだからパーティー組むのが一番いい。
ただ、まだこの世界のことあまりにも知らなさすぎるんだよな。
この状態で組んでも絶対ボロでるから追々でいいか。
「取りあえずクエストとかこの街に慣れたいので暫くは一人でやってみます。
落ち着いたら登録考えさせてもらいます。」
「分かりました、ほかに何か御用はありますでしょうか。」
そこでガルディさんの言葉を思い出し
袋から昼間手に入れた魔石を取り出しつつ。
「これ、昼間ゴブリン倒したときに手に入れた魔石なんですが
ここで換金ってお願いできますか?
後、宿屋探しているんですがお勧めってありますか?」
「換金はあちらのカウンターで受け付けておりますので
そちらでお渡しいただければ換金させていただきます。
宿屋ですとここを出て右へ道なりに進んでいきますと左手に
『万福亭』という宿屋があります、通行の便も良いのでお勧めです。」
「右出て左手、万福亭っと、ありがとうございました。」
そういって教えられた別のカウンターに向かう
俺のステータスって結構すごいと思うだがあんまりその辺言われなかったな。
仕事上あまりそういうのに口出さないようにしているのか
意外とこれぐらいのやつはざらにいたりするんだろうか。
どっちにしろ今の所目立ちたくない俺にとっちゃ好都合だ。
「買い取りカウンターへようこそ。」
そういって出迎えてくれたのはさっきの受付の人より少し幼い感じ
中学生ぐらいの三つ編みの女性だった。
「このゴブリンの魔石の換金お願いしたいのですが。」
そういって魔石をカウンターに置く。
「はい、ゴブリンの魔石1つですね
50カッパーになりますがよろしいでしょうか。」
「え・・・はい、お願いします。」
「はい、ステータスプレートお預かりいたします。」
そういわれてステータスプレートを渡す。
しかし、ガルディさん1シルバーで買ってくれるって言ってたけど
本当は50カッパーなんだな、本当にいい人だ。
冒険者協会がぼっている可能性もあるがそれは分からんので考えないでおく。
「はい、50カッパーとステータスプレーになります。
―――もしかして初めての討伐品ですか?」
「ええ、ここ来る道中に倒しました。」
「そうですか、冒険者って色々大変なことも多いけれどがんばってね。」
なんか励まされた
よく考えたらこの人から見たら俺って
年下の、しかも恐らく女の子に見えるているんだよな。
「幸いステータスが恵まれてたのでボチボチ無理せず頑張りますよ。」
「無理して死んじゃったら元も子もないから・・・気を付けてね。」
「ええ、ありがとうございました。」
そう言って俺は初めての冒険者協会を後にし宿屋へ向かう。
最後のあの受付の人、元の世界の俺より年下だったけど
あの子の言葉が妙に心に残った。
多分死んでいった人とかいっぱい見てきたんだろうな。
化身がばれないように色々考えてたけどやっぱりまずは死なないことだよな。