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恋哀連鎖(れんあいれんさ)
誰かに恋をして
それが終わる度に
二度と恋をしたくはないと
もう誰も好きにならないと
悲しんで
苦しんで
怒って
泣いて
痛んで
病んで
その苦痛から逃れるために
その想いを忘れようとして
また恋に落ちる
また好きになる
恋を得て
恋に慶び
恋に愁い
恋を失う
私の恋はいつだって
私の心はいつだって
叶わない
届かない
恋愛以前の
恋哀の連鎖
恋哀以下の
失恋の連打
最初から失恋していると
絶対に叶うことはないと
理解していて
把握していて
もう二度と恋はしないと絶望に打たれ
次の恋はもしかしたらと希望にすがり
同じことを繰り返す
堂々巡りの五里霧中
最初から失恋だという理解は
絶対に叶わないという把握は
ネガティブを飛び抜け
マイナス思考より上を
世間の偏見が
人世の好奇が
私の祈りを蹂躙して
私の願いを打ち砕く
そして私はその日もまた呟く
「もう恋はしない」