悲愛(ひあい)
今日もまた仲の良い二人を見詰める
その仲に入り込めないと歔欷し
その仲に自分は居ないと虚脱し
今日もまた胸を痛めて生きている
それは自分が入って行かないだけだと
それは自分から行動しないだけだと
分かっていながら
入り込んで欲しくないと拒否されることが
図々しく割り込んで来ないで欲しいと拒絶されるのが
怖くて動けずに居る
自らの弱さに嫌悪し悲憤しても
世界は動かず
人世は動かず
何も変わらない日常が拡がるのみ
今日もまた仲の良い貴女とあの人
対等な関係で
平等な相対で
敬語でよそよそしく対応される私とは違う
距離を感じて
拒絶を覚えて
それが真実なのか被害妄想なのかさえ分からずに
ただ寂しくて苦しくて
また情けなく泪を流す
何を信じていたのだろう
何を望んでいたのだろう
貴女ならあの人なら
大丈夫と思ってしまった
身勝手な想いは虚しく
どんなに信じても
私の苦しみを見てただ沈黙を守るだけ
それでも消えぬ想いは
それでも失せぬ気持ちは
私を殺す
私は貴女に
「私が居るよ」なんて
言って欲しかったのかも知れない
私はあの人に
「大丈夫だよ」なんて
言って欲しかったのかも知れない
だから私は
両手を拡げ
今日も世界の終わりを見る