約束は守る、これ常識
はい、久々の作者です
今回皆様の前にあーるぴーじーを提供出来たことを嬉しく思います。
第一回のネタを提供して下さった御劔様、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします
長いです。作者歴で一番長いです。
ごめんなさい。
(今でかくて眼鏡で多少筋肉のある作者はケータイに向かって土下座しています)
これからもよろしく!
「私は欲しいわ」
地上の全ての生物の中で最も美しいと言われる羽
持つ者を永久に幸せにする伝説の羽
不死を与える秘宝
「私は不死鳥の羽が欲しいわ」
菊地お嬢様のワガママな思い付きが、いつも世界の欲望丸出しの冒険に者火を付ける。
なんたって思い付きを叶えれば何でも願いを聞いてくれるのだ
〈注意、聞くだけではなく勿論叶えてくれます〉
さて、ここにも一人の冒険者が現れた
「お嬢様、今回も多数の者が志望しております。いかが致しますか?」
上下をスーツでビシッと決めた20代の執事を担当する男は、隣の優雅に椅子に腰掛け長く艶のある髪を払う女性に話しかける
「いつもの様に上位三名でいいわ。二日後にバトルロワイヤルを開催するわ。詳しい設定は全て任せるわ」
そう言って女性はゆっくりと目を閉じ眠りについた
男は深く頭を下げ部屋を後にする
「全くお嬢様のワガママときたら・・・」
執事は深い溜め息をついていた
さて、このバトルロワイヤルを開催される開場では、数百にのぼる参加者が欲望を叶えるため力の限り描写出来ないような乱闘を繰り広げていた
一部を書いて見ると
「オラオラー。お前の妹貰うぞこら〜」
「メグタンの為にも俺は戦うんだ〜(メグタンとは二次元美少女戦士である)」
「見ててママン。僕頑張るから」
もう書けない
その中で恐ろしい強さを発揮している女性がいた
「何かしらあの女。今2.5m位の男を10m近く吹き飛ばしたわよ」
「彼女は・・・加弥ですな。この町一の武道家との噂もあります」
そうこう言う間に次々と犠牲者が増え
「お嬢様、上位一名になってしまいましたね」
「アレは人間ですの?」
勿論人間の筈です
だって人の血は紅いから
血の付いた拳を近くのぼろ雑巾みたいな名もなき戦士で拭き、ニッコリ笑う
「私の勝ちー」
訂正、人間の皮を被った悪魔だこいつ
さて、殺戮者を応接間に通し、周りには屈強な男達が入り口を固め、厳重な警備の中話は進められている
「さて、彼方にとってきて欲しいのは不死鳥の羽。はっきり言って何処にあるといった明確な場所は無いわ。でも持ってくればなんでも願いを叶えてあげるわ。それで、何が望みかしら?」
「えーと、広い土地と一軒家」
「?その程度でいいですの?」
聞方次第では殺意が芽生えそうです
「いいよ。後はあんまいらないし」
あっさりと承諾成立し、いざ暴れ・・・もとい冒険に行こうとすると
「そうだ加弥殿、我々から二名仲間をお貸しします。何があるか分かりませんので」
そう言うと二人の少女が奥から現れた。
一人は上下を白で統一した修道服を身に纏い、銀色に輝く杖を手にした少女
もう一人は上下を黒で統一した、分かりやすい魔術師の服を身に纏い、箒(掃く部分に真っ赤に染まった鎌、持つ部分にはスイッチがある)をもつ少女
「深娜君と洸夜君だ。どちらも実力は中々だから邪魔にはならないだろう」
「あのー。私はただここを通っただけなんですか・・・」
「それは神の導きだよ」
「そうなんでしょうか・・・」
一名民間の方でしたか
「深娜ちゃんに洸夜ちゃんね。よろし――」
「姉様〜何処だー」
屋敷に響くのは若い男の声
衛兵A―な、何者だ貴様わ!
うるせー姉様何処だ!ウラッ!
衛兵A―グアッ・・・
衛兵C―取り押さえろーぬっ、必殺、〈天使の咆哮〉エンジェルハウ○ウ!
グホーーー!
屋敷全体が揺れる
「・・・・・・何事ですの?」
「あ〜・・・・・・忘れてた」
ここだ、この部屋から芳しい匂いが!
「変態が来たみたいね」
黒魔術師さんは箒(危険物)を振りかざし、呪文を唱えた
「デス・アンカー(ポチっ)」
「オラーこの部屋ブルグアー」
入ってきた男は発射されたデス・アンカーにより吹き飛ぶ
「あのー、今の人生きてますか?」
「大丈夫だよ。あいつタフだから」
「知り合いなの?」
「うん、て言うか殺ってから聞くのはおかしいよ?」
すると吹き飛んだ男はボロボロになりながら歩いてきた
「姉様〜・・・、やっと見つけた。酷いよ試合当日いきなり殴りかかってくるなんて。さっき目が覚めた」
「ごめん慎、あんたがいると勝てるかどうか分かんないから」
「ヒデー」
二人は笑いながら小突き合い、徐々にエキサイトして
「今日こそ勝ってやる姉様ー」
「殺れるもんならやってみなさい」
しばらくお待ちください
「では御武運を」
頭を下げる執事に送られ元気に出発した四人組
「さて、修理屋でも呼ぶか。いっそ建て替えるしかないかもな」
屋敷の真ん中には見るも無惨な爪痕が残っていた
四人組は町で冒険の準備をしています。
定番の薬草から毒消し草、他にも色々と買い込んで・・・・・・
「買いすぎだよ姉様〜。重いよー」
「慎君大丈夫ですか?」
「いやー勿論ですよ。これくらい」
馬鹿は使いやすいと加弥他一同思っていたに違いない
一時間経過
「さあ、そらそろ行こうかしら」
「ああ、その前にちょっと行きたいとこあるんだけど」
そう言って指差したのは
『図書館?』
町一番の規模を誇る図書館
「コウセイ」
数十万と言われる程の蔵書を誇り、半分以上が永久保存史書とされるほどの価値がある
整然と並べられた本の山
本本本本本×四万位の本の山
その山の中、静かに本を読んでいるのは17歳の少年。男なんだが髪が伸びてくると女に間違われるときが度々あるのが今の悩みらしい
「霞いるー」
図書館での常識である
「静かにしよう」
を盛大に破り勢いよく侵入して来た加弥
「かーすーみーいー」
いきなり頭をわし掴みにし、図書館から追い出す
「加弥、静かにしろ。何回も言わせないでくれ」
「だってたまに奥で読んでると来ないじゃん」
「お前が来ると周りの人に迷惑をかける。ついでに早く
「明日の引きこもり」
返却してくれ。読者が多いんだ」
「ゴメン、味噌ラーメン溢した」
「今すぐ帰れ。10年ぐらい視界に入るな」
そんなやりとりを呆然と眺める三人
「加弥さん、この人誰」
深娜の質問に
「紹介するね、ここの司書やってる霞」
「こんにちは。そちらの魔術師さんは初めまして」
頭を下げる霞に習い深娜も頭を下げる
「霞、ちょっと聞くけど不死鳥のこと教えて」
「不死鳥?あの馬鹿お嬢様の思い付きのあれか。不死鳥、又の名前はフェニックス。エジプトの霊鳥とされ500年生き、巣に火をつけて焼け死に生まれ変わる」
『成程』
「ちなみにエジプトはここから東に行けば着く。ただし歩きで四ヶ月かかるし不死鳥が現れる保証はない」
「なー霞、なんかいい方法ないのか?」
「無理を言うな慎、ただですら伝説の鳥だ。精々エジプトの近くの町で情報収集するのが一番の策だな」
「よし、じゃあ出発しよー」
霞の腕を掴む
『えっ?』
「行くよ霞」
「何言ってるんだ加弥。俺はここの仕事があるんだ。それに俺はお前とか慎みたいな化け物バーサーカーではない。行くなら四人で仲良く行って来なさい」
「行くよ?」
「イダダダダダだ。切れる切れる、腕を雑巾みたいに絞らないで。出ちゃう。人の証の赤い液が出ちゃう」
真っ赤に染まる腕を抱き、震えながら
「いつも酷いよ加弥。前だって必殺技の練習でサンドバック代わりに俺使うしあの時だって・・・・・・」
トラウマスイッチオン
蹲る霞を担ぎ霞の家、小さく少し年期の入ったアパートへ向かう
更に一時間経過
〈町外れの森の中〉
「結局来てしまったのか。俺は無力だ」
頭を抱えながらトボトボ歩く霞を無視してウキウキしながら歩く加弥
「霞さんだったかしら。彼方何が出来るの?」
「さん付けはやめてくれないか。馴れていない。ついでに俺は只の司書だ。戦闘は出来ん」
「ならなんで加弥さんは彼方をパーティーに入れたのかしらね」
「本人に聞いてくれ」
森をひたすら歩くに連れ日は沈み、辺りは薄暗い闇に包まれた
今日の旅はここまでにし、キャンプをすることに
「で、四人揃って食糧はこれだけでろくな道具もなし。酷いな」
『誰かが持ってきてると思って』
「うんうん。今すぐ帰っていい?」
『駄目』
ひもじい旅だな
ええい仕方ない
「なら聞くがここのチームのリーダーは加弥だよな?」
「・・・うん」
「ではリーダー、今この状況をどう打開する?」
「えーっと・・・」
「この森には食べれる物と食べれない物と頑張れば食べれる物の区別は難しいぞ」
「うー・・・」
「今の食糧なら良くて一ヶ月。この森を越えれば腐敗の谷。あきらかに無謀だがどう打開する?」
「いじめないでよー」
「泣いて打開出来ると思わぬことだ」
「キャラが違うよー」
「知った事か!今は生き延びるのが先決だ。今から役割分担をするが異論があるか?」
『無ーし』
「では慎と加弥で狩をしてもらう。狙うはイノシシ。最低でも一頭は仕留めてくれ」
「霞とチームがいいんだけど」
「俺は山菜に果物だ。見分けが難しくて間違えれば確実に腹を下すがそれでもいいのか?」
「行くわよ慎〜」
「イエッサー姉様!」
現金なリーダーです。
「次に先塚と深娜、二人はこの場での警戒を頼む。野盗が現れる可能性があるから見付け次第痛めつけろ」
「霞君は一人で大丈夫ですか」
「成せばなる・・・筈。んじゃ行ってくる」
霞は草木を掻き分けながら奥へと進んでいった
火を囲みながら黙っている二人
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・・・・
最初に口を開いたのは深娜だった
「加弥さんが霞をなぜパーティーに入れたのか分かったわ」
「リーダーにピッタリだもんね」
「ええ、私達のチームは片寄った知識が多いのよ。それに比べて霞はかなり広く深い知識を持ってる。リーダーに向いてるわ」
「昔から霞君は本好きだからね」
「知ってるの?」
「うん。私もたまに図書館に行くからお互い顔見知りなの。加弥ちゃんはもっと前から友達だったみたいだし慎君も加弥ちゃんが紹介したんだ」
「そう・・・良いわね友達って。私には一人もいないから」
寂しい目で空を見上げる
魔術の才能が有るが故に家族から捨てられ、皆に避けられ、世間から虐げられた人生
「嫌になるわ。こんな寂しい人生」
「ならもう寂しくない人生ね」
「何を言ってるの?」
「霞君なら多分深娜さんの事友達って思ってるよ。後で聞いてみたら」
いたずらっぽく笑い空を見上げる洸夜
確信に満ちたその表情を眺め、深娜は思う。
果たしてそうなのかしら
それとも只の気休なのか
その日の夜は盛大な夜だった
一行は腐敗の谷を越え、密林を薙ぎ倒しながら一直線に東を目指す
途中モンスターに合うが見事なコンビネーションで切り抜ける
〈回想シーン抜粋〉
「おお、あれは定番モンスタースライム!」
「違うぞ慎、あれは『元課長戦士、佐々木ズライム』だ」
「何故元課長なんだ!」
「聞いてはいけない事情があるんだ。あ!やめろ加弥!頭を狙うな!」
「えいやっ(頭スレスレを回し蹴り)」
ぶわぁ〜
「ああ、佐々木ズライムの頭が、頭が〜」
「モンスターこどきに情けは無用よ。ファイヤー」
(ボヒュー)
「ああ、ズライムのぶわぁ〜って飛んでったモノに火が。お前鬼だよ」
「とどめの正拳突き!(バフォッ)倒したー。ん?2エン?しけてんなズライム」
「大人の事情があるんだよきっと」
〈回想シーン2〉
「霞!なんだこのスライムの集団は!」
「ここは『リストラー地帯』と言ってズライムのテリトリーなんだ」
そこには元課長戦士佐々木ズライムや元幹部阿部ズライム。さらに元部長山下ズライム、元社長、元専務、元サラリーマンなど様々なズライムかウジャウジャいた。
そして強い風が吹く度頭を必死に守っていた
「ねえ霞君、あのズライム周りから攻撃されてるけど仲間割れ?」
「違う。彼はきっと地毛だったんだ」
久保田ズライムが倒れた後、群がる様に飛びかかるズライム
「ここは私の召喚術を使うわ」
『おお!頼もしい』
深娜は目を閉じ、呪文を唱える
何が現れるのかな。イフリー○とかシブ○とかバハムー○かな
「召喚!」
輝く閃光の中から現れたのは・・・・・・
「セアカゴケグモ!」
皆も知ってる人気者のクモ。
ゴケグモ科、ゴケグモ属に属し、体長は雌約10mm、雄2〜4mm。体は丸く黒色ないし茶色で赤色斑を持つものが〜以下略
「気持わるっ。何かデカイよこのクモ。10cmあるぞこいつら」
クモは次々とズライムに襲いかかる
「なんでクモ達は頭と髪の間にわざわざ入って噛みついてるんだい?」
「私に聞かないで。あくまで攻撃対象はズライムなんだから」
おや?三匹のクモが何やら相談です
おお、そこにズライムが飛びかかった!
すると三匹のクモはグルグルと円を描きながら巧みに攻撃を避け、二匹のクモが頭の上のナニかを弾き飛ばす
そして光沢のあるドコカにめがけて噛みつく
「ジェットストリームアタッ○!」
虫の世界にも広がっているのです
一年戦争が!
〈回想終了〉
一行は小高い丘の上でテントを張って眠っている。
今は夜中の二時を周り、空は月と星で輝いていた
今夜の交代制の監視は霞の深娜だった
二人は意外にも黒魔術の話で盛り上がっていた
「俺も魔術は使いたいんだが契約の指南者がいなくてな。お陰で未だにファイヤすら使えんのだ」
「契約を交さないと普通の人は使えないからね。私は出来たけど」
「最後の言葉は自慢に聞こえるから控えとけ」
たわいもない会話だった
そんな時、最初の夜に洸夜に言われた事を思い出した
聞いてみようかな
ふと思った
「ねえ霞」
「なんだ?」
「霞は私を友達って認めてくれる?」
すると霞は声を忍ばせ笑った
「今更だな。仲間って認めてなかったらここまで来ていない。第一会った時から大体は信用している」
「なんでよ」
「深娜は俺が頭を下げた時ちゃんと返した。最低限の礼儀が出来ている時点で俺は深娜を信じてたさ」
にっこり笑う霞は今まで会った全ての人と違った
お人好し過ぎだ
そう思った
それから何日かしようやくエジプトに着き、情報収集すること二周間、ようやく手掛りを掴んだ
「で、否我の荒れ地に巣があるって?」
「そうだ。ただし慎、お前は来ない方がいいぞ。後加弥、深娜、洸夜も」
『なんで?』
「否我の荒れ地。彼処は自我を否定、つまり欲望に動く呪いがある地なんだ。俺の欲は彼処で叶うことは無いから大丈夫だが皆は無理だろ」
『・・・・・・』
押し黙る四人
「んじゃ、三日位したら帰る。帰ってこなかったら・・・・・・取り合えづ笑っといてくれ」
霞はそう言って宿を出た
宿を出た瞬間シャイニングウィザー○
そのまも20m位吹き飛んだ
「あ、か、霞君、息してない。心臓止まってる」
「加弥さん、やりすぎよ。いくら何でも殺すのは」
「取り合えず心臓マッサージに人工呼吸だ!」
三人の乙女が息を飲む
「ここは聖職者の私が」
「いえいえ殺った私か責任もって」
「彼方達には任せてたら不安だから私がやるわ」
討論開始
その間に慎は近くの教会で蘇生(これはあくまでRPG!)
「慎、助かった」
「いやな、あのままだと二時間は続くと思って」
実際彼女等は二時間討論し続けていた
結局霞他一名のみ同行することになった。
否我の荒れ地に一歩足を踏み込んだ時点で呪いの影響を受けるため、一歩入って何の欲が出るか調べた
〈慎の場合〉
「うおぁーー。なんと芳しい匂いがー」
サボテンにダイビング
〈洸夜の場合〉
「そのー。か、霞くん、一緒に行こうよ」
赤面でうつ向いている
〈加弥の場合〉
「行くぞ霞ー。早くいこー。二人でずっといこー」
ある意味危険であった
〈深娜の場合〉
「・・・・・・特に何もないわね」
霞と同じだった
結果
不服丸出しの加弥となんか落ち込んだ洸夜に転がり回ってる慎に送られ二人は否我の荒れ地へと足を踏み込んで行った
枯れた大地をひたすら歩き続ける二人
太陽の光は強く、容赦なく体力を奪う
「いやー涼しー」
「快適ね」
体力を奪う?
二人の周りには数個の氷の固まりが浮いていてかなり涼しい様だ
「ところで霞、あんたの欲ってなんなの?」
「俺か?仲間を失わない。俺一人なら何の問題もないからな。深娜はどうなんだ」
「私も似てる。最初の友達を失いたくないって事が」
「そうか。いい欲だ」
笑いながら前を歩く霞
いつの間にか自分も笑っていた
久しい笑顔だった
二日目の夜、ついに見つけた不死鳥の巣
不死鳥の姿は無く、月明かりの中、羽は月の光を反射し七色に輝き巣の周りを照らしていた
その美しさに二人は一時目を奪われていた
「綺麗ね」
「ああ、世界一ってのも嘘じゃないな」
そして手に入れた一枚の羽は重さを感じないがなにかしらの力を放っているようだった。
「それはお前が持っててくれ。俺が持ってたら飛んできそうだ」
そう言って渡された羽を大事にしまい、二人は元来た道を戻った
その羽を持つものを永遠に幸せにする
三日目の朝、寝袋をしまい、歩きだした深娜の頭にそんな言葉が響いた
すると急に脚に力が入らなくなり膝をついていた
さっきまで何の問題も無かったのに急に脚が動かなくなった
「な、何よこれ」
「おい、大丈夫か深娜!」
前を歩いていた霞は急いで駆け寄る
「無理はするな。疲れが溜ってたんだろ」
「いいえ、そんなことは・・・」
「いいから少し黙っとけ。よっ」
「きゃあっ」
すると霞は深娜をおんぶし、歩きだした
「な、何をするのよ霞」
「いいから休んどけ。倒れたら困る。今日中には荒れ地を抜けたいんだ」
流石におんぶをしながら歩いては汗が流れる
しかし霞は休むことなくひたすら歩き続けた
深娜も何度も降ろすように頼んだが降ろす気は全く無いようだった
(まさか呪い?仲間を失いたく無い呪いのせいかしら)
ふと思った深娜はそこで諦めた
仕方なく霞におんぶされながら帰ることにし、魔法で出来るだけ涼しい環境にして少しでも楽になるよう思っていた
それと同時に思った
このままでいるのも良いかもしれないと
無事帰還した二人を激怒しながら迎えた二人と笑いながら迎えた一人
不死鳥の羽を手に意気揚々と帰路に着いた
町に戻った一行はそこで別れ、各々の帰路に着いた
霞は真先に休んでいた図書館へ向かった
「あ、館長」
図書館の前には初老が座りこちらに手を振った
「どうしたんですか館長、今日は定休日じゃ無いはずですか」
初老の館長は困った顔で
「実はなー」
屋敷に向かった加弥は激怒した
「ああ羽?もういりませんわ。幸せならいつでも手に入れる事が出来ますもの。ですので今回の件は無かった事で」
そう言って屋敷を追い出された
「・・・・・・」
それはもう恐ろしい形相です。その顔を見た子供は泣きながらチビり、老人は入れ歯を飛ばして気を失い、若者は近くの果物屋に頭から突っ込んで気を失う位怖い顔です
そんな時、町の共同放送から声が響いた
「加弥!慎!洸夜!深娜!今すぐ図書館前に集まれ!」
その声は霞であり、今まで聞いたことが無い殺気が含まれていた
すぐさま集合した皆は唖然とした
霞はありとあらゆる重火器を装備し、まるで一国に戦争を仕掛ける様な格好です
「屋敷潰しを始める!」
高らかに宣言した霞
皆はやっぱり唖然としていた
「数々の暴挙を見逃してきたが今回は許さん。事もあろうにこの図書館を国から買い取って私物化しやがった」
ちなみに菊地財閥の総資産は国の約五倍以上と言われている
「確実にあの屋敷を落として図書館を取り戻す。その為に力を貸してくれ」
霞は加弥と慎の方を見る
「加弥、フェチ男」
「フェチ男ゆうな!」
「俺は今から悪になる。二人の拳は己の信念を貫く拳だ。己の信念が許さないなら今俺を止めろ」
「なに言ってんのよ。私の拳は友達の為の拳よ」
「そうだぜ。仲間を助ける拳だ」
次に洸夜を見る
「洸夜」
「なんですか?」
「俺は今から悪になる。聖職者たる君は悪を止めるのが使命なら今俺を止めろ」
「いいえ。私達聖職者は善悪以前に弱き者の味方です。彼方一人で行かせませんよ」
最後に深娜を見る
「深娜」
「・・・何?」
「俺は今から悪になる。友は友の悪を止めるもの。俺を友と思うなら今俺を止めろ」
「確かに友達なら悪事を見逃す訳にはいかないわね。でもね、私は今からする行為を悪とは思わないわ」
霞はにっこり笑い
「ありがとう我が友。俺はこれより屋敷をぶっ壊す。今まで溜ったストレス発散しに。だから付いて来てくれ」
『おお!』
それから数分後、屋敷一帯で爆発音や人の叫び声、一部狂喜の声が響いた
「あははははは、弱い、弱いわ。ここの衛兵はこの程度なの」
音速に近いパンチはパシッパシッっと軽い音をしながら衛兵を軽く30m吹き飛ばしている
「おお、この先にはメイドさんの宿舎か!いざ、夢のロード」
パララララララララララララララララララララララララララ
サブマシンガンWz63を慎に向けて乱射
「な、何をする霞!」
「友に犯罪を起こさせないためだ!」
弾倉を変え、他の衛兵に乱射する
弾が尽きると銃を捨て、ウインチェスターM1897トレンチガン(散弾銃)を正面玄関に向けて撃つ
破砕した戸を越え室内に侵入
深娜は直ぐ様召喚
「アナコンダ!」
ニシキヘビ科ボア亜科のヘビ、世界最大のヘビで全長約9〜以下略
「深娜、死んじゃうよ衛兵!」
「大丈夫よ。死なない程度って指示はだしたから。多分」
「多分は駄目だよ。ほら、そこの中年衛兵飲み込まれてるよ」
「霞君、革命には犠牲はつきものなのよ。コメット」
空から無数の隕石が落下。次々と衛兵が飲み込まれていく
「この聖職者コエー」
10分後、屋敷は制圧された
「さあお嬢様。今すぐ全国民に誤って図書館返せ!」
「なぜ私が国民なんかに頭を―――」
「黙れ小娘、吹き飛ばすぞ」
後ろではタンスを吹き飛ばす慎
加弥は隅の壁を壊し、衛兵を突き落とす
深娜は壊れた窓からセアカゴケグモを投下
洸夜は神に祈り、空から雷の天罰
「早くした方が良くない?」
一番の悪魔は霞なのかもしれない
執事はそう思っていた
二年後
彼等は旅する魔王と称され村々で恐れられ、幾多の勇者が挑んだが誰一人傷すら付けることなく泣きながら帰ってきて、半数が人間不信に陥ったそうだ
「ちょっと深娜ちゃん、霞にくっつきすぎだよ」
「そう言う加弥さんだって同じじゃない」
「二人ともズルイよー」
「姉様ー。俺もまぜくぃぐるひゃー」
「あんまくっつくなお前ら。暑いー」
旅する魔王は今日も歩いていた
旅する魔王はこれからも歩く
特に目的は無いけれど
いかがでしたか?
今回の作品は作者も必死だったそうで、既に寝てますので霞が続けます
次の作品は麦様の作品でシリアスになります。
これからもよろしくお願い致します
(作者の寝てる顔に濡れたタオルを乗せる)
「んん〜。む〜。うんむ〜・・・ぶあっ。誰だ!誰が俺を殺そうとした!時代か!時代が俺に嫉妬したか!」
パララララララララララララララララララララララ
(作者に向かってWz63を乱射)
「ぐわぁーー」
全弾命中!
さあ、次回から誰が書くのか目が離せない!
「お、俺はこの程度では・・・」
パラララララララララララララ
絶命