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死体と遺体と痛い〜ホラーショートショート集〜  作者: 御影のたぬき


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7/7

レイコさん

 友達がざわついている。

「スマホにレイコさんが出るらしい」


 噂を聞くと、画面が勝手に光り、動画が再生される。

 白い顔、長い黒髪の少女。

 瞳は虚ろで、何も言わない。

 ただ、こちらをじっと見ている。


 ノイズが混ざり、画面は微かに揺れる。

 スマホを握っても、止められない。

 鼓動だけが耳を打つ。


 放課後、誰もいない廊下。

 視界の端に、黒い影。

 画面のレイコさんと同じ顔、同じ無表情。

 歩くたび、背後に黒髪がちらつく。


 夜、ベッドで眠ろうとすると、勝手に動画が再生される。

 ノイズが耳を刺し、画面の光が部屋を侵す。

 何度も繰り返される微笑み。

 声はないのに、存在感が重い。


 翌日、友達の一人が姿を消した。

 スマホには動画が残る。

 レイコさんの背後で、逃げる影。

 再生を止められない。ノイズだけが耳に残る。


 噂を聞くたびに、動画は勝手に再生される。

 画面のレイコさんは少しずつ、世界を侵食するように見える。

 手で触れようとしても、指先に冷たさだけが伝わる。


 夜、部屋の暗闇で動画を見る。

 黒い髪が画面から微かにはみ出し、揺れる。

 心臓が破れそうで、息が止まる。

 そして、自分の顔が画面に映る。

 無言のレイコさんが、黒髪の奥で微笑む。


 スマホを閉じても、光は消えない。

 


 彼女はじっとあなたを見ている。

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