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刑法三十九条~そして行く先へ  作者: i/o
終章、世間・他人

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12/12

その先へ

「こんばんは、夜九時になりました。ここで最新のニュースをお届けします。八年前、東京都〇〇区で起きた統合失調患者による無差別殺人未遂事件について、今日午後七時の記者会見でaは実名を公開し三年間で不当に拘置所に入れられ病院での適切な治療が受けられなかったことに対し、国に国家賠償請求訴訟を起こすことを決めていることが分かりました。a改め本名、〇〇さんは三年間保釈を要求するも不当に訴えを取り下げられたことを根拠として、自分と同じような悪夢を繰り返すことが無いよう精神疾患患者による再犯防止と精神疾患への偏見をできる限りなくし、早期治療によって事件は防げることも一緒に裁判で訴えていきたいと語っています。」


 夜、スマホのショート動画に飽きた俺はニュースをみた。偶然ではあったがなぜか引き込まれた。八年前になったのかと思う。一瞬で過ぎ去った八年間。aは常に裁判で闘っていたのだろうか。長期化したこの裁判に巻き込まれたのはaだけではない。被害者も長い闘いを強いられてきた。もし自分だったらと思うと八年間ももやもやした感覚を持っていて最後は無罪で終わるという言葉では表し難い喪失感に襲われる気がした。この闘いはいつになったら決着がつくのだろうか。


 心神喪失者は無罪になる。


 この規定があっても救われる人なんて誰もいない。でも、刑を科しても社会のためにならない。常に矛盾しそうなこの規定は社会的に見ても不要に見えてしまう。法は常に平等だ。どんな経緯でも犯罪は犯罪で心神喪失は無罪という絶対的なものだ。


 刑法三十九条は社会的に見ても法律学的に見ても必要なのだろう。消すことはできない。しかし、そのせいで救われない人が多くいる事実が必ず存在する。金で心は治せない。


 俺は結論なんて考えることはできない。でも、常に考えて一手を出す。それがその先へ進むための小さな風穴なのかもしれない。そんな大層な思いを胸に、事件の詳細をパソコンで調べてみることにした。




  裁判結果、一審の地裁で国への損害賠償請求を一部認定。

 

 二審の高裁でも認定し、最高裁は国側の上告を棄却。














 その先はあなたの想像次第。

完全完結です。本当にありがとうございました。

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