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現代勇者とビニール傘 〜JKは相棒の傘とモンスターを退治します〜  作者: グルタミンさん


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5 警報



 「ふーん、輪っかが本体なんだ。

 変なの」


 ビニガサから、金属生物の授業を受けている。

 ビニガサも輪っかになれるのはなんか意外だった。


 輪っか単体で浮かんでいるのはなかなか変だ。

 天使の輪っかが天使なしで存在している。


 『今は、こんなふうに環になることも無くなったがな、みんな人間が怖すぎて道具に擬態している』


 ふむ、こんなふうに聞くと、実に悲劇的に聞こえる。


 そんなことを考えているとビニガサ環が、私の頭の上に来た。

 おい、死んでるみたいにするな。


 『へへ、懐かしくなっただけ

 100前まではずっとこんな感じで人間の頭に浮かんでいたからさ』


 「人間は恐ろしくてたまらないんじゃなかったの?」


 『今はね、昔はこんな感じで主従関係があったものだ』


 「ふーん、お前何歳」


 『大体1000歳弱』


 「それ冗談じゃなくて」


 『本当』


 頭の上に、カッコいい輪っか…

 しかし鏡で自分を見ると、天使というより死人のように見えた。


 「やっぱり、頭に輪っかがあるの嫌」


 『そう?

 これ結構便利なことできるんだよ?』


 (便利なこと?)


 『例えば…今日マイカは、俺を盾にする時にわざわざ話しかけたよな?

 それが必要なくなる、とか』


 「えっと、それつまり…」


 『頭を覗くってことだな。

 リアルタイムで君の考えていることがわかる』


 「キモ」


 『まあ、きっとこの環の便利さにそんなこと言ってられなくなるさ』


 ビニガサは、そう言うと傘に戻った。




 私もやるべき事をしなきゃな、寝るまで時間はありそうだ。


 適当に通学カバンを漁る。

 教科書クジだ…でや教科をやる。


 …。

 化学。

 

















 んー、最初はちゃんと集中してたはずなんだけどな。


 ノートには、ニコニコ顔の炭素。

 有機化学は、ダメだ…やはり顔が並んでいるようにしか見えん。


ブーッ、ブーッ


 (ん?なんだろう)


 その瞬間。

 スマホが悲鳴のように鳴った。


 「何、警報??」


 〈災害級モンスターが出現しました。

 該当地域の方は直ちに避難してください〉


 時計を見ると午後10時半ば。

 こんな時に、モンスターだなんて。


 『マイカ、行けるか。』


 ビニガサは起き上がって言った。

 どうやら今まで寝ていたようだ。


 「行くって、どこに?」


 『知ってるくせに』


 まさか、モンスターを倒せと言うのか?

 嘘だろ、災害級モンスターだぞ!


 毎年どれだけの死傷者がいるか知らないのか!


 『別に、行きたくないならそうすればいいさ。

 でもそれを倒せるのはお前だけだろうな、それで後から後悔するんだ。

 私が戦っていたら、みんな助かったかもしれないって。』


 なんだその言い方はっ。

 半分脅迫ではないか!


 「わかった、行くよ…怖いけど」


 私は、パジャマから外出用の服に着替えた。

 夜は寒そうだし、コートも持っていくことにしよう。


















 真っ暗な街をビニガサの案内で進む。


 (ねぇ、本当に私勝てるの?

 災害級モンスターなんかに)


 『大丈夫。

 俺強いから』


 (強いのはわかったけどさ、使い手が弱いとどうしようもないじゃん)


 『俺は、お前が弱いだなんて思ってないから』


 …それ本当か?


 『そうだ、君にこれをあげないとな』


 ビニガサは、骨の一本を取り出すと輪っかを作った。

 輪っかは勝手に私の頭の上に浮かぶ。


 あぁ、天使の輪っか。

 (今、私の脳内はビニガサに覗かれてるのか)


 『気にするな、すぐ慣れるさ』




ビビビビビッ


 〈モンスターに近づいています。

 今すぐ引き返してください〉


 スマホの警告が鳴る。


 『それなりに近づいてきたようだな』


 あたりを見回す。

 どの家も明かりが消えている。

 みんな避難したんだろうか…


ドンッ


ガシンッ


 進めば進むほど、モンスターの音が大きくなる。


 『いたぞ』


 ビニガサが言う。

 私が目線を上に上げた時、血の気が引いていくのがわかった。


 あれは…電波塔のような。

 山の中を電波塔がうねりながら進んでいる。


 『デカいな、間違いなく核金属のあるところには手が届かない。

 飛んでみるか?マイカ。』


 ビニガサは言った。


 (え、飛ぶ?)


 

 ビニール袋が取れると、ビニガサの骨組みが蛸のように開いた。

 八方向に対称な線の一つが欠けているのが目立つ。

 欠けているのが一本は私の頭の上にある。


 ビニガサは、ヘリコプターのプロペラを作った。

 傘の持ち手を持っていれば浮くことができるのか。


 『ほら、いくぞ』


 ビニガサのヘリコプターは言う。

 私はまだ心の準備ができていないというのに。


 ビニガサプターは、ゆっくりプロペラを回した。

 体が浮かぶ。


 『手、絶対に離すなよ』


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