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辺境はいいところです~実家には戻りたくありません  作者: satomi


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19/20

19.結婚記念日は独立記念日


 街につくとなんだか険悪な雰囲気。どうしたんだろう?

「アメル!何かあったのか?」

「何かじゃないよ!国王が突然辺境にやって来たのさ。国王軍をつれて」

 宣戦布告みたいな?

「それと、キャシーちゃんの姉妹の3人もまた辺境に来たんだよ。国王の差し金?」

「俺は全く知らん。キャシーは?」

「全く知りませんよ。姉妹に関しましては、できるなら縁を切りたいくらいです!」

 ―――まったく、皆様羽を伸ばして楽しく宴という雰囲気をぶち壊しです。

「仕方ない。国王軍を返り討ちにしろ」


 宴のはずだったのに、戦場です。

 護身術をマスターしていてよかった。

 見た目はドレスですが、非常に動きやすくできているので、かなり無理がききます。


A・B・D「何?戦闘?嫌~」

 それじゃあ来るな!

A「そうだ。キャシー、私達を守りなさいよ」

「何度言えばわかるのですか?私はもう辺境伯夫人です。貴女方の指示に従ういわれはありません」

B「キャシーのくせに生意気なのよ!」

 と、私を攻撃してきますが、この3人が習った護身術よりも私がマスターした護身術の方がレベルが高かったようで、3人でかかってこられても相手になりませんでした。

 そもそも、『キャシーのくせに』とはなんでしょう?


 レイリー様はいい加減面倒になったのかなぁ?

「おい、ジョーシィク王国国王!こうまで辺境を毎度毎度攻撃してくるのはこっちが迷惑だ。これからは辺境が独立することにする。それでいいだろ?他国がジョーシィク王国に手を出そうと辺境のここは違う国だからな。手助けなどしない。それでいいだろ?」

 今までが辺境を馬鹿にし過ぎなのよね。

 どこの土地が国防の要だと思ってるのよ。辺境よ?それを蔑ろにして、王都に行くたびに命を狙うなんておかしいんじゃない?愚王として歴史に名を刻みなさいよ。恥ずかしいなぁ、もうっ。

 



そういうわけで、もう手助けなんかしない。辺境は魔族と仲良くしていることも公表した上で独立を宣言した。




「今までが大人しくし過ぎてたんだよなぁ。とっとと独立しちゃえばよかったんだ」

 レイリー様は肩の荷が降りた~といった感じでサッパリとしていた。

「国の名前とかどうするんですか?」

 レイリー様が国王??

「今までの生活と変わらない生活をしていけたらなぁと思う。俺はただの一領主だよ」

 一領主が国王??

「独立したからには名前が……」

「ヴェナスでいいだろ?この国が王国になるか帝国になるかはわからん!」

「では、ヴェナス国で独立という事でいいですね!」

 元の国もヴェナスが魔族と繋がっていると知ってからは、大人しくなったし実家からは全く何も言ってこない。これ重要。

 実家と完全に縁が切れたかなぁ?切れてるといいなぁ?

 


 本当にレイリー様が辺境で守っていたからジョーシィク王国が無事だったというのに、独立してからというもの、国境の警備がヨワヨワになって、じわじわと侵攻されジョーシィク王国は今や虫の息という話を風の噂で聞いた。


 レイリー様がガッチリとガードしているヴェナスはどこの国の侵攻にも耐え、というより魔族からの報復を恐れてあまり侵攻してくる国はない。

 ヴェナスは今日も平穏無事。




レイリー様とキャシーちゃん、よかったね。

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― 新着の感想 ―
挙式中に、王国軍が攻めてきたんだね!そして、何故か三姉妹も一緒に。キャシーは、三姉妹から攻撃を受けるも、キャシーの護身術の方が上手で返り討ちにするか^o^。実家で家事全般を1人でこなして来たから、基礎…
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