15.3姉妹の辺境生活
A・B・D「「「ありませーん」」」
内心、『平民が私達に触ろうなんて畏れ多いのよ』とか思ってそうね。賊って大体平民だと思うけど?
「まずはその服装だけど―――ワザとかい? まぁ襲われるのは夜会の帰りとかそんな格好のときだろうから、シミュレーションとしてはいいと思うけど。護身術を何も知らないでその格好をしているのは悪手だね。さ、動きやすい格好に着替えてきな」
アメルさんという『平民』に指図されたのが気に入らなかったのか、A・B・D「このままでいいわよ」と、言い放った。―――怪我するのに。
私は知ってる。さっさと辺境から追い出すためにレイリー様がアメルさんにスパルタ指導を指示したことを。
案の定、姉妹は体力は足りていないし、筋力も足りていない。まずは筋トレからだね。と、地味なトレーニングをすることとなった。
元来、目立つことが好きな姉妹なので地味なトレーニングは不満。
「そんなに地味なトレーニングもできないようなら辺境で暮すなんてできないね。とっととお帰り」
と、アメルさんは言い放った。
あくまでも『平民』に言われたことで逆に闘志が燃え上がり、地味なトレーニングを黙々とするようになった。
毎度の事なので慣れてしまっているのがいけないのだろう。
「疲れた~。キャシー、マッサージしてよ~」などと言う言葉に反応して、私は姉のマッサージをしようとした。
「キャシー、止まれ。ホワイト家の皆さん、疲れるのは当然なので受け入れて下さい。マッサージが必要なら、ご自分たちでなんとかしてください」
私はレイリー様に注意を受けた。
「刷り込みとか、条件反射とかそういうのになっているのかもなぁ。言いなりにならないように、しっかりと自分を持つようにな!」
そっかぁ、そういうことか。もう刷り込みとか条件反射とかそういうレベルまでなってしまっていたのか、危ないなぁ。気を付けよう。
D「あ~、せっかくドレスアップしたっていうのに、レイリー様にお会いする機会はないし?」
A「地味なトレーニングをやらされて汗だくよー。使用人とかいないの?」
B「家事もやれって最初に言ってたけど本気みたいね」
A・B・D「はぁ」
A「ベティ、お風呂の用意をしてよ」
B「はぁ?やり方わからないのに無理よ。ドリスは?」
D「疲れてるのにお風呂の用意?それなら、お姉様達でこの服を洗濯してくださいね」
A・B「「したことないのに無理よー」」
着る服も底を尽けば出ていくでしょう?洗濯なんかあの姉妹にできませんから。したこともないでしょう。食事についてはどうしましょう?
「レイリー様、食事もあの三人は自分たちで調達という形をとります?」
「そうだなぁ。一刻も早く辺境から追い出すにはそれがいいかもしれないな」
鬼畜~
この3姉妹は何をしに来たんだ?あ、レイリー様を誘惑?無理でしょ(笑)。