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12.久しぶりの帰郷


「さ、帰ろ帰ろ」

 王宮に留めていたら命に関わると、馬ちゃんたちは皆手綱を放していました。

 賢い子たちなので、みんな山の方にいたようです。

 レイリー様が指笛を吹くと、馬ちゃんたちが集まってきました。

 ん?うちの子じゃない子までいる。

 放している間に仲良くなった子で一緒に暮らさないかと馬ちゃん同士で話し合ったようです。

「よろしくな」

「よろしくね」


 挨拶は大事です。

 私はティナに乗って。レイリー様はリックに乗って辺境伯領ヴェナスまで駆け抜けました。


 後から聞いたのですが、リックもティナも魔獣の血を引いているので、他の馬ちゃんよりも優れているとのこと。確かに速く走れたり、障害物もひとっ飛びです。

 辺境伯の馬ちゃんはそんな馬ちゃんが多いのが特長みたいです。


「さて、ヴェナスは無事かねぇ?」

「アメルが仕切ってるんだから大丈夫でしょ?」


私とレイリー様はそんな会話をしながらヴェナスへと帰ろうとしていました。


もちろん、帰りも襲撃はありましたけど、リックとティナが走る速度についてこれずに、護衛の方にやられていました。


 ヴェナスに着くと、

「レイリー様、遅かったじゃないかい。なんかあったのかい?」

 と、変わらない調子でアメルが迎えてくれました。

「いつものように、襲撃三昧だ。一年に一度会いたいとかぬかすから、5年に一度って言ってみた。俺としては10年に一度でもいいんだけど、それだとあのオッサンいつ死ぬかわからないし?」

 オッサンって陛下?

「こっちはどうだった?」

「ああ、いつものように変わりばえなく、襲撃だねぇ。懲りないのかね?いつになったら飽きるのか?」

「自分が襲撃しているわけじゃないから、何度でもかねぇ?」

「ケガ人とかは?」

「それがこっちだって学習するわけで、全くの無傷。建造物の被害もナシ」

「そいつはよかった」



 レイリー様と王都に行ってからというもの、実家から手紙が来ることが増えました。今までは何の音沙汰もなかったのに。

 手紙の内容は要約すると、『辺境伯サマって普通だし、超イケメン。婚約者、交代しなさいよ。それから、あんたはうちの家事とかやりなさい?居場所があるんだからいいわよね?』 というもの。

 それをぶりっ子な筆跡、口調のような感じで書いてあるのです。ついでに、手紙全体から香水のキツイ匂いがする。馬ちゃんと戯れる立場としては香水とかあり得ない。


「レイリー様どうします?」

「一度、辺境体験してみるというのはどうだ?俺達が魔族の血が混ざってる情報はなしで。口軽そうだからな。なんかすぐに国内全域に広がりそうだ」

「でしたら、そのように領内の者にも通達をして、私の姉妹を招待しましょうか?」




馬ちゃんの友達ができたみたいでよかったですね。お友達は無事に辺境に行けたのかな?ドキドキです!

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