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春の学校エッセイチャレンジ 

歩いて帰っていた時の出来事

作者: 恵京玖

 小学校の帰り道ではフラフラと寄り道をしていた。人懐っこい犬をモフモフしたり、用水路の中を覗いたり、無人野菜屋を見たり、どんぐりを拾ったり……、落ち着きが無かった。


 人懐っこい犬たちをモフモフしたり、呼びかけたりするのは楽しかった。大体、アニメとかだと通学路に常にブチ切れていて吠えている猛犬がいたりするのだが、私の通学路にはいなかった。常に人懐こくて、はち切れんばかりに尻尾を振る犬ばっかりだったので、モフモフし放題だった。と言うか、番犬には向いていない。

 ちなみに野良猫も見つければモフモフするため近づくが、逃げて出来ないことが多かった。


 また通学路とは違う近道のような道もあって、そこも歩くところがあった。木々のトンネルが続く道で薄暗く、不思議な雰囲気だった。河童のような木の根っこを傘でつついたりしながら通っていた。ちなみにその道はうちの裏口に通じている。


 それから、若い方は無人野菜の小屋とか見たことがあるだろうか? 無人の屋台のようになっていて、そこに大根とか手作り感たっぷりの値札が付いて置いてあるのだ。その屋台を見ながら、「あ、白菜が売ってる」と何となく見るのだ。

 この無人野菜の小屋は本当に簡易的で監視カメラ無く、野菜とか小銭を入れる箱も無防備で出されていた。その光景を思い出すと田舎の寛容さと昔のおおらかさがある。今だったら問答無用で取っていく輩もいるだろう。


 田舎の寛容さと昔のおおらかさは他にもある。

 それが小学校を出てすぐの小さな空き地にスーツを着た見知らぬ男がいて、文房具とかのセールスをしていたのだ。純粋無垢な瞳を持った小学生たちに一通り話すと話した後、翌日ポストが小学校の校門にあるから、欲しい子は応募の紙を入れてねと言って渡されるのだ。

 令和じゃ考えられないセールスである。今だったら、保護者がクレーム、学校は注意喚起、不審者サイトに掲載だろう。


 こんな呑気な通学路ではあるけれど、ぼんやりしている私だと気を付けないといけないことがある。それは用水路に落ちる事だ。

 高校生になった時、駅から学校まで歩くのだがケータイを見ながら歩いていた。その時、ガクッと片足があるはずの地面に着かなかった。下を見ると水は無かったが、用水路に落ちていた。

 ……すごく恥ずかしかった。本当に水があったら、靴と靴下が水に濡れて電車に乗る羽目になっていた……。

 ながらスマホの注意喚起のポスターは最近よく見るけど、私はこの時からながらでデバイスを使っちゃいけない人間なんだと思った。





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