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とある優の宣戦布告(ボウゲンチョウハツ)


C級以上の魔物は、たった一睨みでD級以下の魔物全てのうごきを止めることができる。



それは魔物特有の技でも何でもなく、ただの威圧や殺気。人間でも達人ならばできる、自分より格下の相手に恐怖を与え体の自由を奪うそれだ。



そして、凍森の主ササガネムシャはB級の魔物。この魔物の威圧に対抗できる人間なんて、めったにいない。



ましてや15歳の少年で動ける者なんて、今まで一人も存在しなかった。



それなのに………






なんでコイツは少しでも動ける……ましてや、歩くことなんて絶対不可能なはずだ!!




そして、カインは見た



「おいカマキリ………」



自分と同じ年の少年が堂々と胸を張り



「天国にきて嬉しくなりすぎて巨大化しちまったのか…?でもな」



「ただでさえあれなのに、でかくなると隅々まで見えて更に気持ち悪いんだよお前。」



大人でも裸足で逃げ出すB級の魔物相手に挑発をしている優の姿を。



「かっけえ………」



あれ…体が動く…?



いつの間にか俺を縛っていたササガネムシャの呪縛は解けていて、不思議に思った俺は顔を上げササガネムシャを見た。










虫の表情は変わらない



だが、ササガネムシャからは明らかな敵意が放たれていた。



子供に威圧を破られた怒り



馬鹿にされた怒り



C級以上の魔物は、プライドの高い魔物が多く、ササガネムシャもその中の魔物のひとつ。



その瞬間、カインは悟った。



威圧が解けたのは、簡単には殺さないため。



逃げ惑う標的を追い掛け回し、足が止まったところを捕らえ、すぐには殺さずに体内に寄生型の魔物を生み付け、養分を徐々に失わせながら殺すという、残忍な手口。



そしてその敵意は、今完全に優に向いていた。



だが、いつまで経っても優は逃げる素振りも見せないどころか、自分から、一歩一歩ササガネムシャに近づいていっている。



ただただ口を開けて驚くカインとユーリ。それほどまでに優の行動は常軌を逸していた。



恐る恐る近づくことさえせずに、堂々と、震えもせずに近づいていっている。



そしてササガネムシャの射程範囲、鎌の届く位置まで入り込むと歩みを止め、力強い声で言い放った。



「天国がこんなやつらしかいない世界なら、まずその元凶をぶち壊す!!」



まるで自分は負けないと確信してるように。



そして、ここでひとつ思い出してもらいたいことがある。







C級以上の魔物はプライドが高い。



【狂った鎌】が、本性を現した




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