病院
【change】
「魔…………………
魔物!?(笑)」
優は目の前の10mはゆうに越えているだろうカマキリを見て、思った。
この少年は、病院に行ったほうがいいと。
「お前さあ、もう子供じゃないだろ?いい加減ゲーム脳はやめとこう…?それとも、天国の奴って大体そんな感じ…」
俺は目の前のカマキリに対しての警戒心を一切取り、頭の痛い少年に現実を教えてあげようとしたが…
「終わった…」
……僕を見て!!!
コイツはなんでこんなに怯えてるんだろう
まさか本当にこの10m以上するカマキリが動き出したり…
ナイナイw
「さ……行こうか」
優は少年の手を掴み、振り返るとそのまま病院を探そうと歩み出したが…
「……………あるぇ?」
目の前には10mを越え、たまに頭が動く以上はほとんど微動だにしないカマキリの姿。
へー…二つもあんだ…
そのカマキリもオブジェだと思った優は、現在後ろにあるはずのもう一つのカマキリを見ようと首を回したが
「………………あるぇ?」
そこにカマキリの姿はなく、見たことのない木々が縦横無尽に生えているだけだった。
「避けろ!!」
突然そう叫び手を引かれた優は、おもいっきりの不意打ちに反応できず、無様に右に倒れた。
「お、お前なぁ!!いきなり引っ張るん……」
瞬間
至近距離で花火を打ち上げられたかのような強烈な轟音が森に轟いた。
優が文句を言おうとした口が止まるのも無理もない。
先程まで微動だにせず仁王立ちしていたカマキリの鎌が、優がつい1、2秒前に立っていた地面に深々と食い込んでいたのだから。
手を引かれなければ、死んでいた
まぁもう死んでるけど
「逃げろ!!!」