東京
【change】
「………………」
「…………………………………!!!」
……………なんかうるさいな……もう朝か?
…………………
って
あれ?ここどこ?
「絶対勇者様だって!!普通空から人が落ちてくるわけないだろ!!」
「違う。これはきっとハンググライダーが途中で外れて落ちた人。」
「だーかーら!!ハンググライダーから落ちてこんなかすり傷で済むわけないだろ!!小説で表現できないくらいぐちゃぐちゃになるわ!!大体この人眠ってたんだぞ!!」
「ハンググライダーにはパラシュートくらいついてる。きっとそれを「あの…」!?」
「!勇者様!!」
笑顔が眩しいところ悪いんだけどさ、一つ言わせて
これなんてRPG?
現在俺の前には、俺と同い年くらいの元気そうな男の子と、綾波並に無表情な女がいる。
そして今俺はなぜか、日の光も入らない、見晴らしの悪い繁った森の中にいる。
「えー………と、ここどこ?」
「……記憶喪失?」
「記憶はちゃんとあると思うんだけど…
……それにしてもここって東京…とかじゃないよね絶対」
「トウキョウ?」
「………まあ今は東京のことはいいとして、ここは一体どこなわけ?」
「トウキョウって、何?」
ああ、もう!!
おばあちゃんか!?コイツは!!!質問に質問で返すな!!
「えーと………」
綾波に聞いても話はすすまないと思った俺は、もう一人の男の子に情報を聞こうと思い顔を向けたわけだが…
「えーと………なんで君は出合い頭に土下座してるの?」
それはそれは綺麗な土下座が眼前に広がった
「感激です!!!」
そう言いながら目の前の少年は姿勢を崩すことなく、顔だけをこちらに向け、畏敬の念の篭った視線をぶつけてきた。
希望やら期待やら尊敬やら、そんな視線を受けていたその時の俺の気持ちは
意味がわからない……そのうえこいつら、どっちも俺の質問に答えない…聞いてさえいない……
あえて言おうッッドン引きであるとッッ!
「伝説の勇者様が存在していただけで感激なのに、まさか目の前でその姿を見れるとは!感激です!」
何回言うんだよ
「トウキョウって、何?」
何回言うんだよ
「勇者様!」
「トウキョウ!」
うん、小説は絵が無い分、キャラクターには個性をだした方がいいよ?
でもさ…こんなに濃すぎることないんじゃないかな?