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【change】



「……あれ?」


なんで私タオル持ってるんだろう?


えっと…


ま、優に持っていこうとして…


……


あれ…?


何があったんだっけ?




「…持っていこ」


理由はわからないけどどうやら優に渡し忘れてたみたいだから、私はもう一度(?)お風呂に行こうと振り向いた。


「ニャーン」


すると、真っ黒な猫が私の前に佇んでいた。


「…あれ?」


実際この家は汚…年期が入ってるからいろいろな野生の獣が入ってくることはたびたびある。


だけど…この猫はおかしい。


まず…


「二足歩行…?」


後ろの二本の足だけを使い、その体重を支えてるところが猫らしくない…と思ったら


「ニャオ」


「…」


その黒猫は私が指摘した途端、その違和感に気付いたかのように前足をゆっくりと下ろした。


そしてガラス玉のようなその瞳をこちらに向け、その頬からは気のせいか汗のようなものが…


「あ…」


私がそう考えてると黒猫は突然後ろに向き直り、(警戒するように?)私を横目で見ながら立ち去ろうとした。



「尻尾…」


私がその猫のお尻から生えてる尻尾がなぜか二本あることを不思議に思い口にしたら、その瞬間二つあった尻尾は、一本がもう一本に巻き付いて、何事もなかったかのように一本の立派な尻尾になった。


「…本当に猫?」


耐え切れず、私はとうとうその質問をした。

すると黒猫はこちらに向き直り、ゆっくりと頷いた。




【change】




やっっっべーーー!!!


本当の猫だったら頷くわけねーだろ!俺は馬鹿か!?


糞ッ最悪だッ!この女はさっき風呂場に来た、あの湯かけてくる男の知り合いだから人質にとって二人ともいただいてやろうかと思って後ろから襲ってやろうと思ったのに


ッッそれ以前の問題だよ!!


やばいやばいこのままだとさっきの男も追い掛けてきてるだろうから猛烈にやばいぞ…

しかしなんで俺はこういつも頷いちまうんだ!無視して行けばよかったのに!





〜その頃の優〜



「……なぁ、ぷー子。」


「……」


「この世界のクモは皆言葉がわかるのか?」


「……」


「…………

はぁ………。」



大して気にしていなかった




「あー…あー…




あーもうめんどくせ、いいや。人質とか、作戦とか」


あれこれいろいろ考えるのがめんどくさくなって、俺は二足歩行で立ち上がった。


人質とか、こすい真似しなくてもこんなガキ娘一人、すぐ食い殺すことできるし…。さっきの湯男も所詮こいつと同じガキだし。回りくどいことしなくても二人とも喰っちまやいいわけだ、俺dogだし?


「……人質?」


俺がそんなことを考えていると、目の前の女が口を開いた。


「それって…どういう「あーあー喋んなくていいから」


「これから死ぬ奴にはもう何も意味ない単語だよ」


「…え?」


なんかこの女、まだ状況がわかってないみたいだな…めんどくさい奴。少しわかりやすくしてやるか。


「つまりな…」


俺はそう言いながら空中に跳び上がり、体を丸くした。



【change】


「つまりな…」


目の前の二足歩行の猫は私に殺害宣言をしたあと空中に跳び上がり、その体を丸めた。


その途端、さっきまで猫だったその生き物はたちまち黒い水のような液体になり、フローリングの床の上にびちゃびちゃと汚らしい音を立てて落ちて、小さな水溜まりができた。


「…消えた?」


「「いるよ」」


……


今聞こえた声は、どこから…


周りを見渡しても、どこにも誰もいない。


不気味に思いながら、不意に得体の知れない黒い水から目を逸らせてしまったことに気づき、急いで前に向き直った。


「…消えた?」


「そればっか」



さっきの猫は消え


「あーあ、すぐ逃げればまだ助かるかも知れなかったのに」


謎の黒い水も消えた


「まぁ逃がすわけねーけどな」


だけど、今、背後に、確かに何かがいる


「ところで、初めて?」


さっきまでいなかった何かが…


「…」


「【擬態】。見るの、初めて?」


………


擬態……


…まさかこの生物…


「dogって言葉、初めて?」

……………




………優。


「いただきまーす」











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