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キュア



それは、一部の魔物が持つと言われる特性で、自分の傷ついた細胞を、時間をかけて徐々に治し、骨が折れた程度なら3日程で完治するような魔物も存在する。


だが、トカゲの尻尾や鮫の歯、ザリガニのハサミなどのように、体を離れた部位を再生することは不可能とされている。


あくまで傷ついた細胞、修復する物がある場合のみに発動する特性だ。


しかしキュアを持つ魔物はどれも小さい傷なら早いもので2〜3分程で治してしまうことから、戦う時はもたもたしてはいけない。こちらだけ傷つき、なぶり殺しにされるからだ。



だから、カインは心配した。



魔物の中に、高速のキュアの能力を持つS級の魔物が、この世界にはいるから。



しかし、その魔物の戦闘能力はS級と呼ぶにはありえない程に弱い。


おそらく、まともに戦えばD級魔物と同等か、それ以下かも知れない。


ならなぜそんな魔物がS級という、国さえたやすく一夜で滅ぼすような部類に分けられているのか。


その答えは、その魔物がスクイード人にとってあまりにも危険な存在だからだった。



高速回復という超希少能力さえ、その能力の前ではおまけのように思えてしまうような能力。



その能力があれば、何十人、何千人、何万人でさえ、あっけなく殺されてしまう。



特殊能力名、ミミック



別名、擬態だ。



擬態



それは聞いてしまえば、そんなことかと思えてしまう能力。


そして、そんな油断をさせないためにその魔物―――Dangerous Of the Giver…DOG(危険を与える者)はS級に部類された。



恐れるべきは、その擬態できる種類の多さからなっていた。


全身刃物や、部分を乗り物にもできるし、犬やアリなど、自分よりはるかに小さいモノにも擬態できる。



つまり、目には見えないミジンコや、寄生虫にもなれるというわけだ。


ということは当然



人間にもなれるというわけだ。



だから、カインは心配していた。


もしかしたら、優がDOGなのではないか?





しかし、DOGは繁殖能力がない。


DOGはその擬態能力から一つの形状を持つ子を生むことができず、個体数は極めて少ない。


しかし繁殖能力がないのに、いつの時代もDOGが存在し続ける理由……


それは、誰にもわからない。


DOGにさえわからない。


ただ、他のDOGが死んだ時、別の場所でDOGは存在している。


今まで一体以上DOGが発見されたことは無いのに(気づいてないだけでもっといるかも知れないが)、その一体のDOGが死ぬと、またまったく関係の無い場所でただ一体だけのDOGが見つかる。


DOGは何故か常に、世界のどこかに必ず生息している。



……



B級魔物を一瞬で屈服させ…



高速の治癒能力を持つ………



お前……



本当に人間…………なのか…?



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