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数百文字の物語

虹色の今日を

掲載日:2024/09/07

わたしは不死身。不老不死。

老けない、死なない。

『最強』って思った?

そんなことない。

好きな人達が、好きな景色が、どんどんわたしの前から消えていく。

もうそんなことを何百回も繰り返した時、わたしは決めた。

死のう、と。


建物の屋上から身を投げた、体にナイフを突き刺した、毒薬を飲んだ……。

他にも色々試したわ。でも駄目なの。

死ねないの。

痛みがわたしの中を巡るだけで、わたしは死ななかった。

絶望した。

この体を恨んだわ。


でもある日、虹色の空を見つけたの。

暗闇に浮かぶそれは、とても綺麗だった。

初めて見たわ。

感動した。

美しくて美しくて、わたしは思わず涙を流した。

そして長いこと、じっとそれを見つめていたの。

そしたらそれがとても優しくて、強くて。わたしは抱かれているようだった。


星を見つけたの。

あの日、見た星と同じ星。

変わらないものもあるのね。

そう思った。


長い夜だった。夜が明けて日が差して、真っ白な光にわたしは包まれた。


気付いたの。


わたし、死にたくなかった。


ずっと、死ねなかったんじゃない。

死にたくなかったんだ。


遠い昔誰かからもらった贈り物、たった今世界にもらった贈り物……。その全てがわたしの胸に詰まっている。

わたしはこれを抱いていたい。

世界がわたし以外なくなっても、ずっと。

そして今日わたしがもらった贈り物を、また誰かに渡したい。

あの日、大切な人達からもらったように。


本当は、そう。

見たいことも、やりたいことも、まだまだたくさん溢れていた。

わたしが世界を諦めるにはまだ早かった。


いつか、朝日が昇らなくなる日が来るのだろうか。

いつか、やりたいことが一つもなくなる日が来るのだろうか。

そうなったら、わたしは死ぬのだろうか。

分からない。

分からないことだらけだ。


でももし、いつか死ぬ日が来るのなら、その日笑ってわたしはかえりたい。







読んでくださりありがとうございます(*꒡ ꒡ )

死ぬ日が来るまで、たくさんの素敵なことを体験して、それを噛みしめていきたいですね。

表紙絵には下から飛べるので、気になる方は覗いてみてください。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22944972

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― 新着の感想 ―
[一言]   面白かったです。  優しく素敵な物語だと思います。  ありがとうございました。  
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