菊池 遊戯
俺の名前は菊池 遊戯、遊戯と書いてゲームと読む。
よく匿名ですか? とかゲーマー名ですか? と聞かれることがあるけど本名。
その名前のお陰って訳では無いだろうけど俺はプロのゲーマー。
VRゲームダンジョンの大会で常にチャンピオンに輝いている。
ラノベのファンタジー物に出てくるあのダンジョンをゲームにした物で、此のVRゲームダンジョンに挑むゲーマーは冒険者と言われていて、発売されている全てのダンジョンを攻略した俺はA級冒険者の地位を得ていた。
全てのダンジョンを攻略し、チャンピオンに輝いて天狗になっていた俺は止せばいいのに、VRゲームダンジョンを制作したゲームクリエイターの人たちに向けて、中指を立てて「俺に攻略出来ないようなゲームを作ってみろよ」って挑発する。
ゲームクリエイターの人たちは俺の挑発に激怒して、次々と新作のVRゲームダンジョンを発売してきた。
あるゲームはより強いモンスターを出し、別なゲームは通常数十階層から100階層の階層を数百階層にして俺に叩きつけてくる。
だが俺はそれら全てのVRゲームダンジョンをクリアして、ゲームクリエイターたちを更に煽った。
そして今、俺は最新のVRゲームダンジョンに手こずっている。
出てくるモンスター全ての顔が俺、菊池 遊戯の顔をしているんだ。
ゴブリンやオークなどの人型モンスターだけで無く、狼やワイバーンの顔も菊池 遊戯の顔、本来ならのっぺらぼうのゴーレムまで俺の顔。
それらのモンスターはまだ良い、VRゲームダンジョンに出てくるモンスターの中にはドッペルゲンガーもいるからな、でも、倒すのをどうしても躊躇してしまうのは、ラノベのダンジョンモンスターは人間を見ると勝てそうに無くても襲い掛かってくるのに、ゲームのモンスターは敵わないと分かると逃げようとする。
血だるまで必死に命乞いをする俺、菊池 遊戯を見ると、どうしても止めを刺す手が鈍ってしまうんだよ。