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毎週千文字短編 4 無題

作者: 大谷乱介

 ねえ、この先、何があると思う


 しらねぇよ 次のステージ だろ?大人が言うところの


 そうじゃなくてさ、君は何があると思うかって話よ


 そうは言ってもさ、なんの情報もないんだからどうしようもないだろ楽園かもしれないしそうじゃないかもしれない。仮に間違ってたら俺は責任が取れない


 そっかぁ


 お前はどう思うんだ


 俺?俺はね、

 わかんない


 ほらいった。誰もわかんねえんだよ。悩んでも意味がない


 でもさ、結局俺らはいつかこの扉の先に行くんでしょ?考える意味あるんじゃない?


 そう言われればそうだけどさ、じゃあ逆になんで大人たちはそんなこと考えてないんだ?


 それは、、、、なんでだろう


 教えてやるよ。それはな諦めてるんだ


 どういうこと?何を諦めてるの


 あの先に何があるか、知る術はこの世に存在しない。考えても答え合わせが出来ない。そんなもののためにわざわざ考えてあげる時間なんざありゃしねえんだよ


 ……


 ほら、また一人きた


 お爺さん、大丈夫ですか?聞こえてます?止まれますか?


 ………


 ………



 行ったか


 行ったね

 不思議だね、あのお爺さんはどこからきたんだろう


 さぁどこだろうな。少なくとも俺たちの村のおじいじゃなかったってことだけはわかる


 見たことない服着てた


 都会の最先端のファッションなんだろ


 でもお爺ちゃんだったよね?そんな人が最先端の服、着てると思う?


 あぁもううるせえな。だまって仕事しようぜ


 でも不思議だし面白くない?どうせ門番も暇だよ


 はぁ、いいか、今からお前「でも、だって」禁止な


 なんで?


「なんで」も禁止


 どうしてよ


 うるさいからだよ。夏休み子供相談室じゃないんだ。自分で考えろ


 ……


 ……


 実はね、僕、この先がとっても怖いんだ


 そりゃそうだろう。誰だって知らない場所は怖い


 違う。知らないから怖いんじゃない。知ろうとしないのが怖いんだ。なんで僕らはこの扉の先を覗き込もうとすら思わないの?昔からそういう言い伝えだって、言い伝えがあるからやめるようなことなの?


 おい、馬鹿なこと考えてるんじゃないだろうな。いいか、好奇心は猫をも殺すんだぞ。九つ命がある猫でさえ、死んじまうんだぞ。


 それでも、僕はこの先に

 

 

 と言ったところで彼はあちら側を向いた。瞬間、ぽっという音と共にその場から彼は消え去ってしまった。

 

 はぁ

 

 一つため息をつき、門を一度閉じてから村の人に報告をしに行く。今度は好奇心のないやつを門番にするようにと。

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