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ピボット高校アーカイ部  作者: 大橋むつお
14/32

14『螺子先輩の正体・1』

ピボット高校アーカイ部     


14『螺子先輩の正体・1』 





 あれから、先輩の顔がまともに見られない。



 ほら、プールの壁が壊れて、その……不可抗力で先輩のお尻を見てしまってから。


 部活は一回あったんだけど、また、ポッペのケーキとか食べて喋っただけで終わってしまった。


 そのあとは二日続けて部活は休み。


 先輩も女の子だ、不可抗力とは言え見てしまったんだ、いちどきちんとお詫びを言って仕切り直しておかなきゃと思った。



 あ!



 そんなことを思いながら廊下を歩いていると、窓から旧校舎に向かっている先輩の姿が見えた。


 チャンス!


 階段を下りて、旧校舎に向かおうと思ったら、階段の途中で中井さんに呼び止められる。


 ほら、女子の保健委員が休みなので、僕が付き添って保健室に行ったクラスの女子。


「田中君、あの時はありがとうね。清水さん(女子の保健委員)は休みだし、あのままじゃ、教室で倒れてた。保健室の先生も、よくやってくれたって褒めてたし……」


「あ、いや、保健委員なんだし、ドンマイドンマイ(^_^;)」


 もう一言二言と思うんだけど、僕も旧校舎に急いでる。


 不器用な笑顔をのこして、階段の残り二段は飛び降りて旧校舎を目指す。



 ガッシャーン!



 明るいところから、急に暗い部室に入ったので、マネキンを引っかけて倒してしまった。


 部活中の先輩は、旧制服のセーラー服に着替えて、正規の制服はマネキンに着せている。そのマネキンを倒してしまったんだ。


 ウ……


 マネキンは、膝をついたうつ伏せの姿勢で倒れている。


 つまり、スカートがめくれ上がって、お尻が剥き出し(#'∀'#)……。


 え?


 脚の付け根に傷跡が……プール事件で見てしまった、あれといっしょだ。


 それまで、あっちの世界で見えてしまった時には、傷跡やあざとかは見えなかった、無かったんだ。



 じゃ、これは……。



「そんなに見つめるな、恥ずかしいじゃないか」


 斜め横から声がしてビックリした!


「せ、先輩!?」


 魔法陣のところに先輩が現れていた。


 ツカツカとマネキンに寄ると、スカートを直して腋の下に手を入れて持ち上げ、スタンドに戻した。



「見られたからには仕方がない、説明するから、そこに座ってくれ」


「は、はい」


「急なことで、お茶も無いが、辛抱してくれ」


「い、いいえ」


「実は…………」


「はい?」


「わたしは……ではないんだよ」


「え?」


「に……ではないんだ」


「え、えと?」


「人間ではないんだ」


「はい?」


「人形だ!」


 スポ


「ええええ!!」


 先輩は、両耳のあたりを手で挟むと、ヘルメットを脱ぐように首を外した。


「実はな、ボディーは二つあるが、首は一つしかない。そういう人形なんだ」


「あ……えと……首だけで喋られると、勘が狂います……」


「あ、そうだな……よいしょっと」


 首をはめると、手で360度まわしてから落ち着いた。


「…………(;'∀')」


「回さないと、ロックがかからないんでな。まあ、見慣れてくれ」


「は、はい……」


「一度に話しても、理解できないだろうから、少しずつな……わたしは、このピボット高校と同時に作られた。このピボット高校を基地として次元や時空の歪を直すための人形、アンドロイド、流行りの言葉ではオートマタかな」


 黒のミニワンピで、大剣を振り回す銀髪のゲームキャラを思い浮かべた。


「うん、そういう感じだ。ソウルはヘッドにあるんでな、時々ボディーを付け替えるわけだ。ボディーは二体とも同じ能力なんだが、そっちの方はちょっと前に痛めてしまってな、戦闘のときは、このボディー。日常生活はそっちと切り替えている。しかし、そっちは、日常の動作にも不具合が出てきたようで、こないだの水泳の授業では、よろめいて、鋲にあられもない姿を晒してしまった。そろそろメンテナンスだ」


「た、大変なんですね(^_^;)」


「他にもあるんだが、いっぺんに説明すると混乱するだろ。ま、おいおいとな」


「は、はい」


「騙して参加させたようで申し訳ない。鋲は能力が高いんでな、実は、最初から狙ってピボットに入ってもらった。これは、要の街……いや、日本、世界のためだ。如いては君のためにもなることなんだ、まだまだ疑念も疑問も解けないだろうが、よろしく頼む!」


 深々と頭を下げる先輩。胸当てのホックが外れていて胸の上半分が見えて……なんにも言えなかった。




☆彡 主な登場人物


田中たなか びょう        ピボット高校一年 アーカイ部

真中まなか 螺子らこ        ピボット高校三年 アーカイブ部部長

中井さん                 ピボット高校一年 鋲のクラスメート

田中たなか いさお        鋲の祖父

田中たなか ひろし        鋲の叔父 新聞社勤務


 


 

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