運命?信じねーよ!
【俺は栄井 祐輔 高2 サッカー部 好きな人なんていない。 そもそも運命なんて信じない派だ。
だって運命って科学的にもないって言われてるし、運命だ!とか言いながら分かれてる人だっているんだから。】
今日もいつも通りサッカーの更衣室へ向かった。
「祐輔!聞いたか?侑斗のやつ、付き合い始めたらしいぜ」
侑斗はバスケ部の1年のとき仲の良かったやつだ。
「まじかぁ みんなどんどん付き合い始めるよな〜 どうせ別れるくせに」
「そんなこと言っときながら、祐輔だって好きな人いるんだろ?」
羽羅人はニヤニヤしながら言ってくる。
「だからいないっつーの」
着替え終わった俺は羽羅人に言い返した。
「お前こそいるんだろ?好きな人」
「あぁいるさ!もうすぐ告るから」
「どーせそれでふられるんだろ」
俺は呆れて更衣室から出た。
そしてグラウンドへ向かった。
「それじゃお前ら俺は準備しとくから準備運動とランニングしといてくれ。」
サッカー部の顧問、市橋先生が言った。
俺たちは準備体操を始めた。
いっちーにーさんーしー ごーろーくしーちは…
なにか視線を感じた俺は横を振り向いた。
すると1人の女子がグラウンドの外にいてニコッと微笑んで来た。
俺は隣にいた大賀に話しかけた。
「なぁ!おい!たいが!(小声)」
「ん?」
「あいつ誰なんだ?」
「え?知らないの?」
「おう?」
「2年5組の大仲 奈美夢だよしらないの?」
「だって俺ら2組なんだぞ?」
俺は視線が苦手だ。全然集中できない。
「栄井!どこ見てるんだ!ちゃんとやれ!なんだ?あの子のこと好きなのか?」
周りのみんなが笑った。だが俺はそれもだが、先輩に怒られたことが一番ショックだった。
「ち、違います!」
あのやろう…腹が立つ
だがそいつは、キョトンとした顔でこちらを伺っていた。
早くどこかへ消えてしまえばいいのになぁ
気になるのを必死に抑えてランニングに入った。
いーちにー いっちにーさんしー
走ってる時は視線を感じなかった。
そしてちょっと見てみるともうあいつはいなかった。
ふぅ…
「どうしたんだ?さっきからみなむちゃんが好きになったのか?」
ったくたいがってやつは…
「そんなわけないじゃないか」
「そうとは限らん」
言い返したい気持ちは山々だったが、これ以上言うと、危ないので、やめた。
それにしてもさっきのやつ、なんだったんだ…
まぁ関係ない、クラブに集中しないと…
女子って生き物は何を考えているのか、俺にはさっぱり分からない