高岡先生、怒る
「彼の件なら私に任せてもらえないだろうか。」
高岡先生、お疲れ様です。
「有紀さん、ご無沙汰だね。」
お久しぶりです。
私は弱い人を助けるために精神科医になったのかもしれない
白衣の高岡医師はそう言った
麻友はそんな父の背中を追うように医師となり、帝都医大にやって来た。
「先生、彼に言葉の暴力を受けるようになったのは私が悪いんです。」
有紀さんは何も悪くはない。浮気も言葉の暴力も越川君が悪い。
ここだけで言うが、彼は有紀さんに助けてもらった。それも何度もね。
それを恩をあだで返す真似を私は許したくないだけなんだ。
彼がここへ来る気なら、相手になるのは私、高岡雄一郎だ。
「先生、有紀に何を吹き込んだんです?」
背後から声が聞こえる。黒いスーツの相棒刑事だ。
有紀さんは君に相当傷つけられた。君はそれをどう認識しているんだい?
それは、有紀が悪いのであって…。
浮気も有紀さんが悪いと言うのかい?
君はそんなところに疎いね。有紀さんに感謝はしても裏切りは行えないはずだろ!!
声のトーンは低いが、高岡教授が怒っているのは確かであった
低い声が怖く、逃げるように相棒刑事は病院を後にした




