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通りすがり
「片平先生、話を聞いていいかい?」
典紀の砕かれた心を修復するために手を差し伸べたのは山中人志医師だった
「山中先生…。」
彼は金髪に髭の山中医師にすべてを包み隠さず話した。
「アイツは寝て起きたら何を言ったかさえ忘れるやつなんだ。言い方も考えない。
それが一度言われたことは永遠に忘れない片平先生には心外だったんだろうな。」
そうなんです。彼は山中医師の言葉に涙を浮かべる
高岡先生には言わないでください。
「山中、片平先生はどこにいたんだい?」
医科大学の医局フロアーにいたよ。
「小杉は片平先生に言い方を考えないからな。」
山中医師も同意する
彼らは片平医師の性格をとことん理解しているのであった




