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鈴音の過去

私は虐待されていた。

殴られたり、蹴られたり、ご飯を抜かれたり。


時には性処理に使われたりもした。

前は無理だったから父親という名の男は後ろを使おうとした。

ただそれも小さすぎて無理だった。

だから口を使われた。

その頃の私はもちろん性に関する知識なんてなかった。

ただその時間はとても嫌だった。


そんな父親だった。

母親は今から推測するとどこかに浮気をしに行ってたんだろう。

それであんまり家にいなかったからそんなに暴力は振るわれなかった。

けど機嫌が悪い時はとことんいじめられた。


外面だけはいい人たちで服を着たら隠れるようなところをなぐってたりしていた。

そんな両親だったけど私は両親に依存していた。

まあ依存と言っても幼い子供が親がいないと泣くみたいなものだ。

好きだったといってもいいかもしれない。

今からするとどこをどうやったらあの二人を好きになれるんだと思うけどとにかく好きだった。

多分たまに機嫌がいい時になでたりしてくれるのがうれしかった。

おそらくそこを好きになったんだと思う。

そんな二人からの暴力は私の心を切り裂いた。


わたしはここにいていいの?

わたしはいらないこ?

わたしはわるいこ?

わたしは・・・・・


いろいろ考えた。

ただ両親の攻めに耐えるには私の心は幼すぎた。


両親からの暴力によって私の心は壊れかけていた。

私は二面性を持つようになった。

いわゆる多重人格というものだ。

と言っても私のは性格が変わるというだけのものだ。

幼い「わたし」は両親の虐待に耐えられる強靭な精神を望んだ。

何事にも動じないそんな精神を。

そうして出来上がったのが「私」だ。

私は感情の起伏が乏しく両親の暴力にも耐えられた。

痛みもほとんど感じなかった。

元の私のおどおどとした「わたし」が普段出ていて、

何事にも動じない「私」が虐待されたときに出てくる。

そうやって私は身を守っていた。

両親はそれを気味悪がって余計に暴力を振るってきたけれど「私」には耐えられた。




そうやって身を守っていたある日。

両親が殺された。

その犯人はべつに強盗でもなんでもない。

確か「ジャスティス」とか言ったかな?

何か正義気取りの病んでる人がどうやってか両親の虐待を知ってそれを正そうとしてきたらしい。

初めはその「ジャスティス」も話し合いで解決しようとしていたようなんだけどそんなふざけた存在の言うことを聞くような両親じゃなかったため暴力で解決したといったらしい。

そうこの人は解決したつもりだったらしい。

まあ確かに虐待している人はいなくなった。



「わたし」の前にはひとがたふたつ

これはなに

「わたし」のすきなひと?

あれっ?

「わたし」のすきなひとってだれだっけ?

「私」をいじめるひとたちで、たまに「わたし」を撫でてくれるひとたち

そのひとたちがしんでいる?

しぬ?しぬってなんだっけ?

もうなでてくれない?

あれ?

撫でられたのは「私」だったっけ?

「私」「わたし」

「わたし」「私」

「私」「わたし」

.

.

.

.

.

わたしは     だれ?

そういえばあおばくんが「おれのものにしてやる」っていってたっけ

そうかわたしはあおばくんのものなんだ






その時から「私」が普段出てくるようになって、何かの拍子に「わたし」が出てくるようになった。

私は一時期「青葉様」と呼んでいたがそれは変だと言われたので「青葉」と呼んでいる。

せめて「さん」とかをつけようと思ったけど青葉様が「青葉と呼んでくれ」と言われたので私は心の中でのみ「青葉様」と呼ぶことにしている。


私の存在意義は青葉様のものであることであること。

だから私は青葉様の役に立たなければならない。

私は役に立つために様々な努力をした。

そのために勉強も頑張った。

まあ私にとってはそんなに難しくはなった。

幸い私の頭の出来は良かったようだった。

私は両親が死んで親戚の人に世話になっているので本来高校には行けないはずだった。

ただ奨学金制度のおかげで青葉様と一緒の学校に行くことができた。

将来青葉様が職に困っても大丈夫なように青葉様を養えるように就職についてもちゃんと調べた。

いろいろな資格を取ることができた。

これで何とか青葉様の役に立てると思う。

いや役に立つ。





私は青葉様のものなんだから。





青葉君の俺のものにしてやるっていうのは照れ隠しです。

それが一人の女の子の人生をこんなに変えるとは思ってなかったでしょうね。

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