茶坊主の一生
掲載日:2026/08/25
静かな街の片隅で、誰にも気づかれずに自分の歩幅で生きる小さな存在の息遣い。
都市の片隅で、静かにただ「今」を生き抜く存在を描いた詩です。
朝のひかりが届かない室外機の陰で
生まれた時から僕らの声は低かった
誰にも知られず刻むリズム
アスファルトの隙間から伸びる雑草の芽
スマートフォンの画面を滑る指のように
僕らは街の輪郭をすばやく擦り抜ける
満員電車が運ぶ誰かの退屈と
ビル風が吹き抜ける午後の沈黙
夕暮れの街灯が点灯する瞬間
羽根を広げてほんの少しだけ跳ぶ
大空を目指すわけじゃない
ただ目の前の柵を越えるために
夜の静寂がビル街を包むころ
爪先を丸めてそっと目を閉じる
名前もなく影のように生きて
星の欠片のような夢をひとつ抱きしめる。
【了】
都会の片隅で、静かに、けれど確かに生きる小さな足跡を描いてみました。大それた夢じゃなくても、自分だけの小さな希望を胸に、今日を越えていく誰かに届いていれば嬉しいです。
(最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ゆっくりお休みくださいね。)




