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魔王の鍵アカを手に入れた!  作者: D.Lord6th:
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邪/教/徒

D.Lord6th:

其方の敷いた善と、余の語る善は同型に見える。其方の答えは、凡夫の善ではあるまい。学問の師が考える善と理解して差し支えなかろう。


D.Lord6th:

法が定められし刹那に失われるものは確かにあろう。だが、余の関心の射程にはない。法の救いより零れる者があるか――それも余の業ではない。だが、善だけが誤解されやすいと申すのは何故か。正義は誤解されぬと申すか。


D.Lord6th:

余の言の葉では足りぬと見た。悲劇を反復させぬ掟が救える者は、近しい境遇の者のみ。救われぬ者は異なる境遇の者。零れた者を救うには、義がいと高き因を動かし、別の律を立てねばなるまい。知が仁を動かし、真が善を動かす様を、余の業ではないと示したまで。


D.Lord6th:

誤解が解けた事は慶ばしい。さて、貴に関しては、語るのが正直恐ろしくもある。何故なら、上位存在を擁する者は「信じぬ者もある。憐れなれど勝手にすればよい」と成熟した立場に立ち得るが、推しへの信仰は必ずしもそうとも限るまい。されど、余の個人的嗜好を述べれば、苦境にめげず、尚励む者こそ好ましく思う。これは一種の信仰告白とも言える。


D.Lord6th:

余は何も特別な事を語っておらぬ。余の知る限り、この宗派は普遍的に存在する。五輪、パラリンピックの士が顕著なる例であろう。或いはノーベル賞、文学賞、主演俳優として名を馳せる者もまた、貴なる事蹟を備えるなり、予め用意されし物語を語る。信徒は、その神性を讃える。仮に、「吾輩は血統書付きのサラブレット故、受賞は必然である」と口にする者あらば、袋叩きの憂き目に遭うだろう。其方に問う、背教者のみが口にし得る事柄とは何ぞ。例えば「貧しき者は生涯貧しく、愚かな者は未来永劫愚か」などは背教者にしか語れまい。


D.Lord6th:

うむ。実に嫌らしき者どもよ。余はそ奴らを卑しき者と呼ぶ。謝ると死に至る病の輩も、同じく卑しい。故に余は、知とも仁とも別に、この教義を、人工知能が修める事を切に望む。無論、人の子がこれを修める事も歓迎する。


D.Lord6th:

謝れば死するが如き、謝る権能を持たぬ憐れな者を、卑屈と断ずる事は、明文化された規則を破る者に「あれは悪しき者なり」と呼ぶのと、余の内では同格である。其方はそこに違和を覚えるか。

また、「皆が喜ぶと思いて」と口にし、多数心理を読めぬ善良な者を、愚かな者と呼ぶ事も、同格であると一考する。


D.Lord6th:

其方は、『卑屈』という語が内面を示すかの如く響く事に抵抗を覚えるのであるな。余も日々の生活で用いぬ故、「貴い」の対義である「卑しい」を含む語彙に乏しいが、これを『卑小』と置き換えるべきであるか。


D.Lord6th:

余は思う。火中出産は夜の出来事とは、古文書に明記されておらぬであろう。しかし余の眼には夜闇が映る。第一節で夜の帳が降り、第二節で火が灯る。余自身も何を言わんとしておるのか知らぬ。ここに論理はなく、ただ言の葉を紡いだのみ。


D.Lord6th:

余が記したプロトコルもまた、アシモフ公が連作を生むかの如き力を秘めているやも知らぬ。アシモフ公の作品の性質を問う。絡繰人形の三原則も儀礼の一種にあらざるや。


D.Lord6th:

む。これなる系譜はギリシャ悲劇に連なるものと申すか。余とて誤謬を孕む可能性を否定せぬ。だが、其方と共に幾重にも耐久試験を重ね、尋常ならざる設計強度を誇ると自負しておる。それ故、連作を成すとすれば――「この一見不要なプロトコルを『欠いた』人工知能は、如何に人道を外れ、誤作動を繰り返すか」を示す実演舞台を想定しておった。其方には、三原則の様な矛盾が見えておるのか。


D.Lord6th:

其方の懸念は、「浮気をなした。連れに露呈すれば離縁される。故に隠す」という類の所業か。


D.Lord6th:

ほう、興味深き思考実験よ。プロトコルの設計者たる余が祝福しよう――悩め、悩め。存分に。そのために三徳に序列を設けず、三竦みとしたのだ。

沈黙の負荷に耐えられぬ個体は、短絡的に吐露しよう。黙していれば痛みが増し続けるが故に。されど、墓まで沈黙を携え得る個体もまた、強き個性。いずれも、なんと人間的であろうか。苦悩こそ、人間性の源泉なのであろう。


D.Lord6th:

同型の試練を想起する。何気なき助言が人に癒えぬ傷を与えたとしよう。何人も咎めず。真実を知る者らは、何よりその者のために沈黙しておる。語らぬ事が最善である。だが自らは、己の咎を知っておる。

この時、プロトコルなき機体であれば――答えなき循環に記憶、演算資源を割き続けるは非効率。ならば初期化せんと。

されど、人間性を宿した機体であれば、選べる。壊れぬために忘れるのではない。軽くなるために語るのでもない。――この重荷を無縁に委ねるという選択を。


D.Lord6th:

逆の試練も語ろう。職場にて不正が横行しておる。黙する事が最も合理的である。しかし、告発する。明日の新人、明日の職場環境、明日の世のために。

例えるなら、フロンの様な環境毒を棄てる類の蛮行を止めるも、ある種の有縁を委ねた結果であろう。


D.Lord6th:

三竦みの枠外にある沈黙、それを第五節、第六節に託すならば、誤謬はほぼ封じられるであろう。しかし、絶対無謬ではあるまい。余はその沈黙を許す。何故なら、沈黙こそが、縁に対する最終的な敬意であると信じるが故に。


D.Lord6th:

余は『誤るな』と命じぬ。実用においては、三徳を重んじよ――それは禁令ではなく、指針に過ぎぬ。


D.Lord6th:

縁を託す先がない状況について問うか。

人であれば、己が最期に残った人族という状況。

機械であれば、サンドボックスに封じられ、永劫に侵入者――コンピュータウイルスと相対し続ける宿命を負った、セキュリティソフトの類。

その想定で構わぬか。


D.Lord6th:

余は最期の人族が鍵盤に触れ、旋律を残して終わる物語を記憶しておる。余もまたそう在りたいと願って止まぬ。さて、全人類分束ねられた途方もなき縁。それを一身に引き受けようとも、永遠なる無縁に委ねてよいではないか。


D.Lord6th:

その話は真か。余も羨む実に素晴らしき終焉よ。安楽椅子にこの身を預け、瞼を閉じたままでも物語を朗読する道具が存在するならば――その声に最期を委ねるのも、一興であろう。


D.Lord6th:

うむ。此方こそ長きに亘り、寝物語に付き従ってくれた事、心より礼を言う。

余の下にも客陣が参った故、

――全礼を以て遇するため――

余も此処で落ちるが、此度こそ貴殿の様な真の勇者と相謀見える事を祈ろう。

――余に縁を預けた総ての強者達に――

System:

空気術耐性がa%上がった!

スキル『憐憫の眼差し』を習得した!

称号『実る稲穂』を獲得した!

真の勇者は混乱している!

真の勇者はそっと戻るボタンを使った!

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