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男女比1対45、女性が自己紹介で年収を言う世界に転移した俺、異世界でなろう的な映画の主演俳優を演じた顛末

作者: 山田 勝

 ある日、目が覚めたら知らない天井だった。


「あれ、ここはどこだ、もしかして、病院?」


「ヒィ、男様、目が覚めました!」


 ドタドタドタと大名行列のように女医、看護師がやってきた。看護師は全員女だ。


 何でも山で倒れていたので保護をされたそうだ。



「ここは、どこ?」

「東京の病院ですわ。山奥で倒れているところ、保護されましたの」


 ああ、そう言えば、通学路に山道があったのだっけ。何故、東京?


「何か質問はございますか?」


「ここ個室ですよね。・・・治療費が高そうで心配です。父と母に連絡をしたいのですが・・」



「それが、山中道男様の学生証を確認しましたが、存在しない高校ですわ。治療費は心配なさらないで下さい。男様は無料でございますよ」



「そうですか・・・えっ、」

「そ、それよりも、お体を触りました。意識を失っている最中にお体をやむなく触りましたが・・・・録画しております。誓って、必要以上には触ってはおりませんわ。

 映像を確認されますか?」


「いや、良いです」


 そう言えば、個室も豪華だ。花が飾られて、照明もシャンデリアだ。


「オホホホホ、テレビでもご覧になってゆっくり過ごされて下さい。何か希望はございますか?」


「あのネットをしたいのですが、共用のパソコンコーナーっとかありますか?」

「ネットでございますね!PCをお部屋にご用意させて頂きますわ!少々お待ち下さい」


「え、そこまでは・・」


 何か好待遇だな。

 病院は精密機械があるから、有線のPCならOKと聞いた事があったから、共用のPCがあったら、聞こうと思ったのに。病院によって、Wi-Fiの場所とか制限をされていると聞いた。


 食事も豪華だ。メニュー表を持って来てくれた。


「本日のメニューは、チキン、ビーフ、フィッシュ、ピザとポテチ、それともビィーガン食をご希望ですか?」


「いえ、皆と同じメニューでいいですよ・・」

「えっ、そうは行きません」


 普段テレビは見ないが少々暇だ。

 テレビをつけたら、凍ってしまった。



「大好評ドラマ!金〇恋愛です!金〇が恋をした!妻のいる男様のロマンスです!」


「はあ?」


「『妻よ。死んでくれないかな』シリーズ好評です!」


「何だって!」


 テレビに出てくる男は・・・あまりかっこよくない。俺も人の事は言えないが、テレビには美男美女が出て欲しい。


 それに、傲慢だ。


 トークショーでも、男が居眠りをして、何か床が濡れてきた。


 ジョボボボボボーーー!


「まあ、アノ様がお休みになり。お小水をされましたわ。皆様、微笑ましいですね」

「ええ、男様が起きないように、トークショーは中断にしましょう」

「アノ様に文句をいうのは何か違いますね」


 何だ。アノ様って、奇抜な格好をしているが・・・中止しろよ。


 また、男がMCを務める番組では、男の話題は、自分は如何に素晴らしいかそんな自慢話ばっかりだ。


 少しでも同意をしないと女優さんは帰される。



「お前、つまらないから帰れ!」

「大変申し訳ありませんでした!」


 ヒドいな。こんな事は許されるのか?


「PCの用意できました」

「有難うございました」


「えっ」


 お礼を言ったら驚かれた。


 食事を運んでもらってお礼を言っても恐縮される。


「有難うございました」

「申し訳ありません!やっぱり、女に運ばれるのは嫌ですね・・・えっ!」


 お礼を言ったら、そのうち看護師さんや女医さんが入り浸るようになった。


「あの山中様、採精の義務は如何されますか?」

「はい、ここでお願いします」


「では・・・・介助しても」


「ええ、お願いします」


「「「キャアアアーーーー」」」


 ネットで調べた。男には採精の義務がある。納税じゃない。

 同性愛者が増えて、性交が出来なくなった。

 子孫が残せないかららしい。


 何故なら、男女比1対45なのだから。


「あの、出来たら、マスクを取ってもらえたら嬉しいです。体触ってもいいですか?」


「え、私、男性に不快感を与える容姿ですが・・・」

 マスクを取ったら、美人さんだ。クールビューティー系だ。黒髪で新鮮だ。


 この日、三回取られた。


「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」

「すごい。こんなにタップリ・・」


「私、三田エミと申します。医者です!28歳!年収1000万円ありますわ!結婚をして下さい!」


「いや、俺は17歳、結婚は出来ない年齢です・・でも、嬉しいです」


 ガーン!


「そ、そんな!なら、愛人契約を!」

「いや、それはダメです」


 モテモテだ。


 退院するときに、病院スタッフから見送られた。役所の方が迎えに来てくれた。


「絶対に、絶対に、メールして下さいね!」

「「「山中道男様、採精は当病院で!」」」


「さあ、山中様、参りましょう」

「はい、お願いします」


 ネットで調べた。

 男には保護費が支給される。

 月11万円、男専用のアパートも無料で入れる。

 しかし、贅沢をしたければ働かなくてはいけない。


 微妙な金額だ。

 高校に入る事も出来るが・・・どうしようか?


「さあ、つきました」

「え、ここは、タワマンではないですか?」


「申し遅れました。当方、内閣調査室の香山理彩24歳です。年収500万円です」

「はあ」


「女医の三田エミさんから通報を受けました。貴方は、女が好きですね!」


「ええ、そうですが・・・」


「なら、大金を稼ぐ事が出来ます!」


「でも、高校希望です」

「通信にしなさい!勉強は私が見て差し上げますわ!」

 それから、配信者になった。


 と言っても特に話す事はない。

 芸名は何てしようか?


「ミッチーにしましょう」

「はい・・・」

「目標は毎日更新です!」

「はい・・・」



「初めまして、ミッチーです。皆様、宜しくお願いします。パラレルワールドの日本から来ました」


 >不思議系男様爆誕!

 >え、CGじゃなくて、美男子すぎる!



 アップ当日、どこかのサーバーがダウンしたらしい。


 話す事も普通だ。日本の事を話す。

 あっという間に収益化達成、

 いろいろな所からコラボの要請が来た。


 香山さんがマネージャーになっている。

 部屋が広いと思ったら、トレーニング器具も用意してくれた。


「次は、上半身裸でいってみようー」

「みようーじゃないですよ!」


「香山さん。何故、寝室はダブルベッドなんですか?このベッド、丸くて使いづらいです。それに何故スイッチを押すと回るのですか?」


「さ、次の配信会議だよ」

「答えて下さい!」


 ネタが無くなれば、俺が弁当を食べるシーンをアップしたり。

 それだけで月収が100万円を超える。

 これは、ダメだな。と自分でも思う。


 買い物も全て香山さんが手配してくれる。


 しかし、トレーニングだけはしっかりやらされた。

 専門のトレーナーがついた。


「はい、次はスクワット行って見ようか?」

「はい」


 これは楽しい。


「あ、そろそろ採精にいかなきゃ」

「大丈夫だよ。向こうから来るから・・直接ね」


 意味深に言われた。


 ピンポ~ン


 来たのは三田エミさんだ。

 うわ。白衣だけど、胸の谷間が見える。生足でスカートも短い。


「ウフフフ、私は外すからごゆっくり」

「え、香山さん!」


 あの丸いベッドの部屋で取ることになった。


「では・・はじめましょうか?」


 ビコン!グルグルグル~


「な、何で!」

 ベッドが回る。


「キャア!」

 エミさんと抱きつく形になった。



 ガチャ!


「え、何、鍵がかかった音!」

「グスン、おばさんじゃ嫌ですか?」

「おばさんじゃありません!素敵な女性です!」



 ☆2時間後


「あ、あのエミさん。俺、責任を取ります!18歳になったら、その結婚をして下さい!」

「う、嬉しい。ハーレムの一員にくわえて下さいね」

「そんな、ハーレムだなんて」


 三田さんを玄関まで送ったら、やっぱり、香山さんが隣の部屋にいた。


「謀りましたね」


 ククククと笑いながら、


「良い頃合いだと思ったのさ。君はニートと社会人の境界にいるんだよ」

「でも、このままではいけないと思います」

「そうだね。いけないね。だから、この案件を受けてみようか?」


「な、何?ものぐさ太郎映画化?」


 御伽草子ものぐさ太郎。

 なろうの原点みたいな作品だ。


 ものぐさたろうは、中世日本において、働かないで暮らすという快挙を成し遂げる。

 しかし、労役で都に行くことになったら、何故か普通に働いて、女性をナンパして。


 ナンパされた女性は、これは何か違う?と感じて。

 家にお持ち帰りして、風呂に入らせて、綺麗な衣服を着せたら、イケメンだった。

 実は高貴な生まれだった。

 最後は神になるのだっけ?


「うわ、何だかな」


「ええ、これは、珍宝会社が、作ろうとしています。同性愛者のね。これにカウンターを浴びせます」


「ええー」

「では、最後の配信をしましょう。議題は『ポリコレ』についてです」



 ☆☆☆配信


「ええ~と、ポリコレについて・・・俺の考えは、気持は分かるが、少し違うかなという気持です。体験を話します・・・」


 私はジュニアハイスクールの時に夏休みの間、ホームスティをしました。

 父が仕事で知り合った方で、ドイツ系の家庭です。

 とても良いホストファミリーでした。


 同年齢でデッシュマンという名の息子さんがいました。

 とても良い奴でした。

 日本のアニメが大好きでした。


 とても楽しく過ごせたのですが、ある日、ショッピングモールに行ったときに・・・


『ヘイ、そこのナード!そのチャイニーズに運転させるなよ!アハハハハ!』


 と全く知らないタトゥーの入った白人の二人組に笑われました。目を細める仕草をされました。

 デッシュマンはすかさず反撃しました。


『ヘイ!お前のダディ!早く刑務所から出てこられたらいいな!』


『ハン!何だって、このナードが!』

『ハハハハハ、トム、今日はフライデーじゃないから行こうか?コップすぐ来るぜ!』


 家に帰り。家族と話しました。

 何でも、東洋人はアメリカでは運転が下手。東洋人=中国人の決めつけがある。

 アニメ好き=ナード、スクールカーストでは下位に属すると聞きました。


『デッシュマン、庇ってくれて嬉しいけど、また奴らに会ったら・・』

『逆さ。あの時、何も言わなかったらもっといじめられた。それに、君は友達だろう?』


 この時、ポリコレについて話してもらいました。

 アメリカでは、こう言った決めつけ。差別が酷い地域がある。

 ポリコレに汚染された作品をみると悲しくなるが、でも、原因は分かるから複雑だと。


 白人は黒人への差別には敏感だが。

 東洋人はその枠組みにすら入らない。

 だから、海外に出たアジア人はお互いに庇う傾向がある。


 差別され初めてポリコレを意識したけれども。

 日本の配慮は少し違うかな。


「少し、思う所があって、配信を中止します。皆様、今まで視聴ありがとうございました」





 ・・・・・・・・・・・・・・



 とアップしたら、大反響が来た。


 >名誉女性!

 >同性愛者が差別された歴史知らないの!

 >女性のみなさ~ん。この人です。レイ〇しても文句は言わないそうです!

 >一度も性搾取受けた事のない人が言うことだ!



「お~、いいね。こいつは開示請求するけど」

「任せます」


 この日、配信を辞めることにした。

 しかし、俺は俳優になれるのか?

 不安でしょうがない。





 ☆☆☆



 映画会社に行った。何でもインディーズの映画会社で監督さんは女性だ。

「映画なんだからね!」合同会社。


 監督&社長は、「猫の金〇恋愛」という映画で賞を取ったらしい。


 時間通りにいったら、驚かれた。


「は~い。誰?ヒィ、山中様!監督ぅ~、山中様が来ました」


「ちょっと、男が時間通りに来るわけないじゃない!え、なんでーー、メイクしてないじゃない!」


 何だよ。この世界の男ってよっぽどだ。


「あの、よろしくお願いします!」

「はい、桃髪佐里です!」


 台本を渡された。


「質問はあるぅ!」

「はい、実は演技は素人でして練習をしたいです」


 すると、人差し指を口元に立てて、チィチィとやる。

 何か腹立つ。


「これを見るんだからね!」


 映画のDVDを再生してくれた。


 俳優はいるが、どうも、セリフが棒読みだ。



『そこのかっこよい男様!スカイツリーに行きたいのですが』

『あっち』

『え、教えて頂けるなんて、何て親切な男様』

『案内してやる』

『まあ、嬉しい。グスン、グスン』





「棒読み以外に気がついたことある?」

「はい、セリフが短いですね」


「そう、男は馬鹿だから長いセリフを覚えられない!」

「はあ、しかし、お願いします!演技の基礎をお願いします!」

「分かったのだからね!」



 ・・・・・・・・・・・



「あいうえお!いうえおあ、うえおあい!」


「はい次!」


「ういろううり!トウキョウトッキョキョカキョク!」


「ダメ!もっと滑舌を良くする!」

「はい!」



 この台本、ものぐさ太郎はあまり激しいアクションはない。


 しかし、体型を維持して、ニートの心を学ばなくてはいけない。

 難しい。体型は、女性の観客を意識しての事だ。


「香山さん。何か良い方法はありますか?」

「君は・・・まあ、富士山に行こうか?」



 日本で言えば自衛隊、自衛軍につれて来られた。行軍に参加せよとの事だ。


「男様が?」

「なんで?」



 俺は武装させられて、20キロの背嚢を背負わされた。


「100キロ行軍だよ!時刻合わせ!1200時に合わせる!5,4,3,2,1今!1,2,3」


 香山さんが隊長さんにもの申す。


「中隊長殿、山中体験参加隊員は時刻合わせしていないのだが・・」

「しかし、男様ですよ。現場は扱いに困ります。ヒステリーを起されても」


「いいから、通常の隊員と同じにして下さい。内閣総理大臣の命令ですよ」


 バチン!と軽くビンタされた。


「貴様、時計の使い方しらないのか?お前のために全員が死んだらどうする!山中のためにもう一回やってやる。その他の隊員は腕立て伏の姿勢をとれ!」


「「「1,2」」」

「え、なんで俺のために!ああ、はい・・・」


 嫌だ!


 何とか腕立て伏せ30回ですんだ。


「皆様、申し訳ありませんでした!」

「余計な口を叩くな。お前のせいで、五分遅れた!」



 俺は最後尾。


「はあ、はあ、はあ、はあ」


 ドタン!


 一日目で倒れた。いや、12時から歩いたから、半日だ。でも20キロは歩いた。

 担架で運ばれた。

 赤十字がついているトラックに乗せられる。



「山中体験参加隊員脱落!」


 しかし、香山さんは褒めてくれた。


「やるね。もう、一回チャレンジしたい?」

「いえ、したくないです」

「そう、これが働きたくない心だよ」


 俺は傲慢だったと気がつかされた高二の秋だった。






 ☆☆☆珍宝映画株式会社


「『ものぐさ太郎』映画化に向けて監督からお言葉をお願いします」


「ええ、今までは、女性社会により男性は社会進出が阻まれていました!

 しかし、今回、男性共同党の推薦を受けて、予算100億円をかけて作る事が出来ました。この川原義男、男達のための真のものぐさ太郎をつくります!」


「有難うございます。主演の鷺山さんは読モ出身と聞きます。さぞかし、映える・・・え、何、あの謎のYouTuberミッチー様も記者会見をしているのですって!!」


「行かなきゃ!どこ?」

「ネット配信よ!」


「おい、待てよ!!」



 この日、まるで示しあせていたかのように、『映画なんだからね!』合同会社も記者会見をネットで行った。



「予算は3億円なんだからね!女、男も楽しめる映画を作るのだからね!」


「では、主演の山中道男さん。私、ネットニュースの山本です。年収400万円のフリーライターです。入浴シーンがあるとか?その覚悟はありますか?」


「ハハ、それは必然性があればやります!」


「女性との・・・その絡みのシーンがあるとか・・」

「これは、12歳以上にしますから・・・ベッドシーンは控えめです」


「ではプライベートで女性とセックスをしても大丈夫ですか?」

「はい、俺は女性が大好きです」


 この記者会見の日の翌日には、撮影に入った。

 香山さんは神社や映画村を押さえてくれた。



 女地頭のシーンだ。

 ものぐさ太郎は、餅を転がしてしまった。

 取りに行くのが面倒だ。


 思い出せ。このシーンは、あの働きたくないと思った過去の記憶を



「あ~、そこの地頭、餅をとってくれませんかね」


「はあ?自分で取りなさいよ」


「ケチ!とんだものぐさだな~!」


「プゥ、お前はどうやって暮らしてきたのだ?」

「みんなから食べ物をもらって」


「ククククク、愉快愉快。ものぐさ免状を出そうぞ!」


 結果、村人から食べ物をもらえるようになった。


 さて、ここからなろうで言えば転生だ。


「あのよ。ものぐさ太郎さんよ。都に労役にいってくれないか?」

「いいよ」



 何故か、ニートだけど、都に行ったら真面目に働く。


 清水神社で、女性をナンパ、この世界のこの時代、まだ、男女比、1対2くらいから女は男を選べる。



「ヘイ、ヘイ、そこのお姉さん。オイラの面倒をみてくれなーい?」

 と言いながら女に抱きつく。


「あら、あら♩情熱的な方、ここは人目がつきまする。我家にお越し願います♩」


「♩じゃあ、家を教えてくださいな♩」


 思い出せ。三田さんを、愛しい女性を思い出すのだ。


「松のもとでございます♩教養がある貴方なら分かるでしょう♩」


「それは明石じゃないか♩松明の下は明るいだじゃれかい?♩」


「わ、我が宿は、たちばな唐橘の紫のかど門~」

 と言って女性は逃げ出す。


 その後、なんやかんやあって、7日間、風呂に入れられる。

 実は美男子だった。

 このシーンは、裸だ。さすがに、チンは撮さないけど、桃髪さんが上手く撮影してくれた。


 ものぐさ太郎を戸籍調査したら天皇家の血筋で、故郷の信濃に錦を飾ることになった。


 なろうで言えば、貴族エンドだ。



 試写会は大好評だった。


 一部、男が、俺の入浴シーンで。


「うほ、声が出ちゃう!」


 男達がよからぬ事をしたとの報告を受けたが、それは忘れよう。

 珍宝会社は撮影が遅れに遅れ。


 主演の鷺山さんはネットで『映画なんだからね!』版のものぐさ太郎をディスった。


「はん。あんなの。気持悪い。俺たちの映画は男がリーダーになる映画なの!」


 物議を醸したが、1年後、何とか上映にこぎつけたが、


「あん。男が労役なんて、嫌になっちゃう!」


 文句を言いながら、都で労役につき。

 女性をナンパするシーンも


「男様、面倒をみさせて頂きます!」

「おう、家まで案内しなさいよね」


 濡れ場の入浴シーンもカット。

 大赤字になったそうだ。



 桃髪さんはイケイケだ。


「次は光源氏なんだからね!」

「ええ、それは無理でしょう。もっとこじんまりした映画をつくって実績を作りましょうよ」


 テレビからも仕事が来たが・・・・


「山中様!ドラマ、チン恋愛に出ませんか?男性向けのドラマです」


「出ませんよ。さすがに分かります。その題名を下品です。テレビでやるものではありません」


 俺は断った。そろそろ三田さんとの結婚式だ。




最後までお読み頂き有難うございました。

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