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ダンジョンで荒稼ぎ

 サユリアと2人でオーガファイターを次々と狩って行く。手が空いた者が、ダンジョンに吸収される前に骸から魔石を取り出す。


30分戦っては1時間休憩の繰り返しだ。


「休憩にしよう」

「はい」



時計は作らなくても魔道具としてこの世界にもあったので買っておいた。携帯用は元の世界の懐中時計みたいな物だ、これも前勇者達の考えたように思える。


冷たいハーブティーで一息つく。魔石は200個ぐらいは貯まっただろう。上出来。


「こんなに集めて何に使うのですか?」


「エクスプロージョンが発動する魔法陣、というか巻物を作ろうと思ってさ」


「オーガファイターの魔石なら大爆発というわけではありませんね」


「そこがミソさ。魔物に使って素材をダメにしたくないからね」



「……ドリル弾に使うのですね」


「サユリアは頭が良いね。それに上位の魔物は状態異常を無効果する者が多いだろ、その為でもある」


「お腹や頭の中が爆発でグチャグチャですか、恐ろしいです」


「ふふ、あと一回戦ったら今日は帰ろう」

「はい」




ーーーー



街に戻り道具屋で巻物用の紙を買う。1枚銀貨3枚だ結構な値段がするが100枚買った。宿で巻物作りの内職が待っていると思うと気が重い。



興味津々のサユリアが観てる中、買った紙の上にオーガファイターの魔石を置く。先ずは魔石の魔力を紙に移さなくてはいけない。


「フィクセイション」


魔石から魔力が無くなったのが判る。


「次は紙にエクスプロージョンを発動させる魔法陣を描けば良い」


俺は買ってきた錬金術書を開き魔法陣の術式を確認する。


「なるほど、バックドラフトに似たような理屈だな」


紙に手を翳し魔力を練って焼き付ける様に描いていく。


「よし出来た。これを銅筒に丸めて入れてドリル弾の後ろにつければ出来上がり」


指示をしたわけではないが、サユリアがせっせと俺が作った紙を銅筒に入れていく。



「これぐらいで良いだろう」

「50個出来ました」


「そうか。それじゃ回復、魔法障壁、それとアンデット用に光属性のも少し作っておくか」



巻物作りの内職はまだまだ続く。……やっぱり普通に魔法が使えた方が良かったかも。




ーー


昨日は遅くまで巻物を作っていたので遅めに宿を出る。




「今日は地下60階で様子を見てみよう」

「分かりました」



このダンジョンは今までに2回クリアされている。最下階は80階でボスはレッドドラゴンだそうだ。


煩わしい事になるのでクリアはしない。大物を倒して、ある程度のまとまった金が入ればいい。



ーー



無になっている俺達の前に現れたのはミノタウロスだった。斧を持った筋肉隆々の魔物は、ノッシノッシと俺達の前を悠々と歩いている。


ミノタウロスの肉は美味しいとされている。あまりグチャグチャにしたくないのでドリル弾を2つ撃ち込む事にした。


俺の創った無の空間から、エクスプロージョンの巻物が入った銅筒を下げたドリル弾が左右の脇腹から食い込んで行く。



「グモッ!」


繋がっている糸に魔力を流すと巻物が発動した。


[ボフッ]


「あっ!」


思わず声をあげてしまった。ミノタウロスは腰のちょっと上の所から上半身が飛んで真っ二つに……。



「オーガファイターの魔石だと威力が有りすぎだな。ゴブリンかオークで良いかも」


「そ、そうですね」


「今回は仕方ない」



それからはドリル弾は1個にしてキマイラ、ネクロマンサーなどを倒しながら下階に進んで行く。



地下75階で出会したのはヒュドラだった。なかなかの大物だ。


え~と、どうやって倒すんだっけ?確か神話では真ん中の首は不死身で他は切っても再生してふえるんだったよな。同じかどうか試してみないと判らないが、無の空間に入れれば再生しない可能性がある。


取り敢えず全部の首をふっ飛ばすか。


「サユリア、全部の首を吹き飛ばして無の空間に入れるから身体から魔石を引っこ抜いてくれないか」


「解りました」


9個のドリル弾を首へ食い込ませ爆破。首がボトリ、ボトリと落ちていく、直ぐに無の空間に入れる。再生はしない様だ、本体も動かない。頭を無の空間に入れると動かなくなる?もしそうなら、これは使えるな。



人間でいうと肝臓の辺に魔石があるのだがヒュドラの身体は大きいので、とどかないサユリアは土魔法で階段を作って登っていく。


サユリアがヒュドラの右脇腹に剣を刺して切り裂いていく。

サユリアが腹に手を突っ込み捻ると[ゴリッ]と音がした。


「取れました」


血だらけなサユリアが30cmくらいの大きな魔石を持ってニコニコしている。


なかなかシュールな映像だ。


「無の空間から首を出したら生きかえるのかな?」

「魔石が無いので、それはないと思いますが」


「一応は警戒してね」

「はい」



切り裂かれた胴体の前に首を全部置いてみる。



「緊張するな」「……」



「やはり動きませんね」

「神話とは違うようだ」

「どんな神話です?」


「え~と、神話というより俺の村の言い伝えだよ」

「今度、聞かせてくださいね」

「ああ、いいぞ」





ーーーーーー




それからは2日かけて、ミノタウロスを15頭、キマイラを20頭、プラチナゴーレムを5頭、ヒュドラを2頭を倒しグラチェオーザの街に戻った。


そして金になる魔物の他にも良いものが手に入った。ミスリル鉱石に加え、クロム鉱石、モリブデンとタングステンの鉱石を見つけられた事だ。これで強力な武器が造れるので言うこと無しだ。


しかし大物を倒しまくったお陰で俺とサユリアのレベルもハネ上がった。


俺はレベル32でサユリアは34になった。……もうレベルは気にしない事にして、リドンの街に戻ってディライト王国を目指す事にする。




「待てよ……ディライト王国は今は大変なんだよな、獣王国で魔物のを売っておいた方がいいな。あっ!」


「どうしましたユタカ様?」

「俺達はCクラスだよな」

「そうですが?」


「Cクラスの奴がミノタウロスやキマイラを簡単に倒したというのは如何なものか……」


「それもこんな大量に、説明が思いつきませんね」


「そうなんだよ、何かいい考えは…………これだ!!」

「ユタカ様?」




ーー



リドンの街の冒険者ギルドが暇になる時間を見計らって1番奥の窓口に行く。


なるべく目立たないように小声で……。


「相談したい事があるのですが」と言って、ラウダさんから貰った銀貨を受付嬢にみせた。


「こ、これは。暫くお待ちください」


折れていたネコミミがピンと立つのと同時に受付嬢は席を立ち、直ぐ横の階段を上がっていってしまった。



失敗したかな?サユリアと目があった。サユリアも不安そうな顔をしている。


『逃げちゃおうか?』のサインを出したら、サユリアが頷いたので出口の方を向いたら途端に声をかけられた。



「お待たせ致しました。どうぞこちらへ」


受付嬢に案内されたのは2階のギルド長室だった。


一体どうなっている?本当に逃げた方が良くないか?



いつも読んでくださりありがとう御座います。


面白いと感じられましたら、下段に有ります評価の☆星やブックマークを付けて貰えると嬉しいです。



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