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第50話 あら、私は将来才人の妻になる予定なんだから部外者じゃ無いわよ

新作準備に時間がかかってしまったため更新が遅くなりました

 真里奈と二人で学校から下校し、しばらく俺の家で明日のテスト対策をしているうちにあっという間に遅い時間になった。

 相変わらずめちゃくちゃスパルタな真里奈だったが最近はそれすら心地良く感じてきたため、もしかしたら俺にはMの才能があるのかもしれない。


「明日のテストも引き続き気を抜かずにしっかり頑張りなさい」


「ああ、真里奈のおかげで今回の実力テストはめちゃくちゃ自信があるから」


「へー、私にそこまで言ったんだから生半可な点数取ったら許さないわよ」


 ここまで啖呵を切っておいて悪い点数を取ったら凄まじく格好悪いため明日は全力で頑張るつもりだ。そんな事を思いながら真里奈と一緒に玄関へ向かっていると見覚えのある二人組の姿が目に入る。


「あっ、才人君」


「さっきぶりだね、お邪魔してるよ」


「なんだ二人とも家に来てたのか」


 リビングにいたのは空と翼だった。その顔を見た瞬間、真里奈は明らかに不機嫌そうな表情になる。


「……なんでこいつがここにいるのよ?」


「なんでって歩美ちゃんから引越し祝いで夕食に誘われたからだけど」


「歩美もこんな奴を誘わなくてもいいじゃない」


「僕もすっかり嫌われたもんだね」


 真里奈と空が言い争っている姿を見てどうやって止めようか考え始めているとエプロン姿の歩美がキッチンから出てきた。


「あっ、真里奈さん。もう帰るんですか?」


「そう思ってたけど才人が悪い虫からたかられそうになってるからまだ帰れそうにないのよね」


「じゃあ真里奈さんも一緒に夕食を食べていきません?」


「そうね、お言葉に甘えさせて貰うわ」


 そんな真里奈の言葉を聞いていた空が少しだけ面白くなさそうな表情で反応する。


「身内同士の食事会に部外者がいるのはちょっといただけないな、八雲さんはもう少し遠慮って言葉を覚えた方がいいと思うよ」


「あら、私は将来才人の妻になる予定なんだから部外者じゃ無いわよ」


「学生カップルが結婚までする確率はかなり低いと思うけど?」


「私と才人は子供の頃から長い付き合いがある幼馴染なんだからそんじょそこらの学生カップル風情とは絆の大きさがそもそも違うわ」


「僕的には幼馴染よりもいとこの方が絆の大きさは圧倒的に上だと思うな」


 だんだんヒートアップする真里奈と空に対してそろそろ止めないとまずいと思っていると歩美が横から口を挟む。


「二人ともあんまり喧嘩しないでください、これ以上続けるなら真里奈さんと空君だけ夕食抜きにしますよ?」


「うっ、それは困るわ」


「仕方ない、ここは一旦休戦にしようか」


 歩美の一言により真里奈と空は言い争いを辞めた。その様子を見ていた翼が感心したような表情で口を開く。


「歩美ちゃん、めちゃくちゃしっかりしてるね」


「ああ、歩美は俺の自慢の妹だからな」


「とても中学生とは思えないよ、私も見習わなくちゃね」


 確かに歩美はしっかりし過ぎているため本当に年下なのか疑わしくなる事がたまにある。多分精神年齢だけならこの場にいる誰よりも高いのでは無いだろうか。


「もうすぐ完成するのでそろそろ席に着いて待っててください」


 俺達は歩美に促されてダイニングへと移動するわけだがここでも問題が起こる。


「ちょっと、何さらっと才人の隣に座ろうとしてるのよ」


「僕が才人の隣に座っちゃ駄目な理由は何かな?」


「才人の隣は昔から私の定位置なの、だから私以外が座る事はあり得ないんだから」


「おかしいな、僕の定位置のはずなんだけど」


 なんと席の場所で真里奈と空が揉め始めてしまったのだ。


「そんな事でいちいち揉めるなよ、また歩美に怒られても知らないぞ」


「なら誰を隣にするかは才人に決めて貰いましょう、それならあんたも文句無いわよね」


「ああ、才人が決めた事なら勿論従うさ」


「じゃあ誰を隣に座らせたいかさっさと決めなさい」


「えっ……」


 いつの間にかそんな話になってしまい俺は思わず狼狽えしまう。真里奈を選んでも空を選んでも良い結果になるとは思えない。

 翼を選ぶと自分以外の女を隣にしたという事で間違いなく真里奈が不機嫌になりそうなためこれも絶対に駄目だ。それならもう俺に残された選択肢は一つしかない。


「俺の隣は歩美がいいな」


「……今回はそれで許してあげるわ」


「……僕を選んでくれなかったのは少し残念だけど、才人が決めた事なら尊重するよ」


 二人とも残念そうな顔をしていたがとりあえず真里奈も空も納得をしてくれたのでひとまず一件落着だ。それから少しして歩美はテーブルの真ん中に鍋を持ってきた。


「へー、良い匂いがしてると思ったら今日はすき焼きか」


「うん、皆んなで一緒に食べられそうだったから。お母さんの分は別に作ってあるから遠慮なく食べて大丈夫」


 鍋の中のすき焼きはめちゃくちゃ美味しそうだったため思いっきり食欲をそそられる。


「「「「「いただきます」」」」」


 俺達五人は一斉にすき焼きを食べ始めた。見た目通り味も最高に美味しかったため凄まじい勢いで減っていった事は言うまでもない。

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