点P動きます
「動くなよな点Pマジだりぃ」
「マジそれなーー」
今まで何度も馬鹿にされ、ネタにされてきた。こんな点生にもううんざりしていた。
初めはそうじゃなかった。問題文でいつも引っ張りだこにされる俺は一躍点界でスターのような点だった。
ネットのおもちゃにされるまでは……
「続きまして速報です。たびたびネットで悪用され、問題界隈を騒つかせている点Pが、今朝、点界議会にて世界点遺産に登録され、点Pの使用が来年4月から銃砲刀剣類所持および点P取締法により保護され、使用が禁止されました」
「物騒な世の中になったわね」
「まぁこれで点Pも保護されたんだ。点Pもこれからは平和なんだ良かったなぁガッハッハ!」
「今の点P問題は非常に問題であった。だからこそ、今の点P問題は非常に問題だと思っていた」
平和じゃない……何が平和だ!
俺はこれからどこに行けば良い!
仕事がなくなった……
死ぬのか……このまま……
せめて共通テヌトに……出てみたかった……
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とある山中に、1人の男が歩いていた。
「パーティメンバーが3人じゃな……3人じゃ統制が取りにくいし、格上魔獣の遭遇率も最近上がってるみてぇで3人じゃ物足りねぇよなぁ」
ん? 見かけねぇ顔だなぁ。
あの熊相手に中々に肝が座ってやがる。Bランクの冒険者あたりか……ただ周りに誰もいないな……一人……なのか? パーティー解散してすぐとかか……?
「!?」
何だ今のカウンターわよぉ。まるで数秒先の相手の動きを計算していたかのような精密さ、無機物のような覇気のない流れるような受け流し……これは、、、達人だ……
(数時間後)
つい後をついて来ちまったなぁ。
にしても、奇襲流を身につけているとはいえ、あの達人が俺ごときにつけられていることに気づかないだと!?
なんだ?あの男、掲示板を見ているな……ってあれパーティメンバー募集の掲示板だと!!
!?……そうか!!
あの達人は今まで自分から声をかけることが出来ずにずっと誰かの勧誘を待ち続けていたんだ!!
そして今俺が後ろをつけているのも気づかないフリをして、警戒も解いているのは、声をかけて欲しいと言う俺へのサインなのかっ!!
「よぉ兄ちゃん!! もしかしてパーティー探してんのか? ここらじゃ最近上級魔物も増えてて物騒だもんな。よかったら少し話をしねぇか? あぁ、俺はロドス・レージャンって名だ。ロドスって呼んでくれ!」
掲示板を見つめていた男は飛び跳ねるような勢いで驚く。
…………あれ?……流石に急に勧誘した怪しい奴やと思われたか……?困惑したか……?
「……え、あ、はい。どうも初めまして……ロドスさん」
「テン・ピィと申します」