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星の願い  作者: ミケ
第三章 這い寄る星々
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77.関係

ナイフを器用に回しながら彼女に近付きダルそうに話し掛ける。

「あの〜ユーピテルさんよ…俺が味方だって事、忘れてるんじゃないすか?俺にまで突き刺さりそうになったんだが?」

「………」

彼女は黙ったまま相手側を見つていた。

「おーい?きいて―――――」

彼の声を遮り苛立ったように答える。

「ごちゃごちゃとうるさい男ね。感知能力のある貴方なら私がどう攻撃しようとしていたか分かってたはずでしょう?」

指摘されると頭をかきながらニヤつく。

「あ〜、バレてた?」



アクエリアス達を見渡し口を開く。

「いくら私でも、こいつら相手に怪我どころじゃないわね。収穫もあった事だし……退くわよ」

「はいはい…」

やる気のない返事をしつつポケットから何か丸いものを取り出す。


「逃さん!」

レグレスは大剣を地面に抉りながら一番に突っ走る。

「よせ!深追いするな!」

アクエリアスが制止の声を飛ばすが、すでに敵の近くまで接近していた。

大剣を大きく振りかぶり斬りかかる。

それに合わせてリタースが丸い何かを地面に叩きつける。

すると丸い物から白い煙が噴射し辺りの視界を奪う。


「くっ!?目眩まし!?」

走っているのか足音が暗闇の谷底に響き渡る。

その音を頼りに大剣を振るうが相手には当たらず次第に煙が晴れていった。

気が付くとリタースとユーピテルの姿が消えていた。

「あらら〜…逃げられちゃいましたね☆」

「いや、これでいい。無理に追って怪我でもしたら、それこそ危険だからね」


「アレル…」

フリージアが落ち込むように呟くとサダルメリクは元気付けるように言葉をかける。

「げ、元気出して下さい!まだ終わった訳ではありませんから!」

「でもどういう事だ。アレルは確かにそこに居たんだよな?」

さっきまで居たはずのアレルが今はいなくなっている。


彼の姿があった場所に足を運びアクエリアスはそこに埋まっていた小さな白い機械に気付き拾いながら話す。

「恐らくこの小さな機械からアレルの姿を写していたんだろう」

「キカイ?何の星導光エーテルなんだ?」

普段から聞き慣れない言葉に何の星導光エーテルかを尋ねる。


するとこちらに近付いてきたレグレスがアクエリアスの代わりに答える。

「いや、これは星導光エーテルなんかでは無い。ふむ…見る限り何かの映像機だろう」

「映像機…? ちょっと見せて」

その機械を取り上げるようにミルキーが手に持つ。

彼女自身も初めて見たのか、様々な角度から観察をしながらポツリと呟く。

「これって………ロストカンパニーの製品?」


「ロストカンパニー?」

ルークスにとって聞き覚えのない名前だ。

「星の至る様々な場所にある遺物を回収し復元させて、研究している奴らだ」

レグレスが大剣を収めながら説明をすると、ミルキーが驚いたふうに話す。

「え、アンタ知ってんの?」


「それはこちらのセリフだ。貴様はどこでその名を知った?」

「アタシの友達から紹介したいものがあるって言って見してくれたことがあったの」

「友達? ソイツの名は?」

「………? ルディだけど…」

彼女の名前が挙がると頷き納得する。

「そうか…それなら納得だな」

彼の反応にポカーンとする。

二人が話している中、ルークスが質問をする。

「ロストカンパニーってやつはあんまり知られてない感じか?」

ルークスが知らないだけなのか、それともまだ有名にはなってないだけか…


「知られてないではなく知らせていない…だ。ロストカンパニーの事について気になるかも知れないが俺からは何も言えん」

「まあ、こんなところで長話はな……」

危険な場所で長話をするのは危険だと思い、話を引き上げているのかと考えたが、彼からは予想もしない言葉が出てきた。

「違う。規則だ」


「規則?」

なんか変なルールでもあるのか?と思考を巡らせる最中、ミルキーが思い出すように話しだした。

「そういえばルディからも規則がどうとか言ってたわね…あまり聞かないほうが良いかもしれないわ」

規則の内容がどういったものか分からないため、無理に聞き出す必要はないだろう。


「何はともかく、あいつらはこういった妙な物を作るのが得意みたいだからな。それよりもアクエリアスこの先どうするつもりだ?」

「あいつらを追うしかないね」

「追うってどこに行ったか分かんねえのに追えるのか?」


日輪冠をステラに返し答える。

「さっきフリージアが仕掛けたトラップに追跡用の術式を施してあったんだ。それを使って奴らの後を追う」

「え?あんな短時間でそんな事してたの?!全然気が付かなかったわ…」

あの一瞬で罠を仕掛け、さらに追跡用の術式を組み込んでいたようだ。

見た目は幼い少女だがかなりのやり手のようだ。


「幸いにもアイツらにはまだバレてないみたいだよ。今から行くの?」

「いや、一旦サングレーザーに寄って行こう。まずは休憩が必要だからね」

「のんきに休憩なんてしてる場合か?急いだほうがいいんじゃないか?」

サングレーザーに寄るとは言え、このクラフト峡谷から戻るのに多少の時間が掛かる。

それに相手に付けた追跡用の術式もいつバレるのかも時間の問題だ。

早めに手を打ったほうがいいのではないかと思っていた。


「君の言う通りだけど……」

アクエリアスはそう言いながらチラチラと全員を見る。

それに沿ってルークスもみんなに視線を移す。

さっきまで緊迫した雰囲気が続いていて気が付かなかったが、よくよく見れば全員疲れ切っていた。

「今の状態で追い掛けても返り討ちに会ってしまう…それどころか誰か人質として囚われてしまうかもしれない。君の焦る気持も分かるけど、だからっと言ってそのまま突っ走るのはさらに危険を呼び込むだけだ。こういう時こそ落ち着いて休憩しながら行くべきなんじゃないかな?」

「わ、悪い…」

「焦ることはないさ。奴らの足取りも分かってることだし、今は体を休めることに集中しようか。スピカ、帰りの運転 頼めるかい?」

「はいは~い☆まかせてくださ〜い☆」

素早く帰る準備を済ませてサングレーザーへ戻るのだった。



        ★



数十分後、ルークス達は無事にサングレーザーに戻りアクエリアスの拠点へと向かっていた。

だが拠点の前に見覚えのある黒服の男が佇んでいた。

その男がこちらの存在に気が付くと真っ直ぐ向かって話し掛けてきた。

「よぉ…お前ら…待ってたぜ?」

「げっ……アンタまだ居たの?ホンッットしつこいわね…」

あからさまに嫌な顔をする。

溜息をこぼし彼を見据えて言い放つ。

「今ガチクズサイテーな人間さんに構ってる暇は無いの…どっか行っててくれる?」


二人の悪態を無視しつつ右手を差し出す。

「ああ、ソイツを差し出せば大人しく帰ってやるよ」

テーベに視線を移し、クイッと手を動かす。

「ダメっ!絶対に渡さないんだから!」

頭に乗っていたテーベを守るようにぎゅっと抱きしめる。


スピカが不思議そうに訪ねる。

「というか~誰なんですか?この不審者さんは?」

「こいつは絶対悪の象徴っつーよく分かんねえ連中の一人だ」

「魔物さんをいじめるサイテーな人だよ!」

「へぇ〜?そうなんですか~☆」

ニヤニヤしながらプルートを見る。


「ふん!なんとでも言うといい。そんなことよりも早くソイツを渡しな」

じわじわと苛立ってきたのか態度も荒っぽくなってくる。

プルートのしつこさに半ば呆れ顔になる。

「前にも言っただろう?コイツを渡さねえって…」

「お前達の事情など知ったことか…さっさとソイツを――――」

不意に話が途切れたと思えばアクエリアスがプルートの懐に踏み込み水をまとわせた手刀で斬りつけていた。

ふわっと優雅に避け綺麗に着地する。


「お前らはどうも人の話を聞かないんだな」

あははは…と軽い微笑を浮かべながら話す。

「すまないね。今は君とお喋りしている暇は無いんだ」

「はぁ…星導光惑星エーテルプラネットの連中と戦ったばかりなんだから暇なアンタと構ってる体力がないのよ。分かったらとっとと帰りなさい」


ミルキーから出てきた言葉にピクリと反応をする。

星導光惑星エーテルプラネットだと…?暴力エルフ…お前さっき星導光惑星エーテルプラネットと言わなかったか?」

「そうだけど……アンタあいつらのこと知ってんの?」

「少しだけな……あいつらと何があったのか知らないが 奴らと関わらない方がいい」


「生憎だがそういう訳には行かねぇんだ。それよりも何でお前が星導光惑星エーテルプラネットの事を知ってんだよ?」

ルークスに続きステラも言い放つ。

「まさか貴方もその仲間なの?!」


仲間と言われて余程頭にきたのか、今までにない怒りを見せてきた。

「俺をあんな奴らとは一緒にするな!奴らと絶対悪の象徴は利害関係で一時的に組んでいるだけだ!」

両腕を組み様子をうかがっていたアクエリアスが話しかける。

「その態度だと随分と彼らの事を嫌ってるみたいだね?」

「ふん…奴らは「人間のために」とか言って星導光エーテルの研究をしているが、その裏では獣人族ビーストやエルフ……あまつさえ同じ人間すら使い何らかの実験をしている。いくら人間のためとは言えあのような非人道的なやり方に納得できないだけだ」


「実験…?なんか思ったよりもやべぇ奴らに喧嘩売っちまったのか…?」

「あら、もしかしてビビってるの?」

「そ、そりゃビビるぞ…お前は怖くねえのかよ?」

「はん!アタシを誰だと思ってんの。天才魔術師のミルキーよ!あんな奴らにやられるアタシじゃないわ!」

「あの時思いっきりやられてなかったっけ?」

ルークスが思い出したように指摘すると不満気な表情に変え反論する。


「うるさいわね。あの時は不意を突かれたからそうなったの!二度とあんな事にはならないわ」

きりきりとした雰囲気にたしなめるようにサダルメリクが割り入り話す。

「まあまあ…その話は一旦置いといて…ちょっと質問いいですか?」

「なんだ?」

「さっきの話を聞く限り貴方は星導光惑星エーテルプラネットの事を知っているんですよね?あの人達の事を教えてもらってもいいですか?」


少し沈黙を空け重たそうに口を開く。

「……奴らの情報は渡せん」

「なんでよ!ケチ!」

ステラが喋ると同時にテーベもぷるぷると震わせる。

「奴らの事はボスに口止めされているからな。もしバレたらボスに何されるかわからん」

何はどうであれ星導光惑星エーテルプラネットの情報を引き出せなかった。

そうと分かると冷たくあしらい、この場を離れようと足を動かす。


「そうかよ。だったらどっか行っててくれよ…あいつらと相手をするのに忙しいからさ」

彼とすれ違いにポツリと呟くように聞く。

「…本気で奴らと戦う気か?」

何度も止められたせいかボヤくように答える。

「そうだと言ってるだろ?しつけえな…」


「お前らは奴らの恐ろしさを理解していないからそんな事が言えるんだ。あいつらは人間相手でも邪魔する奴は本気で殺しに来る。少なくとも迷いの森で戦った黒い魔物みたいなあんな遊びではない」

さっきまでとは違い真剣な眼差しで見つめてくる。

「忠告してくれるのはいいけどよ…それでもやらなきゃならねえんだ」

ルークス達の意思に何か感じ取ったのか「はぁ」と溜息を出し再び静止の声をかける。


「……待て」

またかと言わんばかりにフリージアが突っかかる。

「なんですか?これ以上ガチクズサイテーな人間さんとお喋り――――って何勝手に人の家に上がってるんですか!」

彼女の声を無視し、玄関を勝手に開け上がろうとしていた。

「俺が親切に止めてやってもどうせ奴らの元に行くんだろ?」

少々呆れた風に声色を変えてこちらに振り向く。

「教えてやると言っているんだ。奴らの事をな…但し一つだけ条件がある」









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