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星の願い  作者: ミケ
第三章 這い寄る星々
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66.綺麗な青空

サングレーザーから出て橋を渡るルークス達。

橋を渡り終わり、川沿いに歩きながら北側へと目指す。

晴天の中、ルークスは質問する。

「クロイツ海岸って一体どんな場所なんだ?」


するとレグレスは静かに語るように答える。

「綺麗な浜辺だ。何もない小さな場所だが心落ち着く…そんな場所だ」

「魔物さえ居なければ…の話だがな」

プルートは嫌味を言うよに言い放つ。


「お前も行った事があるのか?」

「ああ、とはいえ一度だけだがな。前に来た時はスライムが大量発生してて駆除するのに苦労したからな。今はどうなってるか…」

「アンタってなんでそんなに魔物の事を嫌ってるの?」

ミルキーの素朴な疑問にプルートは、こちらに振り向かず淡々と言い放つ。

「お前達に話す事は無い。不要な詮索だ」


「絶対悪の象徴…オレから見れば…貴様らのやってる事は魔物に対する虐殺にしか見えない」

レグレスの言い方が気に入らなかったのか一旦足を止め、声を荒らげ反論する。

「虐殺だと…!?俺はそんな奴等とは違う!」

「ほう…では一体…何が違うと言うのだ?」


「絶対悪の象徴には大きく2つのグループに分かれている。お前がさっき言った奴等はストレス発散の為だけに魔物を殺している……酷い時だとエルフや獣人ビーストにまで手を出すロクでもない連中だ。だが、俺達の方は魔物に何らかの恨み憎しみを持ち、信念のある戦い方をしている。あんな奴らと一緒にするな!」

「では貴様は、その信念のある戦いをしているから虐殺では無いと……そう言いたいのか?」

「そうだ」


彼の返ってきた言葉に呆れたのか、捨て台詞を吐くように足を進め始めた。

「ふん…だがどんな理由があろうとも貴様も奴らと同類だ」

「チッ…勝手に言ってろ」


ミルキーは興味なさげに聞いてみる。

「ストレス発散のためにそこまでやるなんて…想像以上にヤバイ連中ね…」


「これも全てあの戦争が関係している。お前達は何処まで知っているか分からないが過去に戦争時代があった時、俺達人間は人間以外の種族に対して何しても良い環境だった。その当時の人間達は他の種族を娯楽で殺したり、奴隷にしたり…やりたい放題だった。しかし、十年前…突如として戦争は終わりを迎えたんだ。全てをひっくり返したかのように変わっちまった」

今から10年前に人間と他の種族に対して戦争を吹き掛けていた。

その戦争の影響で今の人間と他の種族の関係は最悪と言っていいほど悪化していた。


「平和になったことか?」

「平和に…なったのかは正直俺にも分からん。この戦争も俺達が生まれる遥か前に起きていたからな。そもそも事の発端が何なのかも分からねえし…それに星導光エーテルも―――――――」


立て続けに話そうとしたが、不意に言葉が止まる。

先頭で歩いていたレグレスが立ち止まり、隠れるように岩陰に腰を下ろした。

「どした?」

「オレはここで待つ…これ以上近付くと彼女に気付かれる」


彼の言葉に気付かされたのか、辺りを見渡すとそこにはクロイツ海岸と思われる場所が、少し歩いた先にあった。

「あ〜もう着いたのね。後はアタシ達に任せなさい。ほら、行くわよ」

「チッ…俺に指図するな…」

「やるだけやってみるけど、あんま期待すんなよな」

レグレスはここで待機し、ルークスとミルキー…そして絶対悪の象徴であるプルートの三人で彼女に会いに行くため、クロイツ海岸へ足を踏み込む。



       ★



少し進むとクロイツ海岸へ辿り着いた。

細かな砂浜に透明感のある綺麗な海、周りが静かなせいなのか、さざなみの音がより際立っていた。

「わぁ〜綺麗ね〜!」

ミルキーにしては珍しく足早に進み、年相応にはしゃいでいた。


「魔物も居ない訳ではない。気を緩むなよ」

プルートに釘を刺され機嫌を悪くしたのか苛立ちを見せる。

「さっきから魔物魔物ってうっさいわね…アンタの頭ん中スライムでも沸いてんじゃない?」

「チッ…これだから素人には苛々させられる」


「まぁいいじゃねえか。いざとなったら戦えばいいだけだ…それに宵闇の皇帝さんも居る事だしな」

「ふん……」

頼りにされる事に嬉しかったのか、そっぽを向き大人しくする。

「さてと、レグレスの情報からしてこの辺にいるはずなんだが……」

周りには視界を遮るように岩壁がそびえ立っており、奥には何個かのゴツゴツとした大岩が砂浜の中に埋もれていた。


しばらく辺りを散策をしていると、奥にある大きな岩の後ろから菜の花色のした短髪の女の子が姿を表した。

「あ!もしかしてアレじゃない?」

ミルキーの声に反応し、こちらに振り向く。

すると少し戸惑った表情になり、声を掛けに来た。

「……あれ?昨日アル――――アクエリアスと一緒にいた人…?」

一瞬なにかを言おうとしたが、すぐに切り替えて昨日の出来事を話す。


「お?覚えてくてたのか」

てっきりこちらの事を見ていないと思っていたが、そうでも無かったらしい。

青空の様なワンピースに似た格好をしたフリージアは戸惑いながらも尋ねる。

「うん。そ、それでわたしになにかよう…?」


「ああ、でもその前に軽く自己紹介するぜ。俺はルークス。で、こっちのエルフが――――」

「ミルキーよ」

「絶対悪の象徴…プルートだ」

三人が軽めの自己紹介を終えて、彼女も名を名乗りだす。

「えっと…私はフリージアっていいます」


プルートの事が気になるのかチラチラと視線を切り替える。

「何をジロジロと見てやがる」

「その…絶対悪の象徴って確か、弱い魔物を虐めて楽しむ人達…だよね。えっと…二人はどうしてそんな人と一緒に…?」


「俺としても好きでコイツを連れてるわけじゃないんだ」

「そうそう。何か意味の分からない理由をつけられてストーカーみたいに付いてくるのよ」

「えっ?じゃあ敵なの?」

「そうね。バリバリの敵よ」


「ふん…勝手に言ってろ…で、お前達は何しにこの幼女に会ったんだ?」

幼女という単語を聞きフリージアは、すこし怒ったように声を荒らげる。

「よ、幼女なんかじゃないよ!」

「何を言ってやがる。どっからどう見ても幼女だろうが」

顔立ちは幼くミルキーよりも身長は低く、見た目で見る限り幼い女の子しか見えなかった。


「み、見た目で判断するなんて…!サイテーだよ!」

プルートに指をさしながらギャーギャーと騒ぐ。

「チッ。やかましいガキだ…」

「アホみたいな会話ね……」

ミルキーは頭を押さえながら呆れたふうに呟いていた。


「まあまあ、落ち着けよ。こんな所で話すのもアレだし、サングレーザーに戻って話さないか?」

このままだと、口喧嘩だけで終わってしまいそうなのでルークスはここで本来の目的の話へと戻す。

「サングレーザーに………」

さっきまで騒いでいたものと一変し、なにやら言いにくそうにする。

不審に思ったルークスは確認をとる。

「どうした?何か問題があるのか?」


「な、何でもないけど……じ、じゃあ展望台のとこで話そっか」

ミルキーも彼女の変わりように戸惑いながらも首を頷ける。

「え、ええ……」

(なんか歯切れの悪い言い方ね…)


「展望台か…。ふん…まぁいいだろう」

「お前…まさかとは思うがまだ付いてくつもりか?ちょっとしつこいぞ」

「なんとでも言え。俺はあのクソスライムを見つけるまでお前達についていくつもりだ」

「クソスライムって……あの子が聞いたらブチ切れね…」



       ★



「ん?」

クロイツ海岸から出てサングレーザーへ向かう途中、何かに気付いたのかプルートはキョロキョロと誰かを探しているのか辺りを見渡し始めた。

傍から見れば不審者そのものの動きにフリージアはジトーっとした目で尋ねる。


「サイテーな人間さん。どうしたの?」

「チッ…面倒くせえ幼女だな。さっきの事をまだ引きずってるのか?」

「むっ…だから私は幼女じゃないって何回言ったらわかるの!バカなの!?ああ〜バカだったね。サイテーな人間さん!」

イライラしているのか声を大きくして睨みつける。


「ふん…お前みたいな幼女にいちいち構ってるほど暇じゃ無い」

幼女相手に怯まない彼に諦めたのかプイッと視線を外し距離を取る。

「もういいもん。サイテーな人間さんとは話さないから」

「やれやれ…」


「ホント馬鹿みたいな会話ねー」

ミルキーの些細な言葉をフリージアは見逃さなかった。

「あっ!今バカって言った!バカって言う方がバカなんだよ!」

「は?」

いきなりの出来事にほんの一瞬、天才魔術師のエルフの頭に血がのぼる。


「く、くだらなすぎる」

あまりにも低レベルな話なのか苦虫を噛み潰したような表情をする。

ルークスはリラックスとした顔つきで口を開く。

「そういうのが良いんじゃないか」


「俺はな…こんな所でのんびりと歩いている場合ではない。さっさとサングレーザーに戻るぞ」

(そういやレグレスのやつ…姿を見せないが…一体どこに…?)

レグレスとフリージアの状況を知らないプルートは彼の姿を表さない事に疑問を持っている中、隣に来た幼女が質問をしてきた。

「サイテーな人間さんはどうしてそんなに急いでるの?」


彼女の質問にプルートはカッコつけたポーズをとりながら澄ました顔で答える。

「ふっ、そんなの決まっている。魔物を消す為だ」

「アタシ達の仲間にテーベっていうスライムがいるんだけど、ソイツを消そうと勝手に付いてくるのよ。全く鬱陶しいたらありゃしないわ」

何も無かったかのようにペラペラと話す。

「ふん…なんとでも言え。俺は目的を果たすまでお前達についてくつもりだ…その時まで覚悟しておくんだな」










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